月曜日

石原良純が人生を豊かにする趣味・生きがいを提案

放送日 2018/02/12

千葉・鴨川市で“自給自足”を実現させた移住者夫妻

千葉・鴨川市で“自給自足”を実現させた井上静雄さん・春子さん夫妻

鴨川市移住に関する問い合わせ先「鴨川市ふるさと回帰支援センター」
TEL/04-7094-4600
受付時間/8:30~17:15(平日のみ)

石原良純さんが訪れたのは、房総半島の南にある千葉・鴨川市。こちらには「大山千枚田(おおやま・せんまいだ)」と呼ばれる広大な棚田(たなだ)が広がっています。棚田の数は375枚にも及び、それらが四季折々の美しい風景を見せてくれることから「日本の棚田百選」にも選ばれました。

今回ご登場いただくのは、その大山千枚田から車で3分の場所で暮らす井上静雄(いのうえ・しずお)さん(68)・春子(はるこ)さん(67)夫妻。“自給自足生活”を実現させるべく10年前、東京・八王子市から移住してきました。移住資金は土地代と建物代でおよそ2000万円で、公務員だった静雄さんの退職金と貯金でまかなったといいます。

自宅まで自給自足の井上家と、それを支えた“家づくり体験塾”

NPO法人 大山千枚田保存会
住所/千葉県鴨川市平塚540
TEL/04-7099-9050
受付時間/9:00~16:00
定休日/火曜
※火曜が祝日の場合は、その翌日が休みになります。
※家づくり体験塾は年10回の実技実習(受講料18万円)で、鴨川エリア内に実際に家を建てます。施主となって家づくりを発注することも可(2018年度はすでに決定済み)。

井上家の自宅は、なんと静雄さんの手作りなのだとか! 主な使用木材は千葉県産のスギで、大黒柱には“県の木”であるマキが用いられているそうです。静雄さんは木を切るところから関わっているといいます。

井上家は、20畳のLDKに寝室とバス・トイレがついたシンプルな平屋。その壁は、竹を編んだところに土を塗り、最後に漆喰(しっくい)で仕上げた昔ながらのものです。今では珍しいこの工法で建てられた背景には、地元有志による心強いサポートがあったといいます。

静雄さんを助けてくださったのは、美しい棚田の景観を守るために組織されたNPO法人「大山千枚田保存会」。そちらが、昔ながらの建築法を学べる「家づくり体験塾」という講座を運営し、静雄さんはそこを受講したのだといいます。地元在住の職人の指導を受けながら、20人ほどの仲間たちと1年がかりで建てたのが井上家というわけです。

家作りに関して最もこだわったのが「窓の数」。自然の絶景を最大限に眺められるようにと、家の3面に窓が設けられています。景観を重んじる井上夫妻は、「周りに家のない場所」という条件で土地選びをしたのだそうです。この家を手に入れたことで、「恵まれた環境の中で、のびのびとイヌやネコを飼う」という春子さんの長年の夢もかなったといいます。

鴨川市移住のきっかけとなった“食へのこだわり”

農事組合法人 鴨川自然王国
住所/千葉県鴨川市大山平塚乙2-732-2
TEL/04-7099-9011

井上夫妻が鴨川市に移住した背景には「食への強いこだわり」というものがあったそうです。長女がアトピー性皮膚炎になったのをきっかけに「食と健康の関係」に関心を持つようになり、「将来は、自分の食べるものを自分で作れる生活をしよう」と考えるようになったといいます。18年前からは「農事組合法人 鴨川自然王国」が主宰する「農業塾」に毎月参加するようになり、昔ながらの米作りや野菜作りを学び始めました。それが縁となり、静雄さんの早期退職を機に鴨川市に移住し、夢だった“自給自足生活”をスタートさせました。

ふたりで耕しているという自宅裏の畑では、ブロッコリーや大根など常時10種類ほどの野菜を、土にこだわりながら作っているのだとか。他に米も作っているそうです。しかし最初から上手くいったわけではなく、初年度にはせっかく実らせたサツマイモを、イノシシによって一晩で全滅させられたといいます。しかし、そんなアクシデントにもめげることなく、試行錯誤を続けながら徐々に数を増やしていったそうです。

農作物だけでなく“調味料”までも手作り

井上家で手作りしているのは農作物ばかりではありません。なんと外房の海からくんできた海水を使って「塩」まで作っているというのです。持ち帰ったポリタンク3つ分(60L)の海水は釜に移して火にかけられ、4日がかりで煮詰められていきます。煮詰めて出来た塩は1kg強ですが、しかしまだ水分が多いということで、さらに5日ほど天日干しにされます。自作の塩は、春子さんによれば「市販品よりまろやかで美味しい」そうです。塩作りで残った海水は「にがり」として使い、豆腐作りに利用するといいます。

石原さんは、静雄さんが去年の春に仕込んだという「手作り醤油」も見せていただきました。現時点ではまだドロドロとした“たまり”の状態ですが、これを絞ればちゃんとした醤油になるそうです。味見させていただいた石原さんいわく「味噌みたいだけど、美味しい」。

鴨川市での生活における春子さんの“不満”とは?

石原さんは、素材から調味料まで全て井上家の自作品という“自給自足メニュー”をご馳走になりました。その味は全体的にまろやかで、素材の味わいがしっかり感じられるといいます。「これは最高の贅沢!」と、石原さんも満足げな様子でした。

手料理をいただいて打ち解けたところで、石原さんは井上夫妻の“ホンネ”を伺いました。「自分の体を常に動かしながら生活していると、都会にいた頃よりも“生活しているな”という実感が得られる。特に不便は感じない」と静雄さんはおっしゃいましたが、春子さんの方は「いや、不便ですよ」と、夫とは異なる感想を口にしました。

春子さんが不便だと感じているのは「車を運転しないと生活ができないところ」だそうです。運転が得意な静雄さんは「全然気にならない」とおっしゃいますが、「運転は下手だし、そもそも嫌い」という春子さんの方は、自動車ありきの生活にちょっとだけストレスを感じているのだとか。

夫婦間でいくらかの温度差がある鴨川市での自給自足生活ですが、経済的にはおおいに潤っているそうです。夫婦合わせての年金額は「月額およそ20万円」ですが、そこからの支出はわずか「6万5000円」ほど。食材のかなりの部分を自作しているのが功を奏し、食費は「1万円」程度に収まっているのだとか。「毎日やることが多くて、お金をつかう時間がない」というのも、無駄な支出を防ぐ手立てのひとつとなっているそうです。

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