第1話-2014年10月16日-

 京都市内の廃倉庫から、男性の扼殺死体が発見された。榊マリコ(沢口靖子)たち科捜研のメンバーは、現場から無数の銃弾痕を発見。倉庫には、少なくとも3丁の拳銃が持ち込まれていた事実が浮かび上がる。
 そこへ、経済犯担当の捜査二課・吉岡係長(手塚とおる)らが現われた。マリコたちは殺人現場になぜ二課が臨場するのか不審を抱くが、まもなくこの事件に巨額詐欺事件の容疑者であり、元ヤミ金融の構成員・成田幸也(本宮泰風)らが関わっていることが判明する。被害者の広瀬則文も、かつて彼らの仲間だったらしい。だが、現場にはもうひとり、謎の男の指紋と足跡が残されていた…。
 彼らが関わった詐欺事件とは、カリスマ投資コンサルタント・嵯峨根田輝(中村育二)が10万人近い会員から数百億円の金を集め、結局、破たんしたというもの。捜査の結果、マルチ商法まがいの詐欺だったことが暴かれ、会長の嵯峨根田は二課によって逮捕されたが、彼の右腕として暗躍していた成田たち幹部は強制捜査の前に姿をくらましていた。成田らを取り逃がした二課は失地回復に躍起になっており、藤倉刑事部長(金田明夫)は鑑定結果をすぐ二課に報告するようマリコに命じる。
 そんな中、倉庫で見つかったデータを復元したマリコたちは、まるで暗号のようなアルファベットと数字の羅列を発見。その謎を解く鍵を求めて、マリコは土門と共に勾留中の嵯峨根田を訪ねる。しかし、嵯峨根田は完全黙秘を貫くばかりで、まったく情報を得ることができない。
 困惑するマリコたちに声をかけたのが、嵯峨根田の弁護人・渋沢冬水(田中美里)だった。土門は、これまで弱者の救済に当たってきた人権派の冬水がなぜ稀代の詐欺師である嵯峨根田の弁護を担当するのか、訝しむ。だが、冬水は真実を明らかにし、詐欺被害にあった人々を救いたいからこそ、彼の弁護人を買って出たと打ち明ける。そして、彼女の協力により、謎のデータはスイスにあるプライベートバンクの口座番号であることがわかる。嵯峨根田は騙し取った数百億円を、その隠し口座に預けているものと推測された。
 さらに宇佐見(風間トオル)らが、殺された広瀬の部屋にあった化学物質を鑑定したところ、それらがプラスチック爆弾の原料であることが発覚。嵯峨根田が利用しているプライベートバンクは、預金した本人以外、たとえ捜査機関であってもその金を動かすことはできない。だとすると、成田ら逃走中の容疑者たちは数百億円を引き出すため、プラスチック爆弾と拳銃を使って嵯峨根田の奪還を計画しているのではないか…。
 嵯峨根田は翌週、最後の取調べを受けるため、京都地検に移送されることになっていた。マリコたちはその日、成田らが嵯峨根田を乗せた護送車を襲撃する計画を立てているとにらむが…!?

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