● ● ● ● 1月25日 ● ● ● ●

司会 吉澤 一彦 (テレビ朝日アナウンサー)
本間 智恵 (テレビ朝日アナウンサー)
ゲスト 友寄隆英(編成制作局制作1部 「よゐこの無人島0円生活」 演出)

【放送内容】 「よゐこの無人島0円生活の舞台裏」
テレビ朝日のスペシャル番組として人気の「よゐこの無人島0円生活」
無人島で、食料も完全現地調達、2泊3日のサバイバル生活を行います。
しかし、人気番組の裏には、企画から撮影まで、番組そのまま、まさにサバイバルな、
スタッフの努力と情熱がありました。今回は、制作現場に密着!
「よゐこの無人島0円生活」そのロケに入るまでの準備をご紹介します。



スタジオ1

吉澤)
「よゐこの無人島0円生活」どんな番組なのでしょうか?

友寄ディレクター(以下D))
ストレートな企画ですが、タイトル通り、無人島で0円で、生活するという企画です。
ただ、何もないと生活できないので、調味料とかガスコンロなど
必要最低限のものだけ持ち込んで2泊3日生活するという番組です。



VTR1

「よゐこの無人島0円生活」。まず、最初の疑問。どうやって、無人島を決めているのか。
その疑問を解き明かすため、スタッフルームを訪ねました。
すると、担当の友寄ディレクターがパソコンを覗きこんで、何やら検討中。
島のガイド本、「SHIMADAS」(シマダス)を参考に候補を選んでいました。
しかし、日本にある島は1000以上。
その中からロケ地を選ぶポイントは、3つあります。
1つ目は、魚、木の実などの食材があること。
2つ目は、伝説や言い伝え、変化に富んだ地形など島を特徴付けるものがあること。
そのため、地元で聞いたり、資料館を訪ねたりと綿密な調査を行います。
3つ目は、当然ですが、ロケの許可が下りる島であること。地域によっては、
魚を獲ったり、植物を採集することが禁じられていることがあります。
撮影許可をもらい、規則に従ってロケは進められています。
こうして100くらいの島に絞込んでいきます。
さらに3〜5島の候補が決まると、スタッフは一泊二日のリサーチへと向かいます。


スタジオ2

吉澤)
1000島から100島に絞り込む、でも資料だけではわからない。
現場に行ってみないとわからないということですか。

本間)
島を選ぶ上でのポイントは?
まず一番大切なのは、食材があるかどうか。要はそれがないと、
2泊3日、空腹なだけで終わってしまいます。

吉澤)
「シマダス」という本にはその辺りは書いてあるのですか?

友寄D)
書いていないです。
ただ、ずっとこの番組をやっているので、島の形で魚がいるかどうか、
標高などでわかります。

吉澤)
それってすごいことなのですね。

友寄D)
あとは許可関係が取れるということですね。
県の許可、市の許可、漁協の許可、その他ローカルルールがある場合もあります。
さらに海上保安庁の許可もとります。最低でも4つ、こうした許可を事前に100%取ります。
それが取れないと、ロケは、絶対に行いません。



VTR2

長崎県のとある島。友寄ディレクターたちは、地元漁協などの許可と協力を得て、
実際に島へと向いました。まず、船から島を一周、撮影に使えるかどうか、
調査を行うのです。大型船が近づけないため、さらに小船に乗り換え、
浜を探して島へ近づきます。上陸後早速、調査を開始。
友寄ディレクター、さっそく何か発見しました。近づくと、流木。
家作りに欠くことのできない、重要なもの。
今夜は、AD(アシスタントディレクター)と2人島で一泊。ベースを決めると、まずは、石を積んで焚き火の準備。
過去のロケ下見では、海が満潮で島に渡れず、スタッフは裸になって島へ上陸しました。撮影本番で同じ場面に遭遇した、よゐこたちは…
持参したドラム缶で上陸を敢行するも!?渡れず海の中へ落下。
このようにスタッフが事前に体験しておくことで、本番の際、どういう面白いシーンが
撮れるか、予想できるのです。
ある程度、調査が進むと、友寄ディレクター、今度はスケッチブックに、島の地図を書き始めました。
下見は一泊二日。限られた時間で出来る限り島中を回ります。
今度は、さっき見つけた石垣の上です。そこには人工的な痕跡がありました。
本番でもここは重要なポイントになる可能性が。
調査の結果はスケッチブックの地図に書込み、島の全体像を明らかにしていきます。
次は、水中。水中カメラを準備し、ウェットスーツに着替えて海の中を調べます。
本番さながら、モリを用意しての素潜り。
11月末の冷たい海。ADも水中カメラ片手に続きます。
過酷な海で、実際に魚が獲れるか、何度も潜ってチャレンジする
友寄ディレクター。海のシーンは、番組の目玉。もし、よゐこならどう行動するか?
それをイメージして、何度も潜りました。
しかし、収穫は0。魚がとれない島では、撮影できない。そこで・・・。
午後9時。海は干潮。真っ暗な闇の中、2人は魚の姿を求めて、海へ向いました。
魚の姿を求めて、再び水中へ。魚たちも寝ている夜は、獲物を得るには絶好のチャンス。約一時間潜り続けて、いました!見事、「とったどぉー!」
その後は、次々、大漁です。
友寄ディレクター、夜に潜れば、魚が獲れることがわかり、一安心。
ほっとしたのか、焚き火の脇で、ぐったり。しばし、休憩です。
ほどなくすると夕食の準備。下見とは言え、本番同様。水と調味料だけを持参し、
後は、獲れた魚と野の草だけが材料です。午前1時。料理ができあがり、
流木を使ったテーブルにメニューが並びました。
無人島に上陸してはじめて、15時間ぶりの食事です。寝袋ひとつで就寝。
午前3時。こうして、なが〜い、下見の一日は終了。お疲れさまでした。




