林弘和役 村上信五さん

現場の雰囲気はいかがですか?
 適度にゆるいですね。主演の相葉(雅紀)くんがいい意味で、どこか抜けた部分があるんですよ。彼はムリヤリ場を盛り上げたり、まとめようとしないタイプなんでしょうね。だから、現場も自然に和むんじゃないですかね。
そんな相葉さんの印象はいかがですか?
 相葉くんはコンビニで立ち読みしたり、居酒屋でバイトしてそうですね。それくらい庶民的な雰囲気があるんですよ。だから、最初から彼とは普通に喋れました。僕、彼の笑い方が上品じゃなくて、好きなんですよ。(モノマネしながら)「うわはは」って…あれ、いいですね〜。お芝居に関しては、いい意味で癖がついてなくて白い感じ。これから彼がどう変わっていくか楽しみですね。今も正宗が成長するたびに、演じる相葉くんの顔つきも変わってきてるんです。この作品が彼にとって今後につながる“いいキャリア”になれば、と思いますね。僕もせっかくなので、林的な立場になって、気づいたことは言おうと思ってます。また、彼はとても謙虚なので、言いやすいですしね。今も台本の解釈でクエスチョンが出たときは一緒に話し合ったりしてますが、それは今後も続けていきたいです。
相葉さんと正宗の共通点はありますか?
 共通点はカジュアルな格好が似合う! 実は僕、正宗くんの衣裳が結構好みなんですよ。セーターとかジーパンとか、よく見るとオシャレなんですよね。だから、衣裳を着た相葉くんに「ちょっと手を伸ばしてみて」って言って、僕の袖丈と合うかどうかチェックしたりしてるんです(笑)。ほかの共通点は…あんまり見出せないなぁ。漠然とした印象なんだけど、相葉くんはちょっと脊髄が緩む感じで、正宗くんは猫背になってる感じなんですよね。
北村さんは林という役をどのように演じようと考えられましたか?
 まず考えたのが、主人公の笠間正宗くんとの関係性ですね。役の職業はもちろんおさえなきゃいけないけれど、それ以上に職業を抜いたときにシンプルに見えてくる“林と正宗との関係”はどういうものなのか、どういう風に表現しなければならないのかを考えました。僕も理解できるんですけど、林は何をやっても自信が持てずに優柔不断で中途半端な正宗くんに対して、わざわざ厳しいことを言うんですよ。でも、それは彼に期待してるからなんです。だから、ちゃんと育てようという責任感や愛情を出した叱り方をしなければならないな、と思いました。あと、人に何かを言うのはとても緊張することだと思うんですね。傷つける場合もあるし、“自分はそれだけのことが言える立場なんだろうか”と己を省みることもあるだろうし…。林の厳しい言葉をペラペラなものにしないためにも、そのへんの思いもちゃんと作る必要があると思いました。
林の仕事や家族に対する思いで共感できる部分、そうでない部分を教えて下さい。
 役者にしろ、カメラマンにしろ、表現者っていうのは好きでやっていることですから、猪突猛進かつ一直線なんです。ですから、林のように家族のためにカメラマンからマネージャーに進路変更をするなんてシチュエーションには驚きましたね。しかも、林は進路変更した後にちゃんと家族の幸せを掴んで、仕事の面でも経済的なグレードを上げている。そのあたりはスゴイな、と思いましたね。
第5話(11/6OA)で林は正宗に大きく影響を与えました。そのプロセスを演じられるにあたって、計算されたことはありますか?
 人はふとしたタイミングで何かに気づいたり、目からウロコに感じたり、天から啓示のようなものが降ってきたりしますよね。正宗くんにとって、第5話はそういう回だったと思うんですよ。ただ、正宗くんは林とその家庭環境を見て影響を受けますけど、それは彼が悩み抜いてきたからこその結果。悩んでこなかったら、林たちの姿を見ても特別な何かを感じなかったと思うんです。だから、僕ら林家はいつもと何ら変わらず、そこに存在していなければならないな、と。そのためにも“どうだ!?”という感じはなるべくなくすように気をつけて、普通のお芝居をするのが第一だと思いましたね。
林家の“普通の姿”を出すために工夫されたことはありますか?
