火曜日

羽鳥慎一がニュースな現場へ!みんなの疑問を解決

放送日 2017/11/14

雪国の知恵!新・天然の冷蔵庫“雪室”開発舞台裏

豪雪地帯の新潟・小千谷で雪室を設計

※紹介した雪室については「公益財団法人 雪だるま財団」、雪室を使用した商品については「越後雪室屋」で検索できます。

新潟県小千谷市。4m以上の雪が積もるこの豪雪地帯で、食品貯蔵のための「雪室」を設計しているのが伊藤親臣(いとう・よしおみ)さん(46)です。さらに石油に代わる新エネルギーとしての雪の活用法も研究しています。今回の聞きトリは伊藤さんのもとを羽鳥慎一キャスターが訪ね、研究の最前線に迫りました。 

伊藤さんが設計した雪室は年間を通してほぼ1度に保たれています。中の貯蔵庫で保存しているのは味噌やキャベツ、蕎麦の実など地元産の野菜や食品だけでなく、四国の四万十で採れた栗も。「雪室留学とわれわれは呼んでいますが、雪の倉庫の中にいれて、商品化していくお手伝いをしています」。他にも鹿児島県のミカンや北海道のジャガイモなど、全国の生産者から市場に出す前の食品を預かっています。

食材のおいしさをアップさせる雪室

食品は雪室の中で熟成すると味に変化が起きるそうです。採れたばかりの栗と、1年間雪室の中に置いた栗を食べ比べた羽鳥キャスターは、「甘さがぜんぜん違う」。糖度計で調べるとその差は歴然、採れたての栗が糖度16.7に対し、雪室の栗は21.8と、メロンを上回るほどの数値を示しました。

雪室は、雪の量を調節することで1度の温度をキープしているそうですが、栗など糖分を多く含む食品は、凍るか凍らないかギリギリの環境に置くと、身体を守るために糖分が増えて甘味が増すのだそうです。

肉もおいしくしています。都内のあるステーキ店では、雪室で1か月間熟成させた肉を取り寄せていますが、その理由は「うまみが増しています」。雪室に保存するとタンパク質が分解され、うまみ成分のアミノ酸が増えるため、おいしくなるそうです。

雪は空から降ってくる宝

「厄介者だと思ってしまったら、何も生まれない。空から降ってくる宝だ」。雪をそう評する伊藤さんは愛知県生まれ。進学した北海道の大学で雪の研究に出会いました。「雪というのは純国産のエコ資源。それを何かに利用すると思ったときはワクワクしました」。冷蔵庫やクーラーを、電気を使わず、雪が解けるときのエネルギーで動かす技術を勉強していきます。

新潟県に来るきっかけは、28歳のとき。当時の安塚町の町長から、住民を苦しめる雪の有効活用をしてほしいと頼まれたからです。振り返り、「雪を研究してきた技術者として、人に役立ってこその技術なんだという、その想いだけでした」という伊藤さん。

目をつけたのは、後継者不足から使われなくなっていた農家の倉庫。そこを雪室に活用するとともに、雪室に入れた食品の鮮度や味の研究も始めます。そして熟成に最適な温度や貯蔵期間は、例えば日本酒ならおよそ5度など、食品によって違うことがわかりました。

これまでに雪室で熟成した食品は、ブランド化するなどしながら100種類以上も商品化。またそうした雪室の管理を地域の人々に任せることで雇用も生み出しています。

雪が石油に代わる新エネルギーに

さらに、雪エネルギーの価値を知ってもらいたいと、「政治家の方も含め、各省庁にもお話しをさせてもらったり」と政府関係者に働きかけ、2002年には施行令が改正。雪が風力や水力と同じように新しいエネルギー資源として認められ、2008年の洞爺湖サミット会場には、伊藤さんの雪冷房システムが使われ、大きな注目を集めたのです。

「日本の面積の半分くらいは雪国といわれています。ですから、雪の価値を高めることができれば省エネルギーのお手伝いができる。雪国がそんなふうになればいいなと考えています」。

そう語る伊藤さんに最後に聞きました。「人生で成功するために必要なことは?」。返ってきたのは、「なせば成る」という言葉。そこには「やると決めたら、やり抜くのだ」という決意が垣間見えました。

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