スタジオ3

吉澤)
スタッフが事前にやっている、冷たい海を経験し、魚が獲れる、獲れない、
全部経験した上で、この島へ、と言っているわけですから、
よゐこの2人は文句を言わないのですね。
出来上がった地図をお持ち頂きましたが、ここまで細かく作り上げるものなのですね。

友寄D)
島に行ったらわかると思うのですが、地形とか全部おぼえられないのですよ。

吉澤)
初めていく場所ですからね。

友寄D)
しかもその前に100島近く見ているわけじゃないですか、一緒になっちゃって
何も覚えられないので、絵にするのです。

吉澤)
この絵があるから、生きていける、みたいな感じですか?

友寄D)
これがないと、帰れなくなってしまいます。色々なポイントがあるので。

吉澤)
昔からダイビングは得意だったのですか?

友寄D)
いいえ、ダイビングも素潜りもやったことがなかったです。
9年前くらいに、よゐこの濱口さんとこの企画を立ち上げたときに、
一緒に海に入らせてもらって。そのときは水中カメラマンも僕がやっていたんですよ。
でもまったく潜れなかった。1メートルも。
最初獲った魚が、「ベら」って小さな魚だったのですが、それを獲るのにも、5時間くらいかかりました。

吉澤)
その時は魚のことも詳しくなかった?

友寄D)
全然わからなかったです。

吉澤)
何でそこまで?演出家魂ですか?

友寄D)
番組スタッフ、皆で考えているのは、ロケの準備をしっかりとして、
出演者が入ったら、絶対面白くなるような場所を用意する。
あとは出演者にすべてまかせよう!という撮影スタイルなのです。



VTR3

下見から一ヵ月後の12月下旬。友寄ディレクターは、島を目指す船の上。
いよいよロケ本番です。今回は、技術スタッフなど、総勢30名の大所帯。
これだけ大勢の人間と4トン近くにもなる撮影機材が、小船で上陸するのですから、
大騒動。波に揺れる中、やっと機材を浜に揚げました。
そして番組名物、伝統の荷物リレー。スタッフ全員が一列になって、
荷物をベースになる場所まで運びます。およそ3時間かかるこれが重労働。
ベースキャンプを構えたのは、上陸地点とは反対の島の裏側。
何が起こるかわからない、よゐことスタッフのガチンコ勝負。どんな状況も逃さないよう、
カメラ8台というスポーツ中継なみの規模で撮影します。
島には電源がないため、用途別に発電機も持参しました。
ベースが島の裏側にあるのは、よゐこにスタッフの姿を見せないためです。
だからこそ番組はリアルになるのですが、その分、準備が大変。
50メートル以上のカメラケーブルなどが張られ、さらにそれをパイプで一まとめにして
保護する念の入れようです。ようやく機材に電源が入り、ここからさらにカメラやマイクなどの調整とセッティングが行われます。
午後7時。この日の準備は、ここで終了しました。島へは少数のスタッフを残して、いかだで、撤収です。
ところが、友寄ディレクターは・・・なんと、夜の海に潜るというのです。
下見の際、潜った場所の潮が、予想以上に渦巻き危険なため、
他に安全なポイントを探すことと、水中カメラのテストが目的です。
そんな友寄ディレクターのために、陸ではADさんが、ドラム缶に海水を運んでお風呂の準備。
約1時間たって、暗い海からようやく友寄ディレクターが戻ってきました。すぐさまお風呂へ。
温度がわからないほど体が冷え切っていましたが、安全な良い場所が確認できて一安心。
翌日、強い風の中、準備が再開されました。本番まで、あと一日。
撮影に使うカメラは8台。そのうち、なるべく自然な様子を撮影するため、
カメラを固定したまま、無人で撮影する定点カメラが4台あります。
本番時、その映像は、遠く離れたベース基地のモニターでディレクターが常に確認します。
2泊3日、カメラは72時間回りっぱなし。こうしてスタッフも一緒の、サバイバルロケが行われるのです。



スタジオ4

吉澤)
固定カメラを多用することで、よゐこはカメラを意識しないということなのですね?

友寄D)
カメラというよりは、どちらかというと、人、スタッフかもしれないですね。

吉澤)
人を意識させない?

友寄D)
ベストなのは、無人島に100台くらいカメラを用意して、
船の上から収録したいくらい。しかしそれが出来ないので、
ベースキャンプを、よゐこが絶対来ない島の裏側に設置し、いざ、よゐこの2人が
入ったときに、無人島で2人で自然に生活している様子を撮影したいのです。

吉澤)
ちなみにスタッフは交代制ですか?

友寄D)
いいえ、撮影が始まってからは、そのままです。
スタッフ、カメラマンがよく寝てしまうのですよ。

吉澤)
寝るって、カメラを回しながら?

友寄D)
そうです。無人島名物“寝撮り”って言われています(笑)
寝ているのに、パーンとかズームしたりしています。

吉澤)
無意識のうちに、良い映像を撮っていると?

友寄D)
いいえ!全然良い映像じゃない!!(笑)
絶対に使えない、けれど熱い画なのです。

吉澤)
必死でやっていると?

友寄D)
はい。ですから、たまにその映像を番組で使います。(笑)

吉澤)
最後に見どころを。

「無人島0円生活」今まで9回やっていますが、
間違いなく、今までで一番面白いと思います!

吉澤)
ありがとうございました。



●テレビ朝日開局50周年記念特別番組
 「よゐこの無人島0円生活」
 2月1日(日)よる6時30分より放送









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