 林家はわりと幸せな家族像なんですけど、幸せな家族像って子どもたちに懸かっていると思うんです。子どもたちはリアルに生き生きしてるから、泳ぎが良かったりするんですけど、芝居となるとさじ加減が難しい。僕としては“あまり萎縮せずに、つい役として余計なことをやっちゃうくらいでいい”と思うので、子役たちにコソッと耳打ちして、「走ってきたとき僕にしがみついて」とか、「ポンとひざを叩いたらセリフを言って」という風に、子どもたちが楽しくできそうなことをアドバイスしましたね。
台本をお読みになって、いちばん胸に響いた要素は何ですか?
 とにかくコハルちゃんですよね。あれは反則ですよ!(笑) キラキラしたり、悩んだりしてるコハルちゃん。それに翻弄される正宗くん。そのへんが僕の弱点というか、ツボなんですよね。正宗くんとコハルちゃんのある意味での“喜劇”が非常に涙を誘う…。何度も同じ現場にいながら、放送を見るとまた迂闊にも「うっ…」となるようなことがあります。
正宗の恋愛に対する一途な姿勢についてはどう思われますか?
 僕だったら、6年間も想い続けるのは無理です! 普通の人だったら、陽子さんのことは忘れられなくても、それなりに他の恋愛もするんじゃないですかねぇ。僕が正宗くんの親友だったら、彼にも「ちょっといい加減にしろ」って言っちゃいますよ。僕、そもそも陽子さんの決断が理解できないんですよ。どんな理由があっても、ちゃんとお父さんに言わなきゃダメだよって思いますから。もし僕が正宗の立場だったら、頭の中がゴチャゴチャになるでしょうね。すごく考える時間が必要だと思う。そういう部分で、アワアワしながらコハルちゃんを引き取る正宗くんはリアルに感じましたね。
この作品を通して、北村さんが視聴者に伝えたいことは何ですか?
 今は頑張り方が分からない人たち、悩み方すら分からない人たちが増えてる気がするんですよ。それは林のように注意してくれる人が周りに減ってきて、人との係わり合いが薄れてきてるからだと思うんです。きっと正宗くんみたいな若い人もたくさんいると思います。でも、大いに悩んだり、ぶつかったり、傷ついたり…。人生って、そんなことがずーっと続く旅だと思うんです。林も「焦らなくていいから何でもやって、大いに悩んで、それでも自分を信じてやっていけよ」みたいな言葉を正宗くんに掛けますけど、頭でっかちにならずにアクションを起こすことで、ほんの1センチでも成長すればいい。そのための突破口を、正宗くんの成長ぶりを見ることで見つけてもらえたら嬉しいですね。
『マイガール』は究極のラブストーリーですが、北村さんが考える“究極の愛”とは?
 見返りを求めない奉仕、自分が人のためにゼロになる、“あなたが存在してくれるから、自分がいる”と思わせる無償の愛。もっと具体的に言えば、その人がいてくれるから、何てことのない普通の立ち食いソバも超美味しいと思えるような感じかな。
第6話(11/13OA)以降の大まかな見どころとマニアックな注目点を教えて下さい。
 正宗くんは今後まさにカメラのように照準を見つけて、そこに向かってピントを合わせてシャッターを切っていく。最終的にはコハルちゃんと本当の親子になると思うのですが、そこに対しての展開がよりクッキリしていきます。マニアックな部分では、部下役の日村(勇紀)くんが実際には僕より年上なんですよ。だからといって、僕も無理して年上に見せるつもりはないけど、声だけは低く出すようにしてるんです。どうやら、その声が日村さんのツボに入ってるらしいですね(笑)。
<村上信五さんから北村有起哉さんへのQ&A>
Q. 好きなスポーツは何ですか? ちなみに、サッカーはお好きですか?
A. 僕は「SLAM DUNK」世代で、ずっとバスケットボールをやってたんです。だから、毎年NBAもテレビで見ますし、スポーツ観戦は大好き。サッカーも好きですよ。ただ、自分ではやりません。草野球や草サッカーも一時やってましたけど、3日でやめましたね(笑)。