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第三話 「桃さんVS金さん!? 父に誓った涙の友情…」

「あたり矢」で楽しく遊んでいた清三だったが……

娘を連れ去ろうとする亀八一家をコテンパンにのす桃太郎と金太郎

肝胆相照らす仲になった桃太郎と金太郎

千代も金太郎を気に入った

早苗の見事な針仕事に感心する桃太郎と少しやきもちを焼くお葉

あわや対決寸前の桃太郎と金太郎、見守るお葉と早苗

無惨に斬られた金太郎を抱いて号泣する桃太郎

木田主膳と斬り結ぶ桃太郎

兄の遺骨を抱いて故郷に帰る早苗を見送る桃太郎たち

 

脚本……岡本さとる
監督……石川一郎

桃太郎(嶋政宏)は「あたり矢」の客で指物職人の清三(山上賢治)が忘れた煙草入れを渡すため追いかける途中、二人の武士とすれ違った。その一人の裾に血痕がついているのを見たが先を急いだ。するとその先で何者かに斬殺された清三が倒れていた。清三は十五になるおみつ(田島穂奈美)とまだ七つのおちか(西本利久)という二人の娘を男手一人で育てていた。桃太郎は幼い娘たちに父の仇は必ず討ってやると約束した。
 その姉娘のおみつが借金のカタに女衒のやくざの親分、上州屋亀八(浪花勇二)一家に連れ去られた。話を聞いた桃太郎は怒って追いかけたが、当のおみつが向こうから駆けてきた。見ると一人の武士が、見るからに強面の大男・亀八や大勢の子分を相手に闘っていた。桃太郎はその中に割って入り、二人で亀八一家をこてんぱんにのした。桃太郎は洗濯賃だと三両を巻き上げ、一両を借金返済だと亀八に返し、一両は娘に、もう一両を武士に渡そうとすると、武士はそれも娘にやってくれと言った。悔しげに逃げて行く亀八を見送った二人は思わず笑った。武士は出羽・舟形藩の大岩金太郎(高知東生)と名乗った。桃太郎に金太郎、大笑いになった所に金太郎の妹早苗(今村恵子)が戻ってきた。「美しい!天女だ……」金太郎は江戸詰めとなり妹を伴って出羽から出てきたばかりだった。あたり矢でも二人は歓迎された。お葉(富田靖子)は早苗にポーっとしている桃太郎にまた病気が始まったと思ったが、巻き上げた一両をおみつに渡したのを見て少し見直した。
 そんなある日、伊之助(左とん平)が千代(中村玉緒)が呼んでいると桃太郎を連れ戻しにきた。一人で行くのが嫌な桃太郎は通りかかった金太郎を家に連れてきた。千代は桃太郎が立派な侍と友人だと知って安堵した。別れ際、次からは桃さん、金さんと呼び合おうと言い合う二人だった。
 舟形藩邸で剣術の稽古をしている金太郎を江戸留守居役・木田主膳(エド山口)が呼び止めた。出羽の特産品の紅花の江戸での販売を一手に任されているが、国家老の山内孫兵衛(波多野博)は権力を一身に握る野望を持ち、そのために木田を疎んじているので、何かあったら力になってくれと頼んだ。律儀者の金太郎はその話を信じ、頼られたことを誇りに思った。
 お葉が慣れぬ手つきで自分の着物をおみつたちにと仕立て直していた。桃太郎には危なっかしくて見ていられない。案の定お葉は針の先で指を刺してしまう。そんな所に早苗が来て、お葉に替わって裁縫を始めた所、手際のいいこと、あっという間に仕立て上がった。また惚れ直す桃太郎とちょっと悔しいお葉であった。
 蓑吉が情報を持ってきた。清三が殺された夜、近くで侍同士の斬り合いを見た者がいて、どこかの大名の家来衆のようだったらしい。蓑吉はそうなると町役人も手出し出来ないと悔しがった。仕立て上がった着物がおみつたちに渡された。喜ぶ二人におきく(竹本聡子)がまた亀八に狙われるから「あたり矢」に置いてあげてとお葉に言ったが、お葉はきっぱり断った。まだ幼い娘たちを盛り場には置けない、自分たちの力でしっかり生きて行くんだと励ました。
 例によって伊之助が桃太郎を連れ戻しに来た時、二人の侍とすれ違った。桃太郎はハッとなった。あの夜すれ違った侍だ。追おうとした桃太郎の前に用心棒を連れた亀八が立ちふさがった。肝心な時に邪魔をする奴と侍の追跡を伊之助に頼み、散々にぶちのめした。
 伊之助の報告によると侍は舟形藩江戸屋敷に入り、名前は夏山十兵衛(柴田善行)と森野利三(青木哲也)で、留守居役木田主膳の側近だと言う。丁度そこへ金太郎が訪ねてきた。千代の心尽くしの手料理を食べながら、金太郎は亡くなった父が殿に諫言したため、家禄を半減され兄妹が苦労したと話した。桃太郎は立派な父上を悪く言うのは良くない、自分には生まれた時から父がいないと話した。金太郎は木田に気に入られたと話した。千代は喜び是非新二郎を引き合わせてと頼んだが、桃太郎は気になった。母が食膳を下げ、二人きりになった時、桃太郎は清三殺しが夏山と森野の仕業だと打ち明けた。だが金太郎は木田様がそのようなことをするわけがないと言い切り、気まずくなった。
 藩邸に戻った金太郎は木田に呼ばれ、国家老山内が江戸に来るが、その際斬れと命じた。山内の放った密偵を夏山と森野に命じて斬らせたが、その際目撃した町人を斬ったのはお家のためで、事が済めば必ず遺族に償いをすると言う。木田はさらに成功したら大岩家の家禄を元に戻し、然るべき役職も用意すると約束した。金太郎は承諾した。
 舟形藩の蔵に続々とっ運び込まれる紅花を検分しながら、横領金の多寡を喜び合う木田と夏山、森野の姿を植え込みの陰から伊之助が見ていた。それを聞いた桃太郎は金太郎に会い木田の横領を告げたが、金太郎は信じない。出世が大事だと言う。そのために父を殺された幼い娘がいてもかばうのかと責め立てる桃太郎。二人は剣に手をかけにらみ合った。
そこへ早苗を連れて現れたお葉の気合で二人の力は萎えたが、絶交となってしまった。
 金太郎は悩んだ。おみつ、おちかの様子を見、千代にも会ったが絶交を言い出せなかった。そして早苗に出世をあきらめ、桃太郎と仲直りすると約束し、その前にやることがあると爽やかな顔で出かけて行った。
 金太郎は木田に相対し、非を問いただしていた。だが木田はいよいよ江戸に入った山内を斬れとだけ命じた。金太郎は断固断りその場を去った。怒った木田は夏山と森野に金太郎殺害を命じた。弓矢で射られ、多勢に無勢で金太郎は倒れた。早苗から話を聞いた桃太郎が駆けつけた時、金太郎は虫の息の下から桃太郎の言う通りだったこと、正義を貫けてあの世で父に胸を張って会える、早苗を頼むと言い残して死んだ。
 金太郎を仕留め、次は山内を殺せと命じほくそ笑む木田の前に、真紅の着物の桃太郎が現れ、夏山を次いで森野を斬り倒し木田に迫った。天魔不動剣が一閃した。
 翌朝、国家老山内の行列が上屋敷門前にきた時、木田の横領の証拠となる帳簿が竹の棒に挟んで突きたてられていた。一方、町では蓑吉が金太郎の鬼退治を報じていた。たった一人で正義の侍が藩を牛耳る悪者を倒し、力尽きて名誉の討ち死にをしたと。
 兄の遺骨を胸に抱いた早苗が故郷に帰る日がきた。山内家老の計らいで、婿を取り大岩家の跡を継ぐことになったと桃太郎に告げて旅立った。ガックリする桃太郎にお葉がいつものようにからかう。「桃さん、お婿にして欲しかったんじゃないのかい」
(完)

