水曜日

伝統守り、次の世代へ引き継ぐべく奮闘する輝く女性に密着。 宇賀なつみアナが体当たりレポートで紹介、応援します。

放送日 2017/05/24

本谷知子(55) 金沢で127年続く加賀料理“山乃尾”5代目女将

金沢で127年続く加賀料理“山乃尾”の5代目女将・本谷知子さん

山乃尾(やまのお)
住所/石川県金沢市東山1-31-25
TEL/076-252-5171

宇賀なつみアナウンサーが、伝統や文化を受け継ぎ、生き生きと輝く女性から、人生を素敵に過ごす秘訣などを伺う「継ぐ女神」。今回ご登場いただいたのは、石川・金沢市で127年続く加賀料理の老舗「山乃尾(やまのお)」の5代目女将・本谷知子(もとや・ともこ)さん(55)です。金沢屈指の観光名所「ひがし茶屋街」を見下ろす高台にある山乃尾は、“2000坪”もの敷地を誇る店内で贅(ぜい)を尽くしたメニューを堪能できる名店として知られています。

山乃尾と関係の深い北大路魯山人ゆかりの家宝とは?

宇賀アナは、本谷家に伝わる家宝を見せていただきました。それは一部の関係者しか知らないという“秘密の場所”に保管されていました。知子さんの夫である5代目当主・達弥(たつや)さん(58)も交えて、いよいよ“お宝”を拝見します。桐(きり)の箱に大切にしまわれていたのは、“稀代の食通”としても有名な芸術家・北大路魯山人(きたおおじ・ろさんじん)の手になる料理皿。そんな貴重な品が、なんと山乃尾には「50枚以上」もあるのだそうです。

実は魯山人は若かりし頃、山乃尾に逗留(とうりゅう)していたのだとか。「選び抜かれた器に盛られた山乃尾の美しい料理を見て、魯山人は“料理と器のバランスの大切さ”を学んだ」と言われているそうです。その時に得た経験から、魯山人は「器は料理の着物である」という名言を残したといいます。山乃尾で学んだ精神は、後に魯山人が開いた料亭「星岡茶寮(ほしがおか・さりょう)」にも影響を与えているそうです。

番組では、魯山人の料理皿の価値を知るべく、プロによる鑑定を試みました。その結果、皿は「星岡茶寮で使われていたものらしい」ということが分かりました。「10枚揃いで70万円相当のもの」や、「1枚で50万円ほどするのではないか」という高価な品もありましたが、これらを山乃尾では「宴席に出している」のだそうです。それは「器とは、料理を美しく盛り付ける為に存在しているものである」という考えに基づいてのことだといいます。

北大路魯山人を驚かせた山乃尾の絶品加賀料理

紹介した「会席」1万5000円(税・サービス料・室料別)※要予約

宇賀アナは山乃尾の厨房に特別に入れていただきました。そこは、食通・魯山人をも驚かせたという“究極の加賀料理”の生まれる現場です。

まず見せていただいたのは、旬の名残りを楽しむ「タケノコの醤油焼き」。そこには驚きの演出がなされていました。「竹林の中にタケノコが生えている風景をお座敷で再現します」と語った達弥さんは、皿に笹の葉をのせ、その上にタケノコの皮を立て始めました。その姿は、まさに「竹林から頭を覗かせるタケノコ」そのものです。お客様はそれを「収穫する」という趣向で、まさに“風流”の極みです。タケノコの皮をめくると、出てくるのは“奉書包み”。それを開いて、箸を使わずいただくのだそうです。

厨房を後にした宇賀アナは、全部で7室ある離れの中でも「最も眺めが良い」という、景色自慢の座敷に通していただきました。ひがし茶屋街を一望できる絶景に圧倒される宇賀アナ。夕暮れ時ともなれば、まるで名画のような風景を眺めることができます。

そこで出された料理に、また感動の宇賀アナ。ボリューム満点の「タイの唐蒸し」はオカラを詰めたタイを2時間蒸したもので、金沢では「祝いの席に欠かせない料理」なんだとか。他にも、石川県で獲れた「ズワイガニのほぐし身」や、裏ごしした青豆の汁を加賀産のズイキにかけた「すり流し」などが並びます。目の前で調理してくださったのは、能登牛(のとうし)と加賀産の新タマネギをほんのり甘い割り下で焼いた他一品。これは魯山人も好んだ焼き方だったといいます。

こだわり抜いた究極の会席料理は全9品。盛り付けには魯山人の皿も用いられていて、お客様は目と舌で楽しむことができるわけです。それでいてお値段は1万5000円(税・サービス料・室料別)だといいます。

山乃尾の経営を立て直した本谷知子さんの斬新なアイデア

紹介した「治部煮御膳」4000円(税・サービス料・室料別)※要予約

魯山人ともゆかりの深い、格式を重んじる老舗へ知子さんが嫁いできたのは23歳の時だったそうです。歴史の重みに気後れする部分もあったそうですが、「負けず嫌いな性格なので、“頑張ろう”という思いが強かった」と知子さんは当時を振り返ります。

知子さんが若女将になったのは、まさにバブル景気の絶頂期でした。山乃尾は“接待の場”として連日賑わい、1つの宴会に100万円近くかけるお客様もザラだったそうです。しかしバブルがはじけると、高級料亭を接待に使うお客様は激減し、かつての賑わいは失われていきました。「北陸新幹線」の開通に期待したものの食事に訪れるお客様は少なく、山乃尾は「新幹線景気から取り残されてしまった」といいます。

けれども知子さんは手をこまねいてはいませんでした。「伝統を守ろうとするが故の“格式の高さ”がお客様を遠ざけているのではないか」と考え、“起死回生のお得メニュー”を考案したのです。それは「小鉢に盛った15種類の加賀料理」に、伝統の「治部煮(じぶに)」と「タケノコご飯」をつけて「4000円(税・サービス料・室料別)」という、お手頃価格のランチメニュー。伝統の加賀料理を少量ずつ提供することで「老舗の“格”と“質”を保ったまま値段を抑える」ことに成功したのです。

知子さんのアイデアに、夫の達弥さんは当初あまり乗り気ではなかったといいます。しかし、妻を信じて「値段を落としてのランチ営業」を行ったところ、これが女性客に大ヒット。いまや嬉しい悲鳴を上げるほどの大盛況だといいます。「自分では想像の及ばない“女性目線”で経営を立て直してくれた妻に感謝している」と達弥さんは述べておられました。

一流ではダメ! 目指すのはいつも超一流! そのための努力は惜しみません

今回、知子さんへの取材を通して宇賀アナの心に残った「女神の一言」は「一流ではダメ! 目指すのはいつも超一流! そのための努力は惜しみません」です。「超一流を目指してきたからこそ山乃尾の看板を守り続けてこられた。ランチにしてもただ“安さ”だけを売りにしてはダメで、値段に関係なく“超一流の味”を目指し続けたからこそ、お客様から受け入れられた」と、知子さんは語っておられました。

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