エトセトラ

番組でお伝えした主な情報です。

放送日 2017/05/22

アニサキス食中毒解説・第2弾~街角の疑問に答えます!

寄生虫“アニサキス”についての視聴者の疑問

この10年で報告数が20倍にまでアップしたという、寄生虫「アニサキス」による食中毒被害。2015年から先月までに厚労省へ報告のあった「アニサキスが寄生していた魚介類」は以下の通りです。
サバ、サンマ、サケ、イカ、アジ、イワシ、カツオ、ヒラメ、ブリ、キンメダイ、イクラ、マグロ
これ以外にも寄生の可能性がある魚介類はあるそうなので、注意が必要です。1匹への寄生数は「平均20匹」だそうですが、中には「100匹以上いる個体」もあったといいます。

アニサキスによる食中毒は、アニサキスを体内に宿したオキアミを魚が食べ、その魚を人間が「生の状態」で食べた結果として起こります。胃に到達したアニサキスは粘膜への侵入を図り、その際に胃がアレルギー反応を起こすことで激痛が発生するのだといいます。アニサキス食中毒の治療法は「胃に侵入したアニサキスを内視鏡で摘出する」ことだそうです。

私たちが安心してお刺身を食べるにはどうしたらいいのでしょうか? 特集第2弾となる今回は、前回の大反響を受けて「アニサキス食中毒」に関する皆さんの疑問にお答えしていきます。答えてくださったのは、アニサキスの治療経験のある「新橋内視鏡クリニック」の梅谷薫(うめたに・かおる)院長と、アニサキスの研究を長年続けている「厚生労働省 国立感染症研究所」の杉山広(すぎやま・ひろむ)さんです。

質問1「アニサキス食中毒と通常の胃腸炎の見分け方は?」
アニサキス食中毒には「吐き気が強い、下痢をしない、胃がキリキリ痛む」といった特徴があるそうです。医師は問診で「みぞおち周辺が周期的に痛くなるか、ナマモノを食べたか」などを訊ね、それに該当する場合はアニサキス食中毒を疑うといいます。

質問2「アニサキスのいる魚介類を食べた場合、どの位で症状が出る?」
食後6~8時間程度で痛みが出始めるそうです。夕食時に食べてしまった場合、深夜2~3時から明け方あたりに症状が出る為、この時間帯の激痛はアニサキス食中毒の可能性があるといいます。

質問3「調味料や薬味でアニサキスを殺すことはできる?」
1988年に書かれた研究論文には、「アオジソ」「ショウガ」「ワサビ」「酒」「醤油」「酢」などには殺虫効果があり、「茶」「ダイコン」「ネギ」では効果が認められないと書かれているそうです。しかし、実際にアニサキスの活動を止めるには膨大な量を摂取する必要がある為、現実的には「調味料や薬味では対処できない」と考えた方が良いようです。

質問4「缶詰は大丈夫?」
熱処理加工の為されている缶詰食品は大丈夫だそうです。

質問5「アニサキスのいる魚介類の見分け方はある?」
今年3月、シメサバが原因でアニサキス食中毒を起こした小売店では「存在を発見しやすいよう照明を明るくする」「白いアニサキスを目視できやすいようまな板を青い物に変える」といった対抗策をとっているそうです。また、ブラックライトを使った「アニサキス検査装置」が1台20万円程度で売られているそうです。これはアニサキスが「紫外線を浴びると光る物質」を持っていることを利用したものだそうですが、魚の中に潜り込んでいる場合は発見しにくいといいます。

アニサキス食中毒は“薬剤”でも対応できるのか?

◆紹介した市販薬(いずれの薬も医師・薬剤師等の指導の元で用法容量を守ってご使用ください)
ブスコパン
発売元/エスエス製薬など複数の製薬会社から発売中
※薬局などで購入可
※緑内障、前立腺肥大、心臓病などの持病のある方は使用できません。

安中散(あんちゅうさん)
発売元/株式会社ツムラなど複数の製薬会社から発売中
※薬局・漢方薬局などで購入可

正露丸(せいろがん)
発売元/大幸薬品株式会社
※薬局などで購入可

香蘇散(こうそさん)
発売元/小太郎漢方製薬株式会社など複数の製薬会社から発売中
※薬局・漢方薬局などで購入可
※小太郎漢方製薬株式会社のものは「漢方協力会」の薬局で購入可

質問6「家にある胃薬を飲んでもいい?」
一般家庭の常備薬としてお馴染みの胃薬の中にも痛みを和らげる効能を持つものがあるそうです。梅谷院長によれば、薬局で購入できる「ブスコパン」は深夜の応急処置に効果的だそうですが、しかし「緑内障」「前立腺肥大」「心臓病」などの持病のある方は使用できないそうなのでご注意ください。

市販薬に関しては「漢方薬の安中散(あんちゅうさん)を飲むと症状が軽くなる」という声がありました。製造元のひとつである「ツムラ」に番組が問い合わせたところ、「試験管内の実験ではアニサキスの動きを鈍らせる効果が認められたが、人体内での効果は不明。また、動きが鈍る原因も解明されていない」とのことでした。

ポピュラーな胃薬の「正露丸(せいろがん)」も、発売元の「大幸薬品」によると「アニサキスの動きを鈍らせ痛みを抑える働きがある」といいます。2014年にはアニサキス抑制効果の特許を取得しているそうです。

北海道・豊頃町(とよころちょう)の「豊頃医院」の山本馨(やまもと・かおる)院長がアニサキス食中毒の患者に処方しているのは、やはり漢方薬の「香蘇散(こうそさん)」です。「シソが使われているので効果があるのでは?」と考えて使い始めたといいます。治療に薬を使うのは「内視鏡を使うより治療費が安く済み、地域医療の現場では特に有用」といった理由からだそうです。

市販薬を使った治療について、梅谷院長は「正露丸は細かい実験が為されているし、安全性も確保されている。安中散や香蘇散についても症例はある。エビデンス(根拠)がしっかりしてくれば期待はできる」とおっしゃっています。

岩手・宮古市の「宮古病院」では、アレルギー反応を減らす「抗アレルギー剤」や炎症を減らす「ステロイド剤」を注射して対応しているそうです。「まだ胃の中に食物があって内視鏡検査がしにくい」「内視鏡の専門医がいない」といった場合に有効だといいます。ただしステロイド剤は、痛みの原因がアニサキスでなかった場合、症状を悪化させる場合があるそうです。

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