● ● ● ● 7月22日 ● ● ● ●

司会 吉澤 一彦 (テレビ朝日アナウンサー)
島本 真衣 (テレビ朝日アナウンサー)
ゲスト 有地哲彦(人事局人事部)

【放送内容】

「テレ朝ルーキーズ ただいま研修中!」
今年4月、テレビ朝日に、35名のフレッシュマンが入社しました。
第50期という節目の年、入社式では、若さあふれる誓いの言葉が続きました。
新入社員は、2ヶ月間の研修を経て、6月に正式配属。
今は、それぞれの部署で実務研修中です。今回は、その奮闘振りをご紹介します。


スタジオ1

吉澤:
今年の新入社員は35人ということですが、どれくらいの応募があったのですか?

有地:
エントリーというのですが、約1万2千人の方が応募ありました。
アナウンス部門は別で約3千人の方のエントリーがありました。

吉澤:
今年の採用の基準のポイントはどんなところに?

有地:
まずはテレビへの熱意を持てる人、観ることはもちろんですが、
テレビを仕事として熱意を持って挑戦してくれるという人ですね。


VTR1 新人ADと美術デザイナー見習い

細川大輔さん。配属されたのは、バラエティーの制作一部。
今は、先輩の指導でアシスタントディレクター(AD)修行中。
担当は、青木さやかさん出演のバラエティー、「美しき青木・ド・ナウ」
深夜のテンポの速い番組だけに忙しさも二倍、三倍。この日は、番組収録。新人AD、
朝一番の仕事は、弁当の受け取り。
出演者の控え室に、弁当を準備するのは、AD修行、イロハのイ。
飲み物も用意し、出演者が気持ちよく撮影できるように気を配るのは、大切な仕事です。
続いては、制作スタッフが使用するカメラの準備。
今日は外で撮影のために、バッテリー、テープを多めに用意しました。
ここで問題が発生!直前になって取材先の予定が変更。
急遽、台本をコピーし直し、ところが!
急いでいるのに、機械のトラブル。まさに、泣きっ面にハチ。気持ちだけが焦ります。
なんとかコピーを終えると、ディレクターのもとへ急ぎます。

撮影場所にいるディレクターに届けると、先輩ADが、すでに手配をすませていました。
細川さん、ガッカリ。
気を取り直して、ADの七つ道具をつめたバックを腰に、いざ本番です。
番組のオープニングの撮影が始まりました。
この日のテーマは、青木さやかさんがブログの中で紹介している店を、本人には告げず
訪ねるというドッキリ企画。
大声で笑って、現場を盛り上げるのも、AD、基本のお仕事。で、撮影が終われば、
思い切り、拍手!
オープニングの撮影が終われば、すぐに移動。細川さん、カメラの機材を担いで、
バスへ乗り込みます。サロンバスは、出演者用。
移動中も撮影があるため、マイクロバスと計4台に別れて向います。
そのため、準備も忙しい。

移動中は、サロンバスを外からも撮影。
細川さんは・・・と、いうと、電話中。現地でスタンバイしている先発スタッフに、
現在の状況を電話連絡。
恵比寿のとあるエステサロンが、最初の店。先輩のADから、持ち場の指示を受けると、
機材を現場に運びます。
今度は、下で待つ制作スタッフへの伝言。
いよいよ本番、出演者をエレベーターの中へ案内すると、細川さんは外で待機。
終了時間に合わせて、サロンバスが到着しました。すぐに出演者が乗り込み、
再び、撮影しながら、次の現場へ。
二軒目の店は、渋谷にある楽器店。ここで、青木さやかさんに、
なんとかピアノを買わせようという企画です。
青木さん、ピアノの腕を披露し、撮影は盛り上がっていきます。
撮影が終わって、局へ戻る車の中で、疲れが出たのかぐっすりと眠る細川さん。
新前ADさん、お疲れ様でした。

セットや小道具を担当する美術センターの配属は、小谷知輝(しき)さん。
そして、近藤千春さん。と、女性2人。
美術センターでの研修は、生放送の手伝いと、先輩の書いた図面を模写が日課です。
セットデザイナーを目指す2人にとって、先輩の図面は教科書。

この日は、「愛のエプロン3時間スペシャル」収録のお手伝い。
ゴールデンタイムの番組ともなれば、美術スタッフだけでも80名の大所帯。
転換とは、セットを変えることですが、何度もあるため、丁寧な打ち合わせを行い、
段取りを確認していきます。
小谷さんたちは、番組の中で使う電子レンジや
調理器具の出し入れを手伝うことになりました。
カメラリハーサルが始まり、スタジオに緊張が走ります。
番組のセットデザイナー、玉置さんに促され、2人はモニターを見ることに。
思い描いていたイメージとのズレ、セットの不具合、などを
リハーサル中に確認することが大切だと、玉置さんは教えているのです。
リハーサルが終わり、いよいよ本番に向けたセットチェンジですが、まさに時間との勝負。
スタッフが慌しく走り回る中、呆然と見ている2人。
美術は、持ち場、持ち場にプロがいる。現場の厳しさに、やはり圧倒されています。
大きな声で怒鳴られ、慌てて運ぶ2人。

いよいよ本番の始まりです。番組は盛り上がっていますが、美術は、これからが戦場。
料理シーンが終わると、セットチェンジ。2人も、すぐに調理器具を片付け。
スタッフが手際よく、セットを片付け、新たなセットを組んでいきます。
2人も、その中で、必死にお手伝い。この日は、料理対決が2回あるため、
その度ごとにセットチェンジが行われます。
本番開始から6時間。小谷さんにとって、あっという間でした。



スタジオ2

吉澤:
バラエティのADとなった細川君、早稲田5万人の頂点に立ったという
割りには、いざ現場で見てみると表情がなかったですね(笑)

