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コンクール優勝者の音楽会

投稿日:2015年10月09日 18:04

 今週のテーマは「コンクール優勝者の音楽会」。コンクールの目的は、すぐれた若い才能を発掘すること。通常は年齢制限があります。有名な国際コンクールには世界中から優秀な若者たちがこぞって集まります。難関をくぐり抜けて、権威あるコンクールに優勝することは、まさに「ミッション:インポッシブル」。

 しかし、本当に大変なのは、優勝を果たした後でしょう。一時の話題を呼ぶだけではなく、たゆみなく成長を続け、聴衆の支持を獲得しなければなりません。今回ゲストに登場したピアニストの萩原麻未さんとチェリストの宮田大さんは、ともに著名なコンクールで優勝を獲得していますが、その上で、優勝後も着実にキャリアを深めているところがすばらしいですよね。

 コンクールのファイナルでも演奏したというラヴェルのピアノ協奏曲とドヴォルザークのチェロ協奏曲。どちらもおふたりのキャラクターに合っているような気がしませんでしたか。才気煥発としたラヴェルと情感豊かなドヴォルザーク。それぞれ、まるで萩原さんと宮田さんのために書かれた作品であるかのようです。

 ドヴォルザークのチェロ協奏曲で、宮田さんが「母への思い」を語っていましたが、この作品には作曲者のいろいろな思いが込められています。ひとつは「望郷」でしょう。ドヴォルザークは、故郷プラハをはるか離れて、ニューヨークで音楽院の院長を2年間にわたって務めました。19世紀末のことですから、ジェット機で大西洋をひとっ飛びというわけにはいきません。民謡風のメロディから故郷への思いが伝わってきます。

 もうひとつはかつて恋した女性、ヨセフィーナへの思い。作曲中にヨセフィーナ重篤の報せを受け、ドヴォルザークは彼女が好んでいた歌曲のメロディを作品に引用します。ドヴォルザークが帰国してまもなく、ヨセフィーナは息を引き取りました。

 ちなみに、ドヴォルザークの奥さんアンナは、ヨセフィーナの妹さんです。好きだった人に失恋して、結局、その人の妹と結ばれた……。よくある話といえば、よくある話でしょうか?

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コメント

毎回、楽しみにして見ています。最近購入した70型のワイドなサイズのテレビで見ているのですが最高!です。録画して何回も何回も繰り返しながら見て、聴いて楽しんでいます。コンクール優勝者の音楽会の萩原さん、宮田さん、龍さんの演奏は本当に素晴らしかったです。改めて音楽の素晴らしさを感じています。

とても密度の濃い番組になりましたね。
黒柳さんの一言も大きいですね。
萩原さんの音が立っているところ、集中力の高さなどこれからが楽しみですね。宮田さんの情感て人の心に響くところがありすばらしかったです。そしてトリオも最高でした。この番組がいつまでも続きますようにと改めて思いました。龍君も堂々としてカッコいいです。

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