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自ら道を踏み外し、ザビーゼクターに去られてしまった矢車。いわば「カブト」の悲劇のヒーローともいえる男を、徳山秀典くんはみごとに演じてくれました。一見クールだけど、部下のために麻婆豆腐まで作ってしまう温かい心の持ち主。演じたキャラクター微妙でしたが、素顔の徳山くんは飾らない、会った人を楽しませてくれるタイプ。インタビューも笑いの絶えない、楽しいものになりました。
「仮面ライダー」に出てみての感想は?
徳山 きっかけは、僕が最初に「『仮面ライダー』とかやってみたいなぁ」とマネージャーに言ったら1週間もしないうちに「やってもらいまーす」って(笑)。
そりゃまた、すごい偶然というか。でも変身もしたわけですから
徳山 でも最初、ザ・ビー=蜂というイメージができなかったんですよ。だからアマゾンのようなすごいヤツなのかな、爬虫類系の、色もなんか紫とか、すごいのかな、と思ったんです。でも、イラストを見せてもらって、これはかっこいいと。そんないきさつだったんですが、最終的にはそれほど気負いもせず、芝居のことだけを頭に入れてやれましたね。
矢車って敵か味方か微妙な役でしたよね。
徳山 そうなんですよ。すっごく微妙にやっておかないと、最後にザビーゼクターに去られたときの落差がつかないなと。僕としては10話以降どうなるのか、という悩みもありましたし。とにかく最初は、印象に残るような、残らないような、カッコいいような、悪いような、そこらへんの中間をとるのにすっごく大変でしたね。
ということは、最後の資格を失うというところから役作りを?
徳山 そうですね。
最初はクールなイメージがあったけど…。
徳山 クールな感じですけど、クールに徹し切れていないような、かっこいいような、かっこ悪いような、頼りになるような、ならないような…。
監督さんから助言はあったんですか?
徳山 いやー、すっごいありましたね。石田(秀範)監督だったんですけど。僕の中でもすごく難しい繊細な芝居という中で、ものすごく助けてもらって。石田監督の中にはものすごくちゃんとしたコンセプトみたいなものがあったんです。それですごくサポートしてもらって、お前ちょっとかっこ良過ぎるぞ、とか。自分の中でのヴィジョンとはまた違ったところでちゃんと見ていてくれていたので助かりましたね。
クールかと思いきや麻婆豆腐作っちゃったりして。
徳山 そうなんですよ。すべてにクールでそれで部下がついてきたら、ただ単にクールなヤツでかっこ良くなりすぎちゃうんじゃないかと思って。なんかやさしかったり、クールだったり、そこらの微妙なところは監督と話し合いながら作り上げていきました。
今までのキャリアの中でもいい経験になったんじゃないですか?
徳山 そうですね。子供さんもいっぱい見ているわけですし、わかりやすいやり方とか、アフレコの問題とか、いろいろありましたけど、基本的にはお芝居という面では石田監督がすごくサポートしてくれたので。あとは自分の中でキャラができてきたので、自分からこうやりたいと言えるまでにはなりましたね。
アフレコで自分の変身を目の当たりにしたときの感想は?
徳山 正直、変身ではもっといろいろやりたかったんですが、その前にザビーゼクターに見限られちゃったので(笑)。
志半ばで…って感じ?
徳山 そうですね(笑)。
とりあえず出演を終えて、やり足らない感じはないですか?
徳山 10話で矢車は天道と認め合うんですよね。そこで自分の中のプライドがなくなった分、矢車想というキャラクターが固まり始めたんです。いわば、自分の中ではキャラクター像というのができてきた。例えば、天道は完璧にあこがれるような、才能の部分で飛びぬけた天才ですよね。矢車は逆に努力の天才だと思うんですよ。そこでプライドがはがれていい意味で、やっとかっこよく演じられるな、というところだったので…。
ところで水嶋くん、佐藤くんと共演しての感想は?
徳山 水嶋くんは……本当に変わった子ですね(笑)。なんかボーっとしているようで一生懸命。純粋な子なんですね。佐藤くんはすごい熱血漢、まさに加賀美のような男の子。今度、僕の住んでいるところの近くに越してくるというので、いっしょに遊ぼうって(笑)。僕の出演が終わったときに、2人が「ザビーで帰ってきてくださいね」って。僕としては、いやいや、ありがとう、という感じ。そこではなんともできないですからね(笑)。でも、彼らがしっかり芝居してくれたので、自分もやりやすくて役作りに徹しきれた、というのもあります。彼ら芝居にもしっかり集中して、やりにくかったら言ってください、と。一言でまとめるなら2人とも好青年という感じですね。
普段の徳山君ってどういう感じなの?
徳山 友達と遊びまくってますね。キャラクターとしては矢車想じゃないんですよね。実際は友達と街に出て、よっしゃーいくぞー、みたいな(笑)。
「カブト」以外の活動は?
徳山 映画撮影で青森に合宿ロケに行きますね。
ということは方言も?
徳山 その方言が大変で。「ライダー」ロケの途中でその映画のリハーサルがあったんですよ。そうしたらロケで1回(方言が)出ちゃって。スタッフ中、大爆笑。監督も冗談で青森弁使えって言うから、がんばんべえ、パーフェクトハーモニーで行くべやってやって、皆さんに笑っていただきました(笑)。
さてさて、徳山秀典としては将来どういう役者さんを目指しているのかな?
徳山 芝居に対していろいろ考えてきたんですが、嘘をつきたくない、なるべく心をこめるというのは当たり前ですけど、ふだんこんなしゃべり方しないだろう、というようなことはしたくないですよね。なるべくナチュラルに、ナチュラルにやりたくて。そこでぶつかる壁みたいなものはありますけど。心第一の芝居はしたいなと。それが自分の武器だと思っているんです。ただ、一つ会心のものをやってみたいな、とは思っています。それができたら役者やめられるな、なんてね(笑)。
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