水曜日

伝統守り、次の世代へ引き継ぐべく奮闘する輝く女性に密着。 宇賀なつみアナが体当たりレポートで紹介、応援します。

放送日 2017/08/23

林侑子(35) 京都で100年以上続く窯元“紅村窯”4代目

京焼を継ぐ4代目

紅村窯
住所/京都府東山区五条橋東6丁目541
TEL/075-561-6404
営業時間/11:00~17:00
定休日/月曜日・金曜日

◇紹介した商品
「西施白磁土瓶(せいしはくじどびん)」1万8000円(税別)
「西施白磁汲出(せいしはくじくみだし)」5000円(税別)
「土鋏花飾(つちばさみはなかざり)」5万円(税別)
「土鋏鯉一輪挿(つちばさみこいいちりんざし)」2万5000円(税別)
「土鋏香合(つちばさみ こうごう)」4万円(税別)

宇賀なつみアナウンサーが、伝統や文化を受け継ぎ、生き生きと輝く女性から、人生を素敵に過ごす秘訣などを伺う「継ぐ女神」。今回お会いしたのは、100年以上続く京焼の窯元「紅村窯(こうそんがま)の4代目・林侑子さん(35)です。

青磁や白磁の繊細な焼き物を手掛ける紅村窯。侑子さんも窯元を継ぐ職人として美しい作品を多く作っています。ところが、その過去は元コギャル! 90年代後半から2000年にかけて中高生の間で流行した、真っ黒な日焼けと厚底ブーツが特徴のガングロ少女だったんです。当時の写真を見せてもらった宇賀アナがその変貌に驚いていると、「大人になりました」と笑顔で答えてくれた侑子さんです。

家宝の真贋を巡り、長年親子でバトル

清水寺近くの茶わん坂と呼ばれる一帯は、平安時代から陶芸の職人たちが多く暮らしてきました。その近くにある侑子さんのご自宅に伺うと、出迎えてくれたのが父親であり、師匠の3代目・克行さん。小学6年生の時、母を亡くした侑子さんを男手で育ててきましたが、コギャル時代の侑子さんとは口もきかない時期もあったとか。

今では親子で家業を守っています。しかし、10年近く意見が対立していることもあるのだとか。2代目の祖父が大切にしてきた横山大観の色紙を巡り、本物だと信じる侑子さんに克行さんは異を唱えていたのです。「ぜひ『継ぐ女神』で決着を」という声に応え鑑定したところ、色紙は横山大観の元々ある作品を印刷したものだと判明。さすがの侑子さんも、ちょっと残念そうでした。

白磁に命を吹き込む侑子さん

気分をかえ、いつも二人で作業をしているという仕事場へ。職人歴50年の克行さんの元で侑子さんは15年にわたる修業を続けながら、独特の細工を施す焼き物も作っています。使うのは、当時のガングロ少女たちの必需品、細眉に整えるための「眉切りハサミ」です。

侑子さんはこの眉切りハサミで模様を入れていくのです。フリーハンドで成形した状態の粘土に迷いなく切込みを入れていくこの技は、侑子さん独自のもので、克行さんは行いません。地元京都の和菓子作りを見て閃いたそうですが、ひとつでも失敗すれば、すべて一からやり直しという大変な作業。また、土が乾いてしまうとハサミが入らないため、一気に行わなければならず、時にはその作業が10時間以上になることも。

黒くなることに夢中だった少女は、今、白く美しい焼き物に命を吹き込もうと真剣に取り組んでいます。

父の背中を追い、職人へ

京焼の窯元に一人娘として生まれた侑子さん。母のいない寂しさからガングロになり、当時は無断外泊も頻繁だったといいます。けれども父・克行さんは「男親と娘というのは、どこまで辛抱できるか、待てるか。年頃やからしゃあない」と、あまり怒ることもなかったそうです。そんな父の気持ちも知らず、侑子さんは高校卒業後、アパレルショップに勤めはじめ、ますます家とは疎遠になっていきました。

しかし20歳のとき、勤めていた店が閉店。すると克行さんから「家業をやってみいへんか」と声をかけられたといいます。その頃を振り返り、「今言えば、この言葉が通じるだろう、考えるだろうと。もう少し前やったら、あっちむいてプイやしね」と克行さん。

心のどこかではずっと尊敬していた父。あえてそれまで何も言わなかった克行さんの言葉に、侑子さんは自分の本当の思いに気づかされたといいます。「やっていきたいな」。

そして始まった職人の道。けれども克行さんのスタンスは変わりません。「じっと見ていってやらないと。つぶれないようにしてやらんと」。

寄り道をしてもいい。その中で一生付き合えるものを

父には感謝しかないという侑子さん。優しく見守られていることを実感し、これからは少しでも「返していきたい」といいます。

そんなお二人との出会いを通して宇賀アナの心に残ったのは、「お父さんの一言」でした。それは「どんなに寄り道をしてもいい。その中で一生付き合えるものを探しなさい」。一生付き合えるものを一つ見つけることが、人生の糧になり、支えになるのだといいます。侑子さんもまた、回り道をしたかもしれないけれど、今は、焼き物の道を人生をかけて極めていきたいとおっしゃっていました。

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