エトセトラ

番組でお伝えした主な情報です。

放送日 2017/05/04

総務省の通達で“ふるさと納税”のお得な返礼品が消える!?

過熱する“返礼品合戦”に総務省がかけた規制とは?

◆ふるさと納税の詳細は総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」を参照するか、各自治体にお問い合わせください。

◆スタジオゲスト・須永珠代さんが運営する、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」

自治体に一定額以上の寄付をすることで様々な“返礼品”を手にできる「ふるさと納税」。返礼品がもらえるうえに既定の金額が“税控除”されるとあって、利用者は年々増え続けています。確定申告をしなくてもいい「ワンストップ特例制度」もスタートし、より身近な制度となってきました。総務省では「ふるさと納税ポータルサイト」を開設し、更なる周知に努めています。

しかし最近、寄付金の獲得合戦が過熱しすぎていることを懸念した高市早苗総務大臣が、その動きに「待った」をかけました。今年4月1日付で「返礼品の価値は“寄付金の30%”に抑えるように」との通達を出したのです。それによって、これまで人気だった返礼品が手にできるチャンスがなくなる可能性が出てきました。本日は、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を運営する須永珠代(すなが・たまよ)さんに、その詳細について伺いました。

昨年の“人気ナンバーワン返礼品”も消える?

宮崎・都城市の返礼品「宮崎牛 サーロインステーキ A5ランク 200g 2枚」
対象となる寄付額:1万円以上
※現在は品切れ中ですが、今週土曜日18:00に入荷予定
問い合わせ先/宮崎県都城市役所または、ふるさとチョイスHP

須永さんによれば、昨年の人気ナンバーワン返礼品は、宮崎・都城(みやこのじょう)市の「宮崎牛のサーロインステーキ」だったそうです。都城市は肉牛の飼育数が全国1位の自治体で、こちらへ1万円以上の寄付をすることで「最高級A5ランクのステーキ肉(200g)」が2枚もらえます。なんと「受付開始後1~2分で品切れになってしまう」ほどの人気なんだとか!

高級ステーキ肉による返礼は、2014年10月に「インパクトある返礼品を通じて市のPRする」という方針が打ち出されたことで実現したといいます。狙いは見事に的中し、約73億円ものふるさと納税がなされたそうです。番組が調べたところ、ステーキ肉の価値は「8000円」で、これが“採算度外視の返礼品”であることが分かります。ここまで思い切ったことをしたのが大成功につながったようです。

今日現在はまだ品切れ状態ですが、あさって(5月6日)の18:00に入荷予定で、それに合わせて受け付けを再開するそうです。更にもう1回入荷する予定だそうですが、総務省の通達を受け、それが“高還元率返礼”のラストチャンスになる模様だといいます。今回の30%ルール制定を受けて、地元の畜産農家は今後の流通に不安を抱いているそうです。

30%ルールに頭を悩ます自治体もある?

高知・須崎市の返礼品「万能包丁“黒打万能包丁舟行型(くろうち・ばんのうぼうちょう・ふなひきがた)”」
対象となる寄付額:1万円以上
問い合わせ先/高知県須崎市役所または、ふるさとチョイスHP

インパクトある返礼品で脚光を浴びた自治体は他にもあります。「林業が育てた刃物の町」として知られる高知・須崎(すさき)市では、400年の伝統を誇る「土佐打ち刃物」の“包丁”が返礼品として好評を博しているのです。そのおかげで、市内の刃物業者の売り上げは1.5倍(ふるさと納税による売り上げを除く)になったといいます。

こちらの目下の悩みは、「30%ルールに対応できる返礼品がないこと」。現行の品は「5000円相当」なのだといいます。「ふるさと納税用に3000円相当の商品を新たに開発しよう」という声もあるそうですが、職人さんが多忙で、開発にかける時間を捻出できないのだとか。

須永さんによると、須崎市のような「還元率50%超の自治体」というのは全国に10%ほどあるそうです。「30%ルールは来年末くらいには徹底されるのでは?」ということで、頭を悩ます自治体は少なくなさそうです。

返礼品の“品目”についても規制が加わる?

三重・鳥羽市の返礼品「アコヤ真珠ペンダントトップ」
対象となる寄付額:1万円以上
問い合わせ先/三重県鳥羽市役所または、ふるさとチョイスHP

群馬・草津町の返礼品「くさつ温泉感謝券」
対象となる寄付額:1万円~(1万円で5枚の感謝券を進呈)
問い合わせ先/群馬県草津町役場または、ふるさとチョイスHP

須永さんによると、総務省が30%ルールを通達した背景には「返礼品合戦に白旗を掲げた自治体からの訴え」があったそうです。たとえば東京・立川市では、2015年に「地元産の野菜セット」などを返礼品にしたところ、前年の「7件」から「385件」へ寄付件数がアップしたといいます。とはいえ、本来の納税者である立川市民が他の自治体にふるさと納税をした為、結果的には「1億5000万円の減収」となってしまったのです。これに関して立川市は「地方の方がインパクトのある特産品が多いのだから太刀打ちできない」と語っています。

こうした現象は立川市に限ったものではなく、2016年には東京23区全体で「129億円」もの減収となってしまいました。これに危機感を覚えた東京23区の特別区長会は、総務省に「返礼品に関する是正要望書」を出し、それが30%ルールにつながったといいます。

総務省では30%ルールに加えて「返礼品に用いてはならない商品」も新たに制定したそうです。金銭との類似性が高い「プリペイドカード」「商品券」や、資産性の高い「家電」「電子機器」「家具」「貴金属・宝飾品」「時計」「楽器」「自転車」などがその対象ですが、これによってピンチに陥る自治体も出てきました。

三重・鳥羽市に1万円以上納めるともらえた「アコヤ真珠のペンダントトップ」は“宝飾品”にあたる為、今後はNGになる可能性が出てきました。また、群馬・草津町で買い物などに使える「くさつ温泉感謝券」も“金券”であるので返礼には使えなくなりそうです。

規制品目でも“地元に根付いた特産品”ならば例外に?

福岡・大川市の返礼品「セレブ ラブソファー」
対象となる寄付額:11万円以上
問い合わせ先/福岡県大川市役所または、ふるさとチョイスHP

“日本最大の家具産地”と言われる福岡・大川市では、これまで「ラブソファ(二人掛けソファ)」を11万円以上の寄付者への返礼品としてきました。しかし、こちらも新ルールによって不可となる可能性があります。

これに対して、自治体の中には「地元に根付いた“特産品”なので、ふるさと納税の趣旨に即している」との理由から、「規制対象とされた品目だが、今後も返礼品として使い続ける意向」を表明しているところもあります。「空気がきれいで精密機器工場が多い」という長野・塩尻(しおじり)市では「腕時計」や「プリンター」を返礼品に採用しているのですが、「規定還元率を順守したうえで、今後も使い続ける」そうです。

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