1月20日

スタジオ :

吉澤一彦アナウンサー
武内絵美アナウンサー


  今村千秋(コメンテーター室

ゲスト : 水越伸・・ 東京大学大学院情報学環 助教授
「メディアリテラシー」の実践・研究を行う。

【放送内容】

「メディアリテラシー」の3回目。
実際の学校現場での取り組みについてお伝えしていきます。

 「メディアリテラシー」とは・・・

新聞・テレビ・・・等の「メディア」からの情報を一方的な受け手」になるだけでなく、メディアの仕組みや現状などをよく知り、情報の選択をする能力を身につけること。

現在の教育現場では、「関心のある教師達が、行っているのみ」というのが現状であり、「しくみ」としてしっかりした形にはなっていない。
また、それぞれの現場でも手探りの状況である。
(水越氏 談)

「メディアリテラシー教育」の必要性が問われているなか、総務省が学校教育のお手本となる教材VTRを作り貸し出しをしている。

「教材VTRの貸し出し」
関東総合通信局 放送部放送課
電話 03−3243−8685
教材は「高校・中学・小学生」用の3種類。

例:「うっきうきテレビたんけん」(小学校低学年向け)
キャラクター人形を使い「クロマキー」や「CG効果」などについて説明をし、テレビは実際にあり得ないことも作り出すことが出来ることを説明している。

「クロマキー」 異なった2つの映像を合成して1つの映像にする演出手段。
ブルーの幕の前の人形と実際の空の映像を組み合わせ「実際に空を飛ぶ人形」を画面上に作り出すようなことができる。
「CG」 コンピューターグラフィックの略。


子供は「映像」について詳しいと思われがちだが、実際のところ、環境によってその知識にはばらつきがある。
したがって、
「基本から」という理念に基づき、制作されている。
「メディアリテラシー」を考えるためのスタート地点の教材と考えることができる。
(水越氏 談)

 

 実際の教育現場

「映像教育」を伝統的に行っている学校がある。

東京・世田谷区にある
成城学園初等学校 85年の伝統。
創立以来、学校独自の実験的授業を取り入れてきた。
「劇のじかん」「写真による表現活動」など。
1947年から始まった「映画の時間」という授業を
1975年「映像の時間」に変更、現在に至る。

「映像の時間」の実施

技術の習得、
クリエーティブな力をつけること、映像の読みとり能力をつけ、判断する力を身につけることを目的としている。
(校長 談)

「映像の時間」では、クラスが数班に分かれ、ストーリーつくり、撮影、映像の出演から効果スタッフまでを全て自分達でこなし、作り上げていく。
先生は、機材の説明や小道具の準備など、あくまでもサポートのみ。
できあがった作品は、みんなで視聴し、意見の交換を行う。

現在では、校内放送も生徒達が担当。(5〜6年生のクラス担当)
年間24本の作品を放送している。
企画から放送まで全てを生徒達が運営している。
企画は様々。街頭レポートあり、スタジオあり。

最初は、自分達が映っているだけで喜んでいた生徒達が、回を重ねるごとに「演出の効果」を考え始めるようになる。
映像で表現できる楽しさや可能性などを感じ取っているように思う。
(担当教師 談)

この学校は、このようなことを伝統的に続けている。
指導も良い形で継承してきていると思う。
良い点は、大仰なことをするのではなく、「映像を作ることの楽しさ」を子供達に教えている。
このような事が、他の学校にも良い影響を与えることを期待したい。
(水越氏 談)

 

 模擬授業

都立江東商業学校:近藤 聡先生(国語科)

高校の授業を参加者が体験する試み。
参加者は、20数名。職業は学校の先生ほか、さまざま。
教材は「2000年、大晦日のNHKニュース」
このニュース項目の放送順位を「自分の考えで決める」というもの。あとで発表をし、全員で意見交換をする。
この授業で「社会的な価値」の基準とは何か等を考えることができる。

模擬授業が終わった後、この授業についての検討会も行われる。

この模擬授業の意義は、模擬授業が終わってからの討論会で、授業の問題点をチェックできる。
また、いろいろな職業の人が意見交換をすることにより授業の幅がひろがる。
授業にニュースを取り上げることにより、受講者がテレビ局の色合い、主義主張が違うということを知り、ただ批判するのではなくいろいろな意見を拾える様になれることにある。

また、社会的な価値基準には絶対がない。
したがって、ニュース報道の仕方に違いがあのも当然である。
そのメッセージが、この授業の中には入っていると思う。
このようなかたちで「メディアリテラシー」を考えていってほしい。
(水越氏 談)

 

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