 

高知東生(大岩金太郎役) 第三話ゲスト:高知東生(大岩金太郎役)
 出羽・舟形藩の武士。江戸詰めになり、妹とともに江戸に出てきた田舎侍だが、律儀で気のいい男。ふとしたことで桃太郎と意気投合、名前が金太郎なので、桃さん、金さんと呼び合う仲となるが、藩内の権力闘争に利用され、桃太郎と対決することになる。
今村恵子(大岩早苗役) 第三話ゲスト:今村恵子(大岩早苗役)
 金太郎の妹。兄思いで、裁縫なども器用にこなす美女のため桃太郎の鼻の下がさらに伸びる。気性のまっすぐな兄が藩内のゴタゴタに巻き込まれていくのを必死で止めようとするが……。
エド山口(木田主膳) 第三話ゲスト:エド山口(木田主膳)
 舟形藩江戸留守居役。藩特産の紅花を江戸で一手に販売するのを一任されている。だが、国家老の山内孫兵衛が藩の権勢を一身に収めんと木田を失脚させる企みを持っているので腕の立つ金太郎に斬るよう命じる。
上州屋亀八(浪花勇二役) 第三話ゲスト:上州屋亀八(浪花勇二役)
 女衒を生業とするやくざの親分。自称三百人の子分衆を持つと威張って、弱い者をいたぶっている。なにかにつけては桃太郎の邪魔をする。一見こわもてのいかつい顔と堂々たる体格をしているのだが……。
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