火曜日

羽鳥慎一がニュースな現場へ!みんなの疑問を解決

放送日 2017/07/04

建造物の救世主!画期的“液体ガラス”開発者

塗るだけでコンクリートの劣化を防ぐ液体ガラス

◇株式会社 ニッコー
住所/東京都杉並区上荻1-24-19 シャイン荻窪ビルB1F
TEL/03-3393-7631

今回、羽鳥慎一キャスターが訪ねたのは株式会社ニッコー。ここでお会いしたのが塩田政利さん(79)です。塩田さんは「液体ガラス」の開発者。通常、ガラスは1400度以上の高温でなければ液体状になりませんが、塩田さんは常温で液体化することに成功しました。

液体ガラスをコンクリートや木材に塗ると強度が上がり、しかも防水効果もあるため、横浜港の大さん橋のデッキや東京・赤坂にある日枝神社の柱や壁にも、劣化を防ぐ目的で使われています。

そもそも、コンクリートの劣化は、水が浸み込み、中の鉄骨が錆びることが原因です。しかし、液体ガラスを塗ると表面がコーティングされ、水の侵入を防ぎ、また、コンクリートの目には見えないすき間に入り込んだ液体ガラスが乾燥して固まるため、強度も上がるのです。

木材が燃えず、劣化も防ぐ液体ガラス

液体ガラスを塗った木材はさまざまなメリットがあります。例えば、液体ガラスを塗った木材にマジックで線を描いても、指でこするだけで消すことができます。昨今、文化財に油を撒くなどの事件が頻発していますが、塩田さんいわく、液体ガラスを塗布すれば「やりようがない」とし、これらも防ぐことができるといいます。

一番効果を発揮するのは燃焼面です。液体ガラスをコートしている小屋にガソリンをまいて火をつけても、表面のガソリンしか燃えません。

燃えにくく、コンクリート同様に木材の劣化も防ぐ液体ガラス。兵庫県豊岡市の出石城跡の木製の橋も補修の際、この液体ガラスが使われました。

コンクリートの寿命を延ばしたい

塩田さんが液体ガラスの開発へと歩み出すきっかけは、コンクリートブロックを製造する会社に勤めていたときにありました。あるとき耳にしたのが、「鉄筋コンクリートの寿命はせいぜい50年」という言葉です。塩田さんは「たまったもんじゃない。なんとしても食い止めねばならない」と思ったといいます。

「コンクリートを強くして、インフラの老朽化を食い止めたい」。42歳で会社を退職し、何百年も姿を変えない世界中の遺跡を巡りながら、建物の耐久性を高める素材を探しました。そこでヒントになったのが、樹木などが石化した「珪化木(けいかぼく)」です。その姿から「木や石は風化するが、ガラスにはない」。ガラスが石よりも強いという考えに辿りつきました。

そして、ガラスを液体化することを思い、ガラス屋に相談しますが、まったく相手にされなかったといいます。自ら研究に乗り出し、ガラスの原料である石英という鉱物に「ある物質」を混ぜることで液体にできることをつかみます。混ぜる物質は企業秘密ですが、入れる順番やわずかな分量の違いでもガラスは液体になりません。最適な配合を見つけるために3年かかり、1987年、「液体ガラス」は完成しました。

その後、木材にも用途を広げた液体ガラス。そして72歳の塩田さんは、新たな挑戦をします。液体ガラスを木材の表面に塗るだけでなく、中まで浸透させた建築材の開発です。木材は「燃える、腐る、シロアリに食われる、割れる、トゲが出るなど欠点だらけ」ですが、液体ガラスで強くすれば、「使い道はコンクリートより、はるかにある」。

液体ガラスを中に浸透させるための手掛かりになったのは、妻と食べたおでんにあったそうです。おでんの大根やこんにゃくは、下茹でしてから出汁で煮込むと味がよく浸み込むことを教えられ、それをヒントに木材も一度煮てから液体ガラスに漬けてみました。すると、木材の細胞レベルまでガラスが浸透したのです。

仕方がないといわない

定期的に建設業者向けのセミナーを開くなど、今も液体ガラスの普及に力を入れています。「90歳で人生の道半ば」という塩田さんに、恒例の質問をしました。「人生で成功するために必要なことは?」。

塩田さんはいいます。「仕方がないって言うのを辞めることです。絶対にその言葉を吐かないと、挑戦せざると得ない」。それは、成功するまで挑戦が終わらないことも示します。「挑戦は、とことん、とことんいかなしょうがないです」。

不屈の精神で開発に取り組み、液体ガラスを作り上げた塩田さん。今、日本のさまざまな場所で使われています。

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