火曜日

羽鳥慎一がニュースな現場へ!みんなの疑問を解決

放送日 2017/03/14

“夢の繊維” クモの糸研究40年!博士の挑戦

弦がクモの糸でできたバイオリンを製作

強度や伸縮性に優れ、「夢の繊維」といわれる「クモの糸」。その太さは髪の毛のおよそ10分の1ですが、束ねて同じ太さにした絹やナイロンと比べると、クモの糸のほうが2倍から3倍強度が高いといいます。

奈良県立医科大学の大﨑茂芳教授(70)は、このクモの糸の研究を40年にわたり行ってきました。そんな大﨑教授が作り、世界の音楽家を驚かせたのが「弦がクモの糸で出来たバイオリン」です。その音色にはプロのバイオリニストも驚愕。大﨑教授の研究室を訪ね、近い将来、世の中を変えるかもしれないクモの糸について羽鳥慎一キャスターが迫ります。

 

クモの糸でハンモックを吊る

大﨑教授によると、クモが出す糸には7種類あるそうです。そのなかで注目したのは、クモの「命綱」だという「牽引糸(けんいんし)」。クモが逃げるときに出す糸で、7種類の中でも一番太く、丈夫だといいます。

その糸の強度はどれほどなのか。実感すべく大﨑教授が用意したのはハンモックで、それをクモの糸で木に吊るそうというのです。使ったクモの糸は19万本、集めるのに2年がかりという大作です! その労苦と糸の強度にためらいながら乗った羽鳥キャスターですが、見事、67キロの体重を支えました。

ちなみに、このハンモック、重さは120kgまで耐えられるそうです。

糸を採るために独自に機械も開発

クモの糸を採るのも大変です。クモは糸を出してもすぐ切ってしまい、しかもその糸はデリケート。そこで大﨑教授は、アメを舐める機械とハンガーを組み合わせた「クモ糸巻きとりマシーン」を開発しました。

無理やり巻き取ろうとすると糸を切って逃げてしまうため、「クモとのコミュニケーションがないとね。厳しくやり過ぎたらヘソ曲げる」。クモが糸を出すリズムに合わせて巻いていくのがポイントです。

粘着性より強度に着して始まった研究

大﨑教授がクモの糸に関わるようになったのは、就職した製紙会社の「粘着紙の開発」で、クモの糸を扱ったことがきっかけでした。そんななか、クモの糸は1本ではなく、「正確に調べたら2本ある」ことに気づき、ある想いが生まれます。

「粘着性よりも、強度の高さを研究したほうが何かに役立つかもしれない。しかも面白い!」

その後の研究で牽引糸を突き止め、学会で発表。しかし、クモ糸研究は「あんまり印象は良くなかったんちゃうかなと思いますね」。大﨑さん自身も“変な人”に見られてしまったとか。ここから、いかにクモの糸が優れているかを証明するための挑戦が始まりました。

「クモによって糸の強度が違うかもしれない」と想い、全国各地でクモを採取。わかったのは、特にジョロウグモの糸が強く、同じ太さなら絹やナイロンの糸よりも強度が高いことでした。その後、柔軟性にも優れていることがわかると、世界初のあるものを作ります。それが「バイオリン」でした。

バイオリンの弦を思いついたのは、学生時代に合唱部に所属するなど音楽に興味があったから。バイオリンも7年ほどやっているということで、早速、弾いていただいたのですが、この日は調子が悪いようで(?)、音の良さが伝わらず・・・。

そこでプロの演奏を聴いてみると、そこには素晴らしい音色が。クモの糸は柔軟性があるため、音の振動が伝わりやすく、響き渡るような音が出るそうです。演奏したバイオリニストも、「直接人間の心にくるという感じ。一番いいなと思った弦の倍くらいの表現力(がある)」と絶賛。4年前、このクモの糸を使ったバイオリンをアメリカで発表した際には、ドイツやイタリアなどの音楽家から、弦を分けてほしいと依頼も殺到したそうです。

“わかること”より“わからないこと”を突き詰める

大﨑教授は、クモ糸の「水につけると縮む」という新たな特性も発見しました。その使い道は「縫合糸っていってね」と、手術に使える可能性もあるそうです。

そんな大﨑教授に、最後に羽鳥キャスターが「人生で成功するために必要なこと」を尋ねました。返ってきたのは、「わかるようなことをやっていたらね、面白くないんですよ。わからんことをやるから面白い」というものでした。

大﨑教授いわく、クモの糸は「夢の繊維」。強度や伸縮性を活かして縫合糸やストッキングが、また紫外線にも強いことから着物やカーテンなどへの応用も考えられるということです。

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