舞台は山口県周防大島町。今年5月民宿『石鍋亭(いしなべてい)』を始めた宮地直人さん(53歳)と佳世さん(45歳)ご夫婦が主人公です。
製薬会社に勤務し、福岡、広島、岡山など転勤生活を送る中で、家族の楽しみだったのがキャンプでした。元々釣り好きだった直人さんは自己流で魚を捌くうちに料理も得意になり、友人を自宅に招いてはその腕を振るっていました。東京に単身赴任していた51歳の時、会社主催の「セカンドライフを考えるセミナー」に参加し、「瀬戸内海の島に家と船を買い、釣りをしたい」という夢を発表した直人さん。夢の実現のために移住先を探し始め、周防大島町の定住促進ツアーに参加しました。そして、役場の人に紹介された空き家を一目見て気に入り、購入を決意。家の改装や民宿の準備を整え、2015年5月に1日1組限定の民宿『石鍋亭』をオープンしました。
釣り好き料理好きが高じて瀬戸内の島に移住し、民宿を始めた宮地さんご夫婦の、のどかな島暮らしを紹介します。
この日、千葉県から友人家族が宿泊にやってきました。夕食は島の食材を使った直人さんの手料理が並びました。今宵の献立は旬の太刀魚の炙りに、アカモク(海藻)とキュウリの酢の物、アカウニ、メバルの煮付け。おいしい料理でお酒が進みます!
今年の4月から週に1度、近所の小学校に通っている佳世さん。その訳は、スクールバスが出る時間まで1、2年生の子どもたちの面倒を見るためです。子どもたちとの触れ合いが佳世さんの元気の源にもなっています。
一方、直人さんは、なんと昼風呂!湯に浸かりながら海を眺めるのが、お客さまが居ない時の楽しみなんです。そして、入浴後はテラスでビール!長年の夢を叶え、島暮らしを楽しんでいるお2人です。
リビングから海がきれいに眺められるようにと、木の伐採を友人にお願いした直人さん。しかし、チェンソーが小型だったため、幹の太い木を切り倒せず、この日は3本切り倒して終了…。きれいに海を見渡せるようになるまで、もう少し時間がかかりそうです。一汗流した後はみんなで酒盛りです!何かにつけて仲間が集う「石鍋亭」。今日も賑やかな声が響きます。
渡り蝶、アサギマダラを見に来た宮地さんご夫婦。夏に東北地方まで北上し、冬は沖縄、台湾まで南下すると言われるアサギマダラは、渡りの途中に周防大島で羽を休めます。かつて仕事で各地を飛び回っていた宮地さんご夫婦も周防大島にたどり着き、ゆったりとした島暮らしを満喫しています。