木曜日

玉川徹が“ニュースに潜む疑問”を独自に追及

放送日 2017/08/10

そもそも人工知能があなたの仕事を奪うって本当?

現存する601職種の約半数が10~20年後までに人工知能へ置き換え可能?

玉川徹さんは今回、「人工知能の発達で近い将来、人間の仕事が無くなるのでは?」という仮説を検証しました。「野村総合研究所」と「オックスフォード大学」が共同で、日本に存在する601の職種の「人工知能への代替可能確率」を試算したところ、驚くべき結果が出たそうです。それは「約49%が10~20年後までに代替可能」というもの。

実際、すでに様々な分野へ人工知能が導入され、雇用削減・人件費削減が進んでいます。この先、もしも「人間の脳のように自分で考えて学習していく人工知能」が開発されれば、そうした流れは更に加速するかもしれません。人工知能の進化によって、社会からどのような職業が無くなるのか? また、残るのか? 人間社会はどう変わっていくのか? こんな疑問を抱いた玉川さんは、各界の有識者にお話を伺いました。

最初に訪問したのは、“人工知能研究の第一人者”と言われている「東京大学 大学院 情報理工学系研究科」の特任教授、中島秀之(なかしま・ひでゆき)さんです。中島特任教授は、仕事が「無くなる」というより「変化していく」という方が正確である、とおっしゃいました。その昔、主要交通が「馬車」から「自動車」に移り変わった時、馬車を操る御者(ぎょしゃ)は仕事を失ったが、代わりに自動車製造業者が必要となった。それと同じような変化が再び訪れるというのです。

続いて訪ねたのは、オックスフォード大学との共同研究で人工知能への代替可能確立を算出した「野村総合研究所 ICT・メディア産業コンサルティング部」の岸浩稔(きし・ひろとし)さんです。岸さんによれば、人工知能に今後置き換えられていくのは「定型的で創造性があまり要求されない職種」や「コミュニケーションが必要でない職種」だといいます。全国におよそ300万人いるとされるホワイトカラー層(一般事務職)は「99.7%の確率で人工知能に置き換えられる」と岸さんはおっしゃいました。

“人工知能に置き変えられる可能性大”と試算された職種の現場の声は?

岸さんは更に「人工知能の進出は、専門職の分野でも予想される」ともおっしゃいました。高度な専門知識を必要とし、難関資格のひとつとされている「公認会計士」であっても、置き換えられる確率はなんと「85.9%」だというのです。この試算について玉川さんは、「日本公認会計士協会」の常務理事、手塚正彦(てづか・まさひこ)さんに見解を伺いました。玉川さんの問いかけに、「人工知能に仕事を奪われることは無いと考えます」と語った手塚常務理事。その根拠は「会計士というのは『あいまいな部分のある基準の中、経験則に基づいて判断を下す場面が多い職種』だから」というものだそうです。「定型的な計算業務」や「機械的な正確性を要する業務」などを人工知能に託すことはあるかもしれないが、職種そのものが置き換えられてしまうことは無いだろう、と手塚常務理事はおっしゃいました。

続いて玉川さんは、「95.4%が人工知能に置き換え可能」と野村総研に試算された「タクシー業界」の見解を伺いました。「全国ハイヤー・タクシー連合会」の川鍋一朗(かわなべ・いちろう)会長は、「タクシー乗務員は平均年齢が『50代後半』と高いので、人工知能が進出してくる頃にはもう相当数が引退しているだろう」とおっしゃいました。また、人工知能時代のタクシー乗務員には「観光、介護、子どもの送迎の3ジャンルのどれかに精通したスペシャリストになること」が要求されるともおっしゃいます。「人工知能の上を行くホスピタリティ(誠意あるおもてなし)を実現できれば、自動運転機能に仕事を奪われてしまう恐れはないはずである」というのです。

人工知能の社会進出を「脅威」と捉える一方で、「単純労働から人間が解放される」というメリットを評価する声もあります。「生活の為に仕方なくやっていた仕事」から「本当にやりたい仕事」へ移行することで、人生がより充実したものに変わるというのです。中島特任教授は「人工知能で得た益(富)を国民に分配することで、それは可能となる」とおっしゃいます。また、今後の教育体制も「特定の職業を目指す為のもの」から「人工知能を使いこなし、それを『より良い社会づくり』に結び付けていく為のもの」へと移行する必要もあるそうです。今回の取材を通じて玉川さんは「もしかしたら人類の歴史で初めてパラダイスが訪れるかもしれない」という期待を抱いたといいます。

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