水曜日

伝統守り、次の世代へ引き継ぐべく奮闘する輝く女性に密着。 宇賀なつみアナが体当たりレポートで紹介、応援します。

放送日 2017/06/14

松井久美子(38) 愛知で162年わらび餅“まつ月”8代目女将

162年続く老舗和菓子店8代目女将

御菓子所 まつ月(おかしどころ まつづき)
住所/愛知県豊田市黒田町尾知59-5
TEL/0565-82-2050
◇紹介した商品
「わらび餅」1箱10切れ入り 1500円(税別)

宇賀なつみアナウンサーが、伝統や文化を受け継ぎ、生き生きと輝く女性から、人生を素敵に過ごす秘訣などを伺う「継ぐ女神」。今回お会いしたのは、愛知県豊田市で162年続く和菓子店「まつ月」の8代目女将・松井久美子さん(38)です。

人気の商品は「わらび餅」。3年以上かけて作るその逸品はすべて手作業。一日に20~30箱程度しか作れず、午前中に売り切れてしまうこともあるとか。常連客の中には自家用ヘリで来る人もいるそうで、お店の裏にはヘリポートもありました。

家宝は火縄銃!長篠の戦に使われた?

店から車で5分ほどのご自宅にお邪魔した宇賀アナ。実はここ、織田信長と武田勝頼が戦った「長篠の戦」があった場所のすぐそばで、松井家の家宝も、この有名な戦いに関わるといわれるものでした。

見せてもらったのは火縄銃です。菓子屋を始める前、当地で代々漢方医を営んでいた先祖が、「世話をしたお侍さんからいただいた」ものだそう。もし、長篠の戦で使われた物なら世紀の大発見です。そこで、日本一火縄銃に詳しいという堺鉄砲研究会の澤田平さんに鑑定をお願いすると、「元禄頃、江戸中期の作品」とのこと。長篠の戦とは年代が少し異なりましたが、「いい鉄砲」だと評します。ただし、「大変お手入れが悪いですね。これほどいい鉄砲を錆びさせては宝の持ち腐れ」。この言葉には久美子さんはじめ、8代目で夫の公宏さんや義父の秀夫さんも「申し訳ありません」と頭を下げることになりました。

出来上がりまで3年以上のわらび餅

江戸時代から変わらないという「わらび餅」の作り方。その元となる「わらびの根」は毎年11月頃山に入り、自ら厳選して掘りだしてくるそうです。そのわらび根に含まれるデンプンを乾燥させ、わらび粉を作りますが、「質のいい粘り。弾力。口どけをよくするため」、3年ほど寝かせるそうです。

天然のわらび粉は大変貴重で、わらび根100キロから、たった6キロほどしか採れないといいます。厳重に保管しているところ、特別に見せていただくこともできました。

それほどの時間をかけて出来たわらび粉ですが、わらび餅にするときは時間との勝負です。砂糖と世界遺産・白神山地から取り寄せた水を加え、火にかけ混ぜていきますが、その間およそ30分、ひとときも手を休めることはありません。その後30分ほど蒸し、再び火にかけ練っていきます。納得の粘りが出てきたら、きな粉をまぶして一晩寝かせます。根を探すところから3年、究極の「わらび餅」の完成です。

和菓子職人目指して修業中

162年続く老舗に久美子さんが嫁いできたのは29歳の時。和菓子とは関係のない介護の仕事をしていた久美子さんは、妥協を許さない老舗の重圧や慣れない女将の仕事、さらには子育てや家事などと、今までは違う世界に戸惑っていたといいます。しかし、和菓子一つに3年以上もかける夫や先代の姿を見て、ある思いが芽生えます。

「お菓子屋さんにお嫁に来たからには、自分もやりたくなって」。

和菓子職人を目指して6年目。老舗の修業は想像を超えるもので、例えば、あんこを包む動作にも「5年くらいかかりましたね」。あのわらび餅には、まだ触ることもできません。

しかし、このわらび餅を陰で支える久美子さんにしかできない任務があります。味のチェックです。公宏さんいわく、久美子さんは「神の舌」の持ち主。そこで、どれほどその味覚が正確なのか水を飲み比べてもらうと、いつも使う白神山地のものをすぐに言い当てました。公宏さんは味に迷ったときに試食してもらうことで、迷いもなくなるといいます。

素材7分に味3分

職人への道はまだまだ修業中ですが、しっかりと伝統の味を支える久美子さん。そんな松井家に受け継がれている家訓は、「素材7分に味3分」です。

何よりまずは素材が大切。いい和菓子職人も、技術より、その人間性がよくないといいものは作れない。自分を磨き、その上で、技術があって初めて一人前という意味だといいます。久美子さんも、もっと自分を磨いてわらび餅が作れる日を迎えたいとおっしゃっています。

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