● ● ● ● 11月16日 ● ● ● ●

司会 吉澤 一彦 (テレビ朝日アナウンサー)
本間 智恵 (テレビ朝日アナウンサー)
ゲスト 小林一枝(放送番組審議会事務局 担当部長)

【放送内容】 第14回 PROGRESS賞
「PROGRESS」進歩・向上・成長を意味する賞が10月23日、
岩手県花巻市で開催されたテレビ朝日24社の「系列番組審議会代表者会議」で発表されました。
この賞は、テレビ朝日系列24社の番組審議会委員が、放送番組のより一層の質的向上と、
系列各局の制作力向上を目的に制定されたもの。 今回は厳選な審査を経て、
選ばれた2007年度の優れた作品4作品を紹介します。



スタジオ1

吉澤)
「PROGRESS賞」について、ご紹介頂きたいのですが。

小林)
系列全社が参加し、ジャンルを問わず、前年度に放送された番組の中から、
1作品をエントリー。全24作品からの選考。各社番組審議会委員による ブロック別、
全国の2段階の選考。最優秀賞1作品 優秀賞1作品 奨励賞2作品を決定しました。



VTR1

●奨励賞 名古屋テレビ放送制作
メ〜テレドキュメント「幻の第13話 〜翻弄された中国報道〜」


32年前、名古屋テレビは、世界に先駆け、中国単独取材に成功、
「中国の顔」全13話のシリーズを完成させますが、最終回第13話は、放送されませんでした。
それはなぜだったのか、当時の中国報道の問題点、メディアの役割について、 自己検証していきます。

●奨励賞 秋田朝日放送制作
テレメンタリー2007「命の教室 〜8万匹の捨て犬を処分した男の出前授業〜」


秋田県動物管理センターに勤務し、38年間で、8万匹もの捨て犬や捨て猫の処分を おこなってきた職員が、
その痛みから、子どもたちに「命の大切さ」を伝えようと する姿を追ったドキュメンタリー。



スタジオ2

本間)
子どもたちも真剣な表情で聞いていましたね。

吉澤)
動物を捨てるのは人間のエゴですから。

小林)
子供たちが作文で「ごめんなさい。私が代わりにあやまります」という部分は、
胸にギュっときてしまうのですけど、命の大切さをひとつの事実を通して、
しずかに確実にひとりひとりに届かせている作品です。
普段あまり表に出ないテーマから、生きている意味を追い求める姿勢、
つまり保坂さんの姿勢をうったえて感動を呼んだ作品です。

吉澤)
奨励賞、名古屋テレビ放送
「幻の第13話 〜翻弄された中国報道〜」こちらは?

小林)
「報道の中立」とは何なのかを、メディア自身、自局自身が過去の報道番組を
振りかえって作品を作ったということ、なぜ放送されなかったのか、それを再検証して、
報道の姿勢を再認識しようというそのあり方が評価されました。



VTR2

●優秀賞 広島ホームテレビ「炎の記憶 革命家が見たヒロシマ。そして…」

キューバでは、広島に原爆が投下された8月6日を特別な日として、
今も、原爆の被害が語り継がれています。番組は、そのきっかけとなったことを調べ、
チェ・ゲバラという一人の革命家の来日という、 知られざる歴史を掘り起こしました。



スタジオ3

吉澤)
広島ホームテレビ「炎の記憶 革命家が見たヒロシマ。そして…」は、
キューバで、広島に原爆が投下されたことの教育が、行われていることにも驚きましたが。

小林)
今回の受賞理由は、一見、関係ない国で“広島”の思想が受け継がれていること なんですね。
“原爆の残り火”が、福岡県の星野村という所に残されているのですが、
それがキューバへ運ばれることをきっかけに、この番組は企画されたのですね。
そういう中で、着目点、“広島”の思想が、キューバに受け継がれているという
意外性が興味深いということ、それから時代検証、当時の人達のコメントを
丁寧に集めているということ、そして、貴重な映像も出てきて素晴らしい
ということで、選ばれました。



VTR3

●最優秀賞
琉球朝日放送 「消したい過去 消せない真実 〜文科省 疑惑の教科書検定〜」


2008年度から使用される、高校歴史教科書の太平洋戦争 沖縄戦の説明から、
「集団自決が日本軍に強制された」という部分が削除されました。これまで、 20年以上、
定説として書かれていたものが、なぜ、今になって書き換えることに なったのか。
番組では、教科書改訂がどのように行われ、またその判断の背景に あるものは何か、
教科書検定の問題点に迫っています。



スタジオ4

吉澤)
最優秀賞、琉球朝日放送制作 「消したい過去 消せない真実 〜文科省 疑惑の教科書検定〜」は、
まさに去年、大きなニュースとなった、教科書検定問題に、 鋭く切り込んだ内容が評価されたようですが。

小林)
そうですね。教科書検定問題を検証していって今後の課題にしています。
こういった緊急課題に、真正面から取り組んでいる。
それと、問題提起がはっきりしていて、アピール力が強い、 検証を大変丁寧におこなっていて、
説得力がゆるがないこと、 などが評価されました。

吉澤)
“集団自決”は、沖縄県の人が当事者ですから、地元の放送局が声を上げなければ
しようがないだろうと。それこそ、「声を上げるのは私たちなんだ」という気持ちが
この作品を生み出したのでしょうね。

■第14回PROGRESS賞 最優秀賞

「消したい過去、消せない真実〜文科省 疑惑の教科書検定」
2009年1月13日(火)午前10時30分より放送予定






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次回の放送は、11日30日(日)の予定です。