● ● ● ● 6月17日 ● ● ● ●

Special Talk
プロゴルファー 岡本綾子

司会 吉澤 一彦 (テレビ朝日アナウンサー)
島本 真衣 (テレビ朝日アナウンサー)
ゲスト 岡本綾子(プロゴルファー)
森下桂吉(テレビ朝日アナウンサー)

【放送内容】

今回は、「世界のアヤコ」プロゴルファー岡本綾子さんをゲストに、
名勝負の裏側から、全米女子、全英女子オープンの見所までお伝えします。


●岡本綾子さんプロフィール
日本の女子ゴルファーを代表する名選手、岡本綾子さん。
中学、高校、実業団とソフトボールのピッチャーとして活躍。
1971年国体でエース、4番として優勝。
1973年22歳の時、大阪にある池田カントリー倶楽部で研修生に。
プロデビューは、1975年。その年に「美津濃トーナメント」で初優勝。

1981年にアメリカLPGAツアーに参戦すると、82年初優勝。
以後10年間で17大会に優勝、87年には、アメリカ人以外では史上初の
LPGAツアー賞金女王に輝きました。
2005年、日本人で樋口久子、青木功に続いて史上3人目となるゴルフ殿堂入りしました。

スタジオ

吉澤:
プロデビューから現在まで振り返ると長かったですか?

岡本:
短かったです。
特に80年代前半からアメリカで過ごした10年間はあっという間でした。
病気もしたり、色々な事がありましたから。

島本:
プロでやっていけると思った瞬間は?

岡本:
やればやるほど上手になっていきますから。
“切り傷”が治っていくように。
それから、初めて賞金を貰った時、「あぁ、私は賞金で生活が出来るんだ」と思った時です。

吉澤:
プロであり続けることの難しさは?

岡本:やはりケガですね。私はスランプになったりとか、そういう気持ちになったことはないです。
辞めることは簡単だけど、続けることの難しさを、若い頃は追求したかったのです。

吉澤:
岡本さんにとってアメリカとは?

岡本:
アメリカは生活したいという憧れがありました。
別にゴルフでなくてもよかったのです。その当時アメリカは“自由の国”という
イメージがありましたから。
たまたまアメリカに行くタイミングと、ゴルフをするタイミングがうまく
重なったのだと思います。

吉澤:
アメリカのツアーに挑戦しようと思ったきっかけは?

岡本:
アメリカで生活するという夢が捨てきれなかった。
当時は夢じゃなかったのです。ただ、漠然とした思いだけで。
ゴルフを始めた当時は、アメリカのアの字もないくらい練習に励みましたから。
そのうち先輩たちがアメリカに挑戦するぞという話を聞いて、
じゃあ、私もということで挑戦しました。

吉澤:
アメリカへ初めて挑戦するも予選落ちでしたね?アメリカの凄さを感じましたか?

岡本:
今思えば、浮き足だっていたんでしょうね。
最初のハーフの6ホールでスリーパットしたのです。
44、45くらい叩いたのかな…次のハーフはこれじゃいけない!って
1オーバーくらいだったと思いますが…
日本に帰ってきて1ヶ月練習しなかったんです。ショックで。
その後5メートル10メートルのパッティングの練習を始めたのですが、
100球打っても1球も入らないのです。
後遺症だったのでしょうね。

こんな状態だと精神的にだめになってしまうと思ったので2、3週間、
友達と毎日飲み歩いていたんです。
そんなある日、ゴルフ場の先輩から
「あんた、プロになるんでしょう?そろそろ練習したらどうなの。」
と言われて「はい」みたいな感じで練習を再開しました。

吉澤:
アメリカツアーを戦い抜けた理由はどこにあったと思いますか?

