山口県周防大島から約2キロ。瀬戸内海に浮かぶ周囲4キロほどの小さな島、笠佐島(かささじま)が舞台。この島で2010年3月「漁家民宿かささ」をオープンした河村幹雄さん(63歳)と妻で韓国出身の柱銀(チュウン)さん(42歳)が主人公です。故郷を盛り上げたいと考えていた幹雄さんに、笠佐島が大好きになった柱銀さんが宿を開こうと提案。二人で納屋を民宿用に改装しました。「漁家民宿かささ」の自慢は柱銀さんが作る料理。鮮度抜群の魚介類と、キムチやチヂミなどの本場韓国の味。料理の他に、河村さんご夫婦の人柄に魅了されてリピーターになるお客様も大勢います。漁家民宿を経営しながらも、のんびりとした島暮らしを楽しむ河村さんご夫婦の日常をご紹介します。
納屋を夫婦で民宿用に改装した「漁家民宿かささ」。元々は、宿をするためではなく自分たちで住む予定でした。客室の改装には、幹雄さんが建設会社で働いていた経験が活きています。中でも、お客さんに人気なのが、瀬戸内海を見渡せる2階のテラス。ここからの眺めは最高です。
「漁家民宿かささ」の料理は、新鮮な海の幸を豊富に使って柱銀さんが作ります。野菜は、宿の裏にある畑で柱銀さんが育てており、幹雄さんが漁で取って来た魚介類は生簀に入れてあります。だから、どの食材も鮮度は抜群。「漁家民宿かささ」一番の自慢です。
この日、幹雄さんは宿で使う魚を釣るため漁に出ました。昔から釣りが大好きな幹雄さん。何ヵ所もポイントを巡り、釣りを続けます。幹雄さんは、潮の流れから海底の地形まで熟知しており、この日も2時間ほどでメバルやアジなどを釣りあげました。
畑でサツマイモの苗を植える柱銀さん。手際よく作業を進めていますが、実は笠佐島に来るまで、畑仕事をしたことがありませんでした。幹雄さんのお父さんに教えてもらい、今では季節ごとの野菜をたくさん育てています。
この日、近所の方や普段お世話になっている漁師さんを呼んで、漁師会が開かれました。みなさんまるで家族のような間柄。柱銀さんが作る豪華な料理を囲んで、会話に花を咲かせます。笠佐島で暮らし始めた河村さんご夫婦の周りには、いつも笑顔がいっぱいです。