2006/1/22
1年間、ヒビキ=響鬼として活躍してくれた細川茂樹さん。
これまでに何度か取材に応えていただきましたが、今回はいよいよ最後の取材となりました。
「最初にお話をうかがったのが昨日のことのようですね」というと「そうですね」とさすがに感慨深げだった細川さん。
いろいろなことがあったこの1年を振り返っていただきました。

なんだかんだで1年やりとげましたね。
細川 そうですね、『完全新生』で始まって『完全燃焼』で終われるという感じです。こういう経験は今までないし、この先あるかどうかもわからない。30代半ばでこういう気持ちになるというか、こういう仕事と出会えたというのは本当に大きかったと思います。

細川さんの場合「義経」と並行して出演されていたわけですが、「響鬼」は特別なものがあったのでは?
細川 「義経」はたくさんいる中の一人でしたから、自分の役割が明確ですよね。やっぱり主役というのは、どんなものでも自分のパートだけというわけにはいかない。単純なことだけど、自分が具合悪かったりするとものすごく回りが気を遣いますから。リーダーシップをとる難しさ、それをすごく感じましたね。

そういえば共演者の若い人も演技の相談をしたって言っていましたよ。
細川 あ、そうですか(笑)。そんなに相談されたかな?

水木(薫)さんも「細川さんは若い人の面倒見がいい」って言っていたし。気を遣われたんじゃないですか?
細川 特に若い子が多かったので、平等にしなきゃいけない。それとこっちが好き嫌いをもっちゃいけないですから。僕も若い頃こういう人がいたらいいな、とか、現場でこういう人が主役だったら良かったのにな、と思うことが多々あったりしたんですよね。だから自分の中でそれを思い出して、できるだけ若い子たちのために、楽しくできるでもいいし、安心できるでもいいし、何かあったらこの人に聞けばいいや、というよりどころ的な存在を作りたかったんです。

インタビューをして現場が仲いいというのはよく伝わりました。細川さんの力が大きかったのでは?
細川 いやいや、若いヤツには若いヤツなりのコミュニケーションの取り方があるだろうと思うんですが、僕は困ったときに来たらいいじゃん、と言ってましたけどね。楽しければそれはそれでいいわけで、悩んでいることがあったら、きたらいいですし。

現場をまとめなければ、という部分で大変だと思うことありましたか?
細川 僕が誰かに頼るという術はなくさないといけなかったですから。その不安はありましたね。この人がいるからいいだろうとか。「義経」のタッキーがね、松平さんがいたから、中井さんがいたからやれました、というようなことを言っていましたが、僕はそういう人たちがいないですからね。結構自問自答しながら進まなければいけなかったですね。

そんな現場のお仕事は抜きにして、細川さんが役者として1年間“変身する役”を演じたご感想は?
細川 「仮面ライダー響鬼」というか、「仮面ライダー」自体がもっとメジャーになる方法をいくつか見つけましたね。

そうですか、今以上に?
細川 はい。

というと……。言ってくれます?ダメ?
細川 それは言えないかな(笑)。いくつもありますよ。それをするかしないか、でもっと変わりますね、多分。僕はプロデューサーでもなければ、ディレクターでもないのであえてそんなおこがましいことは公には言えないですけど、やっていてもっともっとできると思ったなぁ。

そ、そうですか…。ところで最終回なんですが…。
細川 台本読まれただけですよね?見ていただかないとわからない部分あるんですよ。ぶっちゃけて言うと台本のままではない部分があるので。

そうなんですか?
細川 台本に間に合わなかった部分があって、現場で多少相談したんです。そのかわり、みんな納得のいく映像がとれたと思います。結構いいラストなんじゃないかな。

僕がラストシーンを読んだ印象だけで言わせていただきますと…。
細川 あれは忘れた方がいいですよ、ホント(笑)。

それじゃあ話になんないじゃん!
細川 話になんないんですよ、申し訳ないけど(笑)。

いずれにしてもまだ続いてほしい、という声も多かったですよ。
細川 すごくシビアな言い方しちゃえば、そこが合格点だったりするんですよね、「もっと見たい」と言われるうちが華ですよ。どうなるんだろうと想像力をかき立てていただければ、僕らも満足させた感を得られる感じです。

さて、役者・細川茂樹も06年から新たな道へ一歩踏み出す感じですね。
細川 日本的ないい言葉で「地に足つけて根を張って」という言い方ありますけど、僕はそれじゃだめだと思うんです。雲のようにふわふわして流されなきゃいけない、流されるという言葉は変かもしれないけど、流れていかなきゃいけないと。でないと柔軟性をもてないと思うんです。僕はそういう意識がすごくあったから「響鬼」のオファーも受けられたと思いますし。今後もやっぱりいいボールが来たときに見送らないようにしていくだけです。僕はこうしたい、こういう役がやりたいと言っても、もう基本的に受け身ですからね、役者というのは。オファーが来て受けるか受けないか、ということですから。

いろいろな役をする細川さんが見たいですね。
細川 ひとつネックはね、「響鬼」をやったおかげで、例えば極悪な犯人とかはできないかな、と。役者としてはすごく面白いんですよ。サスペンスの犯人役とか。ものによってはひかれるものがあって好んでやってきたんですけど、しばらくは封印かな、と思っています。気にすることはそれぐらいかな、あとは積乱雲になったり、ふわふわしてますよ(笑)。

では、最後に最終回を見終わった方にメッセージをお願いします。
細川 月並みですけど、大勢のファンの方の意見とか、劇場版、イベントに足を運んで下さった方々、グッズを買っていただいた方々、そういう方々に支えられて「響鬼」は成り立っていたと思うんです。ヒビキだけじゃなくてね、イブキにしてもトドロキにしてもザンキにしても本当にみんながキャラクターが立って、ある意味どこからでも見られるし、どこからでも魅力ある作品になっていたと思うんですよね。そういう作品を作ってくれたのはファンだと思っていますし、そこに僕は乗っかることができたというか。それには本当に感謝しています。時に「響鬼」のことを思うあまりぶつかったときもありますけど、そういうことも寛容にしてくださった方々も大勢います。ましてや1年間追い続けてくれた方々、みなさんあって成り立っていた番組だと痛切に思っていますので。そこで僕がキャストの一番上に置いてもらったというのは一生忘れないでしょうね。皆さんのご要望があれば、出勤できるように(笑)鍛えておきます、ということですね。

本当に1年間ご苦労様でした。
細川 いえいえ、一番身近で応援して下さったテレビ朝日さんのホームページには一番感謝しています。若い子たちもそう思っていると思いますし、キャストを代表して御礼を言います。ありがとうございました。
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