岡本:
一握りの一握りの中に、入れたからだと思います。

森下:
今にたとえていうなら、MLBのイチローみたいに、メジャーの中でも
トップをはれるぐらいの存在だったのでは。

岡本:
でもその中の一握りの中のさらに一握りの人が世界一になれるわけですよね。
タイガー・ウッズやアニカ・ソレンスタムのように。

VTR

岡本綾子の名勝負、数多い中から、まずは、全米ツアー初優勝。
1982年、初めての全米ツアー第5戦目アリゾナコパークラシックを見事優勝。
1984年、賞金ランク全米3位、トッププロとなった岡本さんは、
この年、快挙を成し遂げます。後に4大メジャーの一つとなる「全英女子オープン」優勝です。
1987年、この年、好調の岡本さんは、女子メジャーの最高峰・全米女子オープンに挑みます。
この大会で、ローラ・デービス、ジョアン・カーナーとの激闘は6日間に及び、
18ホール、ストロークプレーオフで惜しくもローラ・デービスに惜しくも敗れますが、
今だ、語り継がれる、伝説の名勝負です。


スタジオ

吉澤:
6日間に渡る死闘、振り返ると?

岡本:
あれは凄かったですね。

吉澤:
そして87年のキーストンオープン、最終日に8打差をひっくり返しての優勝!

岡本:
あれはふつか酔いだったんじゃないかな(笑)

島本:
ふつか酔い?

岡本:
だってあれだけ離されていたら、前の日おいしいものを食べたり、
飲んだりしますよね?
で、次の日は雨が降ったり、やんだりとなんだか忙しい日だった。
でも振ると入っちゃうんです。打つと入っちゃうんです。
そんな日があるんですね(笑)

吉澤:
そういったこともあって、サンデーアヤコの異名が定着していったのですね。

岡本:
やっぱり、プロである以上は、しり上がりにスコアが良くならないといけないと
思うのですよね。

VTR

1987年、岡本さんは、アメリカ人以外、史上初のLPGAツアー 賞金女王に輝きます。
ツアー最終戦となったマツダジャパンクラシックでは、競技終了後、
アメリカから参加した選手達が岡本さんを肩車して祝福、この快挙に花を添えました。


スタジオ

岡本:
アメリカ人以外で初めて賞金女王になったということを、
それから10年後に知ったのです(笑)

森下:
あれだけマスコミが行っていたのに、だれも教えてくれなかったのですか?

岡本:
賞金女王になったことは、自分としてはそんな不思議なことではなかったのです。
でも、今思えば凄いことですよね。

吉澤:
凄いことです!

岡本:
でも日本でも経験したから…

吉澤:
日本とでは規模が違います!
メジャーの壁は厚いと感じたことは?

岡本:
私の場合はメジャーだけに!と焦点絞れないのですよね。
どのトーナメントにも全力投球ですから。

吉澤:
当時は青木功さんや尾崎さんなど男子プロの人気が先行していましたが、
メディアに注目してもらいたいという思いはありました?

岡本:
それはなかったです。私は成績、数字でなんぼという姿勢を貫いてきましたから。

吉澤:
一方、今は女子プロが人気ですが。

岡本:
良いと思います。私は非常にうれしいです。
ただ、最終日になるとオーバーパーで崩れていく選手が多いですよね。
そういう選手たちが海外に出ていっても同じ過ちを繰り返すと思います。
どんな環境、自然環境の中でもいいプレーを…
いいプレーというのは自分の実力以上のものを発揮することですから。

吉澤:
テレビ中継ある試合と無い試合は違いますか?

岡本:
それは中継があったほうがうれしいです。自分をアピールできるし。
例えば、皆そうだと思うのですけど、予選を通って、上位の位置にいたら、
黄色を着ようと思っても赤を着たり、綺麗な服を着るんです!

吉澤:
目立つから!?
今の選手ってスイングするとおへそ出るじゃないですか?あれはどう思われます?

岡本:
極端な露出でなければ、良いのでは?(笑)

吉澤:
取材で嫌だったことは?

