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羽鳥慎一がニュースな現場へ!みんなの疑問を解決

放送日 2016/04/26

予約殺到5年待ち!軽くて丈夫!木の自転車・秘職人技

木で造った自転車に注目!

SANOMAGIC(佐野マジック)
住所/東京都江東区新木場1-6-12
TEL&FAX/03-5569-6567

「自転車」価格:200万円(税別)
※現時点で5年待ちになります。詳しくはお問い合わせください。

サイクリングに最適な季節を迎えるなか、注目の自転車があります。それはパーツの大半が「木」で出来ている「木造自転車」です。しかも使っているのは、高級家具や楽器などに使われる名木マホガニー。今回の「聞きトリ」は、この木造自転車を造る木工職人の佐野末四郎さん(57)を羽鳥キャスターが訪ね、スゴ技の秘密に迫りました。

佐野さんが働く「SANO MAGIC」があるのは、木材が集まる東京・新木場。ブレーキ、チェーン、タイヤなど基本的なパーツ以外はすべて木というこの自転車は、重さ7.7キロ。一般的な自転車よりも、約10キロ軽く、手入れ次第では100年以上乗れるといいます。

極薄のマホガニー板を重ねて

そんな木の自転車に乗った羽鳥キャスターの感想は、「踏み込みというか、踏み出しが軽い。足の負担が少ない」。また「乗っていてもお尻も痛くないですね」。その理由は「フレーム自体がサスペンションの役目をしていてたわむ」からなのだそうです。

柔軟性には秘密があります。各パーツに使う木は、そのまま使っているわけではなく、例えばフレームの部分なら、厚さ2ミリにしたマホガニーの板を18枚、一番負荷のかかるサドルの下には、1ミリのマホガニーの板を30枚以上重ねて作られていました。

木材で自在に曲線を作り出す

そして、そこで発揮されるのが職人の技。ただ重ねただけでは板を曲げることはおろか、簡単に折れてしまうのです。佐野さんが行うのは両面接着という技術で、「木の目の中に接着剤を押し込んで」いきます。水や養分を通す導管という木の細かい穴に接着剤が染み込むと強度も上がるそうで、それを一枚一枚貼り合せていくのです。

すべて重ね終わると、型にセットして工具で力いっぱい締めていきます。90度に曲げたのは、サドルの下部分。前輪をつなぐフロントフォークは180度曲がっていますが、人が乗っても折れず、またその弾力はカーボンや金属でも出せないほど。そのため、この自転車はレースでも活躍しています。

船大工9代目、伝統の技術を伝えるために

「机」価格:35万円(税別)
「椅子」価格:35万円(税別)
「スピーカー1セット」価格:165万円(税別)
※商品の詳しい情報はお問い合わせください。
※船に関しては非売品のため購入は不可能です。

現在、約5年待ちという木造自転車。1台造るのに3か月もかかるそうですが、佐野さんが木の自転車を造るのには理由がありました。

実は佐野さんの本業は船大工。江戸時代から続く造船所の9代目です。そして、木の自転車は、船を造るうえでもっとも強度が必要な骨格部分の「曲線をつくる技術」を応用していました。小学5年生でヨットを自作した佐野さんは、高校生の頃にはアメリカの雑誌に取り上げられ、その技術は「サノ・マジック」と称賛されたほど。ちなみに現在の屋号は、ここから来ています。

そんな佐野さんは小さいときから7代目である祖父、吉太郎さんに常に言われてきたことがあります。「本当に良いものをつくって、それを誇りにして、世界中の人が真似したくてもできないものを私たちはつくっている」。

「木造船に誇りを持て」という教えを胸に、33歳のときに妻のかほるさんを連れてオランダへ。さらに腕を磨くため、西洋の造船技術を学びました。しかし、時代はFRPやカーボン製。値段が安く、丈夫な船が出来るようになると、手間のかかる木造船は売れなくなり、当時、新木場に10軒ほどあった船大工の家は、佐野さんのところだけになりました。

「伝統の技術を多くの人に知ってもらいたい」。そんな思いで始めたのが、自転車でした。自転車造りに挑戦したのは、生活に一番身近な乗り物だったから。コレクションしたいだけの人には売らず、実際に乗ってくれる人にしか売らないのも、木造船の技術を知ってほしいからです。

「(技術を)後世の人に残していかないと。江戸っ子っていうのは大馬鹿なんでしょうね。この自転車だって、えらい苦労して造って、でもこんなの簡単だよって見栄をきるわけですよ」。もちろん、本当は「大変だよ(笑)」。

 

最後は船を造りたい

木の自転車は海外の博物館でも展示されるほど高い評価を受けています。一方で、木造船の技術が詰まった木工品も佐野さんは作っています。

木を知り尽くした佐野さんに、今回、家庭でも役立つ技を教えていただきました。ものを落とした時などにできる「木のへこみ傷」には、「スチームアイロン」をかけるといいんだそうです。木が水を吸うことにより、へこみが治るそうで、「(木には)復元力がある」といいます。

木造船の技術を未来に残すため、生涯現役を誓う佐野さん。最後は「船を造りたい」といいます。「私たちは200何十年って、木で飯を食ってきたわけ」だから、「そういうことをやらなきゃいけない。それが本当の職人のやること」と、その胸の内を力強く語ってくれました。

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