有地:
汗だくでしたね(笑)
バラエティを志望してくる学生の方たちは、面白い方が多いのですが、
その中でも彼はユニークなキャラクターの持ち主でした。
早稲田王というのは、学園祭の企画らしいのですけど…
今でもよく分からないのですが(笑)
面接のエントリーシートでも、それを前面に押し出してきて
それ一本でここまできたという、学生でした。
しかしVTRを見る限りは、まだまだ駆け出しのADということで、
ここを乗り越えないと一人前にはなれないかなと思います。

吉澤:
美術の小谷さんと近藤さん、まだ現場で右往左往しているという感じでしたが。

有地:
そうですね。美術のエントリーはそれぞれ作品を提出してもらって、
それをデザイナーが見ながら面接し判断していくとことになりました。
今見る限りはまだお客さんという感じでしたので、早くプロの一員になれるよう
頑張ってもらいたいです。


VTR2 報道カメラマン見習いと新人アナウンサー

報道局映像センターに配属されたのは、伊井健太(いいけんた)さん。
映像センターとは、ニュースの最前線を担う報道カメラマンなどの部署。
とはいっても、伊井さん、もちろん未経験。1どころか、0からの勉強です。
先生は、入社12年目の中堅後藤カメラマンです。これから3ヶ月、
マンツーマンのカメラマン教育が始まるのです。

カメラマン配属と聞いて驚いたという伊井さん、実は政治記者志望でした。
そんな伊井さんですが、今は、カメラマン見習いとして街を撮影する練習中。
一日3回、これを毎日繰り返します。
今回の課題は、「六本木の暑さを表現する」映像の撮影。被写体も構図も、当然、
自分で考えなければなりません。
この日は、梅雨の中休みの“夏日”とはいえ、暑さを表現する映像となると、
なかなか難しい。悩む伊井さん。
そして、思いついたのは、六本木ヒルズから交差点へと振り下ろすという構図。
しかし残念、人影がまばらでした。
撮影時間が終了。局へ戻って、伊井さんが撮影した映像を見ながら、後藤さんが講評するのですが、
伊井さん、この瞬間が辛い。1カットごとに厳しいコメント。
六本木ヒルズから交差点を狙って、人がガラガラでは、何を伝えたいのかわかりません。
そう指摘され、伊井さん、がっかり。

研修期間は、お昼も先生と一緒。
ご飯を食べながらも、厳しいノルマが課せられます。
伊井さん思わず、喉が詰まって…
昼食もそこそこに、今度は近くの公園へ。ここでの課題は、「夏の昼下がりの公園」
暑さと昼下がりの雰囲気をどんな映像で見せてくれるのか。
テーマにぴったり、絶好の母と子を見つけました。
しかし映像を見ると、親子のふれあいをどう表現したいのか、よくわかりません。
次に、公園の木に目をつけた伊井さん。
全体を撮影することに気をとられ、木漏れ陽や、木の枝で休む鳥たちに
気付きませんでした。
さらに、伊井さんの悩みは、カメラがブレること。
後藤さんがお手本。棒が一本、通っているような安定感があります。
伊井さん。何かが足りない。先生のようにカメラをらくらく扱うのは、
まだ先のようです。

今年、アナウンス部に配属されたのは大西 洋平(おおにしようへい)さん。
そして、小川彩佳(あやか)さん。野上慎平(のがみしんぺい)さん、以上の3人。
3人は、配属後、3ヶ月間、みっちりアナウンサー研修を受けている真っ最中。
松井康真アナウンサーが講師の研修は、「ニュース原稿の読み方」
これは基本中の基本。松井アナウンサーの赤く書き込まれた原稿が、
下読みの大切さを物語り、プロの厳しさを知る一瞬です。

リポートの基本。「情景即時描写」
これは表現力を鍛えるもの。各自、渡された写真の内容を、どう伝えるかが課題です。
講師は角澤照治アナウンサー。
リポートの後に、その写真を他の2人に見せると・・・
うまく伝わりきらなかったようです。

そして「インタビュー実習」講師は、大熊英司アナウンサー。
新人同士お互いにインタビューし合うのですが、聞きたいことをどう相手から引き出すか?
苦労しています。
言葉というものが、どれだけ難しいものなのか、徹底的に叩きこまれます。



スタジオ3

吉澤:
まずは伊井カメラマン、最初からカメラマン志望だったのですか?

有地:
元々はガチガチの政治部記者志望だったのです。
ただ、ディレクターとか、記者の仕事は、映像があって初めて成り立つ仕事ですから、
カメラを経験することは、後々強い武器になると思うのですよね。

吉澤:
野上君はアナウンサー経験が、まったくない人間ですが。

有地:
3人それぞれ特徴があり、アピールポイントを持っていました。
アナウンサーとして活躍していくための、違う武器を持っていたんですけど、
野上は“しゃべる経験”がまったくないまま、勢いでここまできてしまったわけですが、
それでも我々に勢いを感じさせてしまう、何かがあるということは、凄いんだと思います。

吉澤:
魅力的な部分があるから面接で採用したわけですから。
採用のポイントというのはアナウンサー含めて難しいと思いますが、
今後テレビ朝日に入りたいという人のために、アドバイスを。

有地:
テレビはデジタル時代を迎えて、色々と目まぐるしく環境が変わってきていますので、
そういったところにチャレンジできる人。
そして、テレビ局の仕事は一見華やかですけど、実際は地味でタフで厳しい世界ですから、
テレビの仕事にやりがいを感じてくれる人に来て頂きたいなと思います。

吉澤:
ありがとうございました。



番組では、テレビをご覧の皆さまからのお問い合わせ、ご要望をお待ちしています。

次回の放送は、8月5日(日)の予定です。