火曜日

羽鳥慎一がニュースな現場へ!みんなの疑問を解決

放送日 2017/10/10

世界が注目! 形が自由に変化する“仰天”曲がる器

“曲がる器”に世界が注目

株式会社 能作
住所/富山県高岡市オフィスパーク8-1
TEL/0766-63-5080
※見学・体験予約はお問い合わせ専用TEL/0766-63-0001
※IMONO KITCHENお問い合わせ専用/0766-63-0050
※FACTORY SHOPお問い合わせ専用/0766-63-0002
営業時間/10:00~18:00(工場見学は9:30~17:00)

富山県高岡市。加賀藩主・前田利長の時代から400年以上続く、鋳物の町です。今回、羽鳥慎一キャスターが訪ねたのは、そんな日本の伝統文化に革新的な変化を起こした鋳物職人。能作克治さん(59)は、「金属は固いもの」という常識にとらわれない、自由に形を変えられる「曲がる器」を開発しました。

鋳物とは、溶かした金属を型に流して作る金属製品。大正5年創業の株式会社能作は、割れにくく、頑丈な鋳物の特性を生かしてお寺の鐘や大仏などを作ってきました。一般的な鋳物は、粘土や水を混練した「鋳物砂」を踏み固めて鋳型(いがた)を作ります。製品の原料となる銅と亜鉛を1150度の大型の炉で溶かしてその型に流し込み、冷ましてから鋳型を壊して取り出し、磨いて製品にしています。

独自に考案したシリコーン鋳造

一方、「曲がる器」で使うのは、錫。通常は銅などを加えているそうですが、能作さんの曲がる器は錫だけで作ります。そして、溶かすのは、炉ではなく、中華用コンロ。「こっちは230~250度」と、高い温度が要らないからです。鋳型も砂ではなく、シリコーン製。「型を一個一個作って、壊してということがない」ので、生産効率も高いのだとか。また、シリコーンの鋳型は、砂の鋳型では難しい細かいデザインも表現できるといいます。

錫の器は形を自由に変えられるだけでなく、飲み物を入れると味が変わるという特徴もあります。羽鳥キャスターがお酒を飲み比べてみると、ガラス器に入ったお酒より錫の器に入ったお酒のほうが「ふわっと、まろやか」。味が変わる詳しい理由は現在研究中ですが、味覚センサーでも味の違いは測定されています。

さらに、「花瓶に使うと、お花が長持ちする」と能作さん。錫には「抗菌性に優れた特性があるので切り口に雑菌がつかない」そうです。

鋳物の良さを知ってもらいたいと開発

福井県出身の能作さんは、大学卒業後、新聞社でカメラマンをしていました。転職のきっかけは結婚。「おやじさんからうちの娘は一人娘だから、嫁に出しちゃうと伝統の灯が消える」と言われ婿入りし、鋳物職人になります。「最初3年は大変で、持つかなと思った時期も」ありましたが、見よう見まねで伝統的な仏具などの製造に励み、周囲も認める技術を身に着けました。

あるとき、工場見学に来た子どもの母親のつらい一言を耳にします。「勉強しないと、あの職人さんみたいになるわよ」。

鋳物の良さを知ってもらえば、こんなことを言う人も減るはずと思った能作さんの挑戦が始まります。まず考えたのは、生活に身近な食器の開発です。注目したのは錫。しかも、錫合金では他産地の真似になると、「世の中の人が誰もやっていない、錫100%」にこだわりました。しかし、“曲がらない食器”を1年間作り続けますが、うまくいきません。

そんな状況を打破したのは、逆転の発想でした。「素材が曲がるなら、曲がる食器を作ってもいいと思ったんですね」。そのためには完成品に近い状態で採りだせる鋳型が必要でしたが、さまざまな鋳型を3年にわたり試した結果、シリコーンに辿りつきました。

能作さんが開発したのは、錆びづらく、曲げても折れない半永久的に使える器です。これまでになかった画期的なこの器をパリの見本市に出展すると、一躍注目の的になり、国内外から高い評価を受けました。

工場のイメージも一新

「伝統は守るもんじゃないですよね。革新の連続なんです。新分野へどんどんチャレンジしていって、それであと100年すると、またそれが伝統になっていくわけですから」という能作さんは、今年4月にはカフェやショップを併設した新社屋をオープン。これまでの暗いイメージを払しょくするため工場のデザインも一新し、工場見学や鋳物を作る体験教室を行うなど、鋳物の良さを積極的に伝えています。

職人は全国から集まっていて、その中には小学生の時に見学に来た人も。「ここの職人さんたちがみんなかっこよくて」、来たといいます。「あの当時とは180度変わった」と語る能作さんです。

多くの人を幸せにするために

「人生で成功するために必要なことはなんでしょうか」。最後の質問に、能作さんはこう答えました。「どれだけたくさんの人を幸せにできるかというのが、人生の価値観だと思ってます。だから、枝分かれが来たとき、どっちを取れば多くの人が幸せになれるかと考えれば、おのずと決まるわけで」。それは今までと同じ。そして、「これからも変わらないと思いますね」。

今後は錫の柔軟性や抗菌作用を活用し、手術器具など医療分野にも取り組んでいくということです。

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