岡本:
当時、日本のメディアのマナーの悪さについて言われました。
ゴルフメディアのためのルールというものがなかったのですね。
もちろん良いこともありましたけど、反面嫌なことも沢山ありました。
でも自分がプロゴルファーとしての姿勢を貫いておけば、
自然とそういうことも無くなりました。

VTR 全米女子オープンゴルフ

1946年に第1回大会が開催されて以来、長い歴史を持つ、
女子ゴルフの4大メジャーの一つ。
出場するにはシード権を持つ選手以外、予選の狭き門を突破しなければならず、
競技性がもっとも高いと言われています。
深いラフと難攻不落のグリーン攻略には、パワーと戦略性、その両方が要求されるコース。


スタジオ

吉澤:
今回の大会の見所は?

岡本:
やはり若い選手が活躍すると思いますね。
20歳のポーラ・クリーマー。
期待の日本勢 昨年からアメリカ女子ツアーに参戦する宮里藍、横峰さくら、
昨年、アニカから賞金女王の座を奪い取った
ロレーナ・オチョア、カーリー・ウェブなどのベテラン勢にも注目ですね。

吉澤:
日本人選手は良いところまで行きそうですか?

岡本:
期待したいですね。予選通過なんて事を考えないで、来年のシード権を取るくらいの気持ち、
強い気持ちで臨まないと全米女子はすぐはじかれてしまいますから。
出場する選手は早くコースの特徴をつかむべきですね。

VTR 全米女子オープンゴルフ

今年の全英女子オープンは、「ゴルフの聖地」セント・アンドリュースで初めて開催される
という歴史的大会となります。
2006年賞金女王になったロレーナ・オチョアをはじめ、ポーラ・クリーマー、
ミシェル・ウィーなど若い世代のスターが活躍する世界の女子ゴルフ。
注目のメジャー最終戦となります。
日本からは、2005年12位、20006年9位と着実に成績を上げている宮里藍、
昨年、メジャー初挑戦ながら16位と健闘した横峰さくらたちが挑み、
新たな女神たちの伝説が始まります。


スタジオ

吉澤:
8月には、全英女子オープンがありますね。
しかも今回はセント・アンドリュース!

岡本:
行きたいですねぇ。

森下:
セント・アンドリュースはゴルファーなら行ってみたい、やってみたいという
憧れのコース。岡本さんにはラウンドして頂くのはもちろんですけど、
今回はオンコースでも解説していただきます。

吉澤:
全米と全英の違いは?

岡本:
イギリスは天候が変わりやすいですよね。
アメリカの場合はいいシーズンの時が多いですから。
ですから天気に合わせた対応をしなければならないのでその分ゴルフも難しくなると思います。

吉澤:
最後に岡本さんの夢、活動予定を伺いたいのですが。

岡本:
まず、元気であること、夢は半農、半ゴルフです(笑)

吉澤:
半ゴルフと言わないで、ツアーに復帰してください。

岡本:
あと1割くらい体重落としたら、復帰しようと思っています。
今練習しているのですが、調子いいですよ。
ゴルファーである以上、クラブを握っていたいですから。

《第479回 放送番組審議会からの報告》
今回は「やじうまプラス」について審議されました。

リニューアル前と比べると、大変すっきりして元気が出て、若々しくなり好感がもてる。
朝出て行く前に一応知っておくべきことを知らせてくれるという意味では、
とてもよくできていると思う。
画面が結構うるさく、メインの人の顔がワイプによって切れてしまったり、というものがある。
あまりに情報が多すぎるので、少し整理してもいいかなと思う。
本当に新聞に依存している。それはすぐれた方法ではあるが、長い間、
そうしたやり方に依存しているあまり、結局は新聞記事の後追いの視覚化になっている。

番組では、テレビをご覧の皆さまからのお問い合わせ、ご要望をお待ちしています。

次回の放送は、7月8日(日)の予定です。