水曜日

伝統守り、次の世代へ引き継ぐべく奮闘する輝く女性に密着。 宇賀なつみアナが体当たりレポートで紹介、応援します。

放送日 2017/04/19

清水きし代(70) 三重・四日市で117年続く萬古焼“醉月陶苑”3代目女将

歴史ある萬古焼。その伝統を守る絵付け職人のきし代さん

醉月陶苑(すいげつとうえん)
住所/三重県四日市市南いかるが町19-4
TEL/059-332-8218
◇紹介した商品
「盛絵 松竹梅 急須」5万5000円(税抜)
「盛絵 雲錦文 急須」(宇賀アナがお手伝いした作品)
「盛絵 祭りの図 水指」20万円(税抜)
「盛絵 四君子 水指」20万円(税抜)
「盛絵 松に白兎茶盌」14万円(税抜)
「盛絵 白梅 茶盌」14万円(税抜)

宇賀なつみアナウンサーが、伝統や文化を受け継ぎ、生き生きと輝く女性から、人生を素敵に過ごす秘訣などを伺う「継ぐ女神」。今回訪ねたのは、117年続く三重県四日市の伝統工芸品「萬古焼(ばんこやき)」の窯元、「醉月陶苑(すいげつとうえん)」の3代目女将・清水きし代さん(70)です。

萬古焼は生活に根付いたものが多く、例えば、土鍋は全国シェア80%。「醉月陶苑」は夫で3代目の洋さんが焼き物を作り、きし代さんが絵付けをする職人夫婦としてさまざまな焼き物を作っています。しかも、きし代さんは「盛絵」と呼ばれる技法の唯一の後継者。盛絵は、素焼きした陶器に専用の絵具で厚みが出るように絵付けしていく伝統の技です。

サミットの夕食会で夫婦の作品を使用

去年5月に開催された伊勢志摩サミット。初日の夕食会では萬古焼の酒杯が乾杯に使用されています。そして、その酒杯を作ったのが清水さん夫婦。もちろん、絵付けを担当したのはきし代さんです。

金やプラチナを高台に焼き付けたというこれらの酒杯。清水家にはサミットで実際に使用されたものがあり、家宝にしたいと思っているのだとか。そんな未来のお宝であるメルケル首相(独)が使った杯で、宇賀アナはお酒をいただくことができました。

伝統技法“盛絵”を唯一の後継者

日本で唯一の技術で作られる職人夫婦の焼き物。どうやって作るのか見せていただきました。

この日作るのは急須。まずは木型に薄く伸ばした粘土を貼りつけていきます。さらに取っ手や口の部分をつけて成形。木型は簡単に抜けるよう工夫されています。他にも、ろくろで作る急須などご主人渾身の作品を窯で焼き上げれば、きし代さんの出番。下書きをしてから、その上に色をつけていきます。

「フチのほうと真ん中のほうと同じくらいの高さで」。普通に筆を走らせると絵具は真ん中が高くなるため、焼きムラとなってしまいます。しかし、きし代さんの色付けは端も真ん中も同じ厚さ。この技こそ、きし代さんただ一人のものです。

そして窯に入れること一日。どんなにいい焼き物を作っても絵付けが失敗すれば台無しに・・・・・・。焼き上がった急須にはこの時期にぴったりの桜と新緑のモミジが美しく浮かび上がっていました。

嫁いでから始まった絵付けの修業

きし代さんは24歳で117年続く窯元に嫁ぎました。それまで焼き物とは無縁の暮らしをしてきましたが、萬古陶芸協会の会長からの一言で絵付け職人を目指すことになります。

「絵付けをやる人がおらんようになる。あんたがやらないともう廃れてしまうぞ」。

当時、萬古焼の絵付けは70歳を過ぎた職人が一人いるだけ。きし代さんは断ることもできず、最後の職人の門をたたきます。そして修業を始めて2年が過ぎたころ、仕事に厳しいご主人から課題をつきつけられます。それは、名工と謳われる先代の焼き物に絵を付けるというものでした。失敗すれば取り返しのつかないことになりますが、ご主人は「刺激があったほうが挑戦できる」とあえてやらせることにしたのです。

その“試練”を乗り越え30年、今ではご主人の作品に花を添える絵付け職人となりました。ところが、ご主人はなかなかきし代さんを褒めようとはしません。「夫婦でありながら競争相手でもある」からです。

ライバルを作りなさい。そうすれば自分を磨ける

●絵付け教室(絵付け倶楽部)
毎週金曜日(月4回6000円)
時間/9:30~11:30
入会:1万円
※材料費・焼成費別途かかります

今、きし代さんが力を入れているのが後継者の育成です。13年前、絵付けの教室を開き、そこにいた次男の妻・桂子さんが修業を積んでいるところです。

そんなきし代さんの取材を通して宇賀アナが心に残った「女神の一言」は、「ライバルを作りなさい。そうすれば自分を磨ける」です。自分がここまで頑張ってこられたのも、ご主人といいライバル関係が作れたからだといいます。そして、今でももっとうまくなりたいと思うのは、やはり「ライバルがいるからよ」とおっしゃっていました。

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