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羽鳥慎一がニュースな現場へ!みんなの疑問を解決

2018.04.24放送

画期的!吸水力抜群 中小企業が生んだ驚きのタオル

魔法の吸水力で550万枚超の大ヒット

浅野撚糸株式会社
住所/岐阜県安八郡安八町中875-1
TEL/0584-71-8813
(平日10:00~17:00 土日祝休み)
◇今回紹介したタオル
「エアーかおるXTC エニータイム」価格:2376円(税込み)
※通常のバスタオルの半分サイズ
※エアーかおるHPまたは電話にて購入可能
吸水力は通常の約1.5倍。そんな驚きのタオルを開発したのが、浅野雅己さん(58)です。可能にしたのは特許取得のある技術。今回の「聞きトリ」は、その技術で廃業寸前の町工場を救い、38億円を売り上げるまでになったタオルの開発者に迫ります。

岐阜県安八町にある「浅野撚糸株式会社」。ここで浅野さんのタオル「エアーかおる」は誕生しました。特徴はボリュームにも現れ、普通のタオルと比べれば一目瞭然です。

お湯に溶ける糸を使い、糸の間に空気のすき間を作る

しかし、最大の特徴はやはり吸水力。新品は水を吸わないことがほとんどですが、このタオルはぐんぐん吸い込みます。しかも「乾きもいいんです。2時間かからなくて、ほぼ乾きますよ」と浅野さん。

高い吸水力を実現しているのは、「特殊な糸」を使っていることにあります。一般的なタオルは2本の綿の糸で撚りますが、浅野さんのタオルは、綿に「お湯に溶ける糸」をねじり合せているのです。

この二つの糸をあわせたら、もともとの撚りの方向と反対方向に2倍撚りをかけていきます。出来上がった糸で生地にし、仕上げの段階でお湯をかけて片方の糸だけ溶かすと、残った綿の糸が元の方向に戻ろうとする反動で糸の間に空気のすき間ができます。このすき間が吸水性や速乾性に優れ、ボリュームあるタオルを生み出していたのです。

うちしかできない技術を磨く

水に恵まれ、紡績業が盛んだった岐阜県安八町で1967年の創業以来、衣料品の糸を製造してきた浅野撚糸。浅野さんは2代目として35歳で社長に就任し、あるものをヒットさせました。「ストレッチジーンズ」に使う糸で、「2本の普通の糸に伸び縮みするゴムを撚っている」のだといいます。

ストレッチジーンズの大ヒットで「大儲けした」そうですが、2000年代に入ると大手企業が生産拠点を中国に移したことから仕事が激減。廃業の危機に陥ります。

「世界一の技術があって仕事がないのはおかしい。だから、中国のやれないこと、海外のやれないこと、うちしかできない技術を磨くことに専念しました」。

まず取り掛かったのは、新しい糸の開発です。紙や藁など、あらゆるものを撚り合せていきますが、そんななかで知ったのが、大手繊維会社が開発したものの、非常に扱いにくいと不評だった「お湯に溶ける糸」でした。

その性質をなんとか活かせないかと実験を繰り返し、3年かかって「糸の間にすき間がある糸」を発見。特許も取得して認められるものとなりますが、せっかくの糸を使ってくれるところがありませんでした。そこで、浅野さんは自分でブランドを作ろうと考えます。「だって、自分でブランド作ったら、地球の人全員がお客さんになるから」。

窮地を救った妻の一言

老舗タオルメーカーと手を組み、4000枚以上の試作の末、ようやく目指すタオルの完成にこぎつけたのです。しかし、ここでもまったく売れず・・・・・・。

窮地を救ったのは、妻・真美さんの言葉です。「こんなに水を吸うのなら、半分のサイズでいいわ」。出来たのが、半分サイズのバスタオルです。洗濯物として干すときは半分のスペースで済み、ハンガーに干すこともできるため、瞬く間に大人気となっていきました。

ヒットしたのは真美さんのおかげと、浅野さんは感謝の気持ちを込めて、真美さんの似顔絵をタオルの帯に乗せています。

夢は世界一の撚糸屋と言われること

そんな浅野さんに最後に尋ねました。人生で成功するために必要なことはなんだと思いますか?
返ってきたのは、「人のためだからじゃないかな。多分、自分のためだったら、とっくに諦めていたと思う」。その言葉には、中小企業としてオンリーワンの技術を磨く苦労が垣間見えました。

言葉はさらに続きます。「社員みんなが幸せで、世界一の撚糸屋だねと言われるのが夢です」。