1953年(昭和28年)に放送が始まったテレビは、日本の高度経済成長と共に急速に普及台数を伸ばし、巨大メディアへと変貌を遂げました。
「戦後70年」を迎える今、スペシャルゲストを迎えて、テレビが果たしてきた役割を振り返り、現在、そしてこれからのテレビについて考えていきます。
シリーズ「テレビと戦後」。第1回目は、テレビ草創期から演出を手がけ、「テレビとは何か?」を問い続けてきた演出家の今野勉さんに2週にわたってお話を伺います。
前編となる今回は、今野さんがTBSに入社した1959年(昭和34年)当時のテレビ制作現場や、その後「七人の刑事」などのドラマを演出しながら、テレビならではの表現方法を模索していた1960年代の話を中心にお聞きしていきます。
トークテーマ
・皇太子御成婚パレード中継の舞台裏
・AD時代に創刊した同人誌「dA」の意味
・「七人の刑事」で描いたもの
・「テレビと大衆」(「一億総白痴化」とテレビ芸術論の狭間で)
【今野勉さん プロフィール】
1936年秋田県秋田市生まれ。1959年ラジオ東京(現TBS)入社後は、ドラマを中心に演出を手がけ、「土曜と月曜の間」では日本の番組初のイタリア賞を受賞。当時の人気ドラマ「七人の刑事」では独自の演出方法で注目を集める。
1970年TBSを退社。番組制作会社「テレビマンユニオン」創立に参加し、その後も数多くのドラマ、ドキュメンタリーを演出。
【主な演出作品】
「遠くへ行きたい」 |
(1970〜76年) |
「欧州から愛をこめて」 | (1975年) |
「ああ妻よ、泣くのはあした」 | (1987年) |
「真珠湾奇襲〜ルーズベルトは知っていたか」 | (1991年) |
「こころの王国〜童謡詩人金子みすゞの世界」 | (1995年) |
「鷗外の恋人――百二十年後の真実」 | (2010年) |