



マグロの一本釣りにこだわる大間の漁師。他を圧倒する漁の腕と実直な性格で、仲間からの信頼も篤い。しかし、頑固で不器用な一面と存在感の大きさゆえ、息子たちにとっては大きな壁となる。長年、過酷な一本釣りに取り組んできた竜男だが、現在は体力の限界が近づきつつある…。


竜男の妻。夫である竜男に心底ほれ込み、「この世でいちばん素敵な男」と言ってはばからない。一本釣りに人生をかける夫を、ずっと支えてきた。数年間、船上での事故がきっかけで父との確執を深めた長男・洋道と共に、函館に渡る。現在も函館に住み、次女と一緒に食堂を営んでいる。


何もない大間がイヤで東京に出て行った、竜男の長女。現在は女性だけのネット関連企業を、友人・亜矢子と共同経営している。男勝りな性格で、厳しい社会に負けじと頑張っているが、海難事故にあった父の身を案じて大間へ。久しぶりに家族と言葉を交わし、長女としての生き方を自覚していく。


竜男の長男。跡継ぎとして竜男の期待を一身に背負い、幼い頃から一本釣りの教えを受けてきた。しかし、竜男と共に出た漁で事故が発生し、左腕を失う。父を恨んだまま大間を去り、函館へ。現在はその函館も離れ、結婚。子供に恵まれ、彼なりの家族を作ろうとしている。


竜男の次女。母・操と兄・洋道が大間を去って間もなく、自ら高校の転校手続きをとり、函館へ。それ以来、操の営む食堂を手伝っている。家族の心情を誰よりも冷静にとらえるあまり、そこに縛られることに…。家族を顧みず生きてきた姉・夏海に対して、ついトゲのある言葉をぶつけてしまう。


竜男の次男。子供の頃から一本釣りに憧れていたが、竜男が洋道にしか期待を寄せていないことを悟り、中学卒業後は函館へ。父を見返したいという思いとは裏腹に、人に騙されて借金を重ね、街金から追われることに。家族からの援助は受けないという見栄が災いし、刺傷事件に巻き込まれる。


夏海の友人。東京で、夏海と女性だけのネット関連企業を共同経営している。仕事に情熱を傾けるキャリア・ウーマン。大間に帰郷したあと夏海に生じた内面の変化をいち早く察し、複雑な心境に…。


函館の病院に勤める医師。海難事故にあった竜男を担当する。竜男に漁から引退することを勧める一方で、命をかけて漁に挑み続けようとする漁師の情熱に羨ましさを感じている。


毎月、集金のために、竜男の家を訪れる。家の主である竜男よりも、坂崎家の中のことをよく知っている。


函館の弁護士。刺傷事件に巻き込まれた航を弁護することに。素直な性格の航に接し、事情を調べていくうち、同情心が膨らんでいく。


漁に出かけた竜男の船が行方不明になった際に出動。沖で転覆していた船を見つけ、竜男の命を救う。


竜男を尊敬する大間の漁師。普段はお調子者だが、漁にかける思いは熱い。現在はハイテク機器に頼った漁をしているものの、いつかは竜男のように腕一本で挑もうと考えている。幼なじみの夏海に恋心を寄せているが、フラれ続けている。


大間漁協の組合長。海の男たちのみならず、その家族をも温かく見守る大間の長。事故を起こした竜男に「年を考えろ」と引退を勧めるが、本心では“漁師は海に出るのが一番”と思っている。


竜男の親友で、函館の漁師。竜男とは数十年にわたる付き合いがあり、共に信頼しあう仲。すでに妻を亡くしている。悩みの種は、マグロを金儲けの対象としか考えていない息子。


洋道の妻。現在、子供を身ごもっている。竜男のことを心の底では尊敬しながらも、いまだに素直になれず、確執を抱えたままの洋道を静かに見守っている。心優しい性格で、洋道と竜男が和解するのを心から望んでいる。
