舞台は、東京にも近く、通勤・通学などアクセスにも便利な茨城県那珂市。住宅街の一角にお漬け物とピクルスの「ゆめ工房・暖」を始めた山﨑明子さん(62歳)と夫の克己さん(67歳)が主人公です。
明子さんは21歳の時、東京で働いていた克己さんと結婚。しばらく東京で暮していましたが、義母の介護の為、克己さんの故郷である那珂市に移住します。克己さんは単身赴任が多く、明子さん一人で子育てと介護の日々を送っていました。明子さん55歳の時、突然の病に襲われます。「何かを残したい…」と思っていた時、克己さんが定年退職後に勤めた那珂市の直売所から漬け物を販売しないかという声がかかりました。2010年7月、夫婦で「ゆめ工房・暖」をオープンしました。家族の支えと仲間の協力を得て、毎日、元気に漬け物とピクルス作りに奮闘する山﨑さんご夫婦の生活をご紹介します。
山﨑さんご夫婦の営む「ゆめ工房・暖」は、年間で60種類以上のお漬け物やピクルスを作っている工房です。使う食材や調味料は、遠くまでご夫婦が買いに行った新鮮なものを使用し、つけ汁は食材によって毎回、明子さんが合う味を考えて作っています。出来るだけ優しい味にすることで、お客様が食べやすいものを提供したいというご夫婦の思いが込められた商品がそろっています。
「ゆめ工房・暖」では、明子さんが商品作り全般を担当し、克己さんが商品の仕入れや配達を担当しています。商品作りに関してはあまり任せてもらえない克己さんですが、卵の殻むきやにんじんなどの皮むきは克己さんが担当しています。漬け物、ピクルス作りに没頭する妻を全力でサポートする優しい克己さんです。
お漬物とピクルス作りを始めて、ご夫婦はたくさんの素敵な出会いがありました。お店に商品を置いてくれる方、新鮮な食材を提供してくれる方など出会う方は皆さん、山﨑さんご夫婦の作るお漬け物やピクルスを応援してくれています。みなさんはそろって、山﨑さんの人柄の良さがでた味に惹かれたといいます。
ご夫婦のピクルス作りには師匠がいらっしゃいます。栃木県益子町でカフェを営む坂口さんご夫婦です。卵をピクルスにするという斬新なアイデアや、少しでも長く保存できるように瓶に入れるというアイデアはすべて坂口さんと話していた時に出たもの。卵のピクルスは坂口さんご夫婦の協力があったからこそできた賜物です。