● ● ● ● 3月18日 ● ● ● ●

司会 吉澤 一彦 (テレビ朝日アナウンサー)
島本 真衣 (テレビ朝日アナウンサー)
ゲスト 篠原弘光(テレビ朝日スポーツ局)世界水泳メルボルン2007総合演出

【放送内容】

「世界水泳」。水泳ニッポンを世界に轟かせ、毎回、大きな感動を呼ぶ水のスポーツ、
真の世界一を決める世界選手権。
テレビ朝日は、2001年の福岡大会以来、全社を挙げて 放送に取り組んできました。
そして、今日から始まる「世界水泳メルボルン2007」 その感動を伝える
スタッフの準備に迫ります。


スタジオ1

吉澤
「世界水泳」というのは、どんな大会なのでしょうか?

篠原
1973年 第1回ユーゴスラビア大会、最初はほぼ4年おき。今は2年に一度。
競泳、シンクロナイズドスイミング、飛込、水球オープンウォータースイミングの
5競技で行われます。五輪にはない種目もあり、水のスポーツ、
真の世界一決定戦とも言えます。
160を越える国・地域、2000人を越える選手が参加します。

島本
「世界水泳」放送に向けて、どんな準備が行われるのでしょうか。
その前哨戦、3月3日、4日、に行われた「ジャパンオープン2007」の
準備の様子をご紹介します。


VTR−1

水泳中継の華は、実況放送。アナウンサーの名調子が、競技の展開と興奮、
そして、感動を伝えます。今年、「世界水泳」の実況を担当するのは、
入社5年目の吉野真治アナウンサー。
水泳中継実況用のメモ。実況メモは、アナウンサー自身が作り、
それぞれやり方が違います。短冊形のメモをコース順に並べるのが、
アナウンス部の伝統。今回は「ジャパンオープン」のメモですが、
世界水泳の重要なデータにもなります。鍵を握るのは日ごろの情報収集。
有力選手の大会別データまとめています。競技の展開を正確に
伝えるだけではなく、間に選手の情報を挟み込むことで、臨場感が増します。

3月3日、4日に東京・辰巳の国際水泳場で行われた
「競泳ジャパンオープン2007」は、「世界水泳」に出場する日本代表の
殆どが参加するビッグイベント。
「世界水泳」に向けての調整の意味もあり、プールサイドには、前日早くから、
選手たちの姿。吉野アナウンサーの姿も、プールサイドにありました。
選手の泳ぎや表情を間近かに感じようというのでしょうか。
選手の合同インタビューが始まりました。注目選手の一人、北島康介選手と
あって見逃すわけにはいきません。今回の大会で気になるのは、
世界記録を持つリソゴル選手との闘い。
そこで、吉野アナウンサー、質問をぶつけます。吉野アナウンサーは、
北島選手だけではなく、その他の選手からも、コンデションや、
明日の大会への意気込み、さらには世界水泳を睨んでの思いなどを、
精力的に取材。これが、実況に生きてくるのです。
取材結果は、同じく実況を担当する進藤アナウンサーと情報交換。

午後6時、選手たちの練習が終了するのを待って、中継機材の搬入が
始まりました。今回の大会は、演出や撮影のスタッフにとっても、
「世界水泳」に向けて、最後の調整。実戦を兼ねたリハーサルになります。
「世界水泳」とは規模が違いますが、今回は、10台のカメラが配置され、
競技の臨場感を伝える工夫が繰り返されました。
プールサイドのカメラ移動は、レールカメラ。カメラを載せた台車が、
選手と同じ速度でレールを動き、迫力満点の映像が生まれるわけです。
そして「水中ハイビジョンカメラ」プールの底に遠隔操縦ができるカメラを設置し、
今までにない、迫力映像を作り出しました。まず1台。
これは、有力選手が泳ぐ3コースと4コースの間に設置し、選手のターンを
狙うことになっています。もちろん「世界水泳」の予行演習です。

微妙な位置の調整は、ディレクターがモニターで確認しながら、
技術スタッフとのやりとりで行われました。大会スタートは明日。
スタッフの作業は続きます。



スタジオ2

吉澤
「世界水泳メルボルン2007」の放送には、どんな体制で、
どのくらいの人数のスタッフが参加して行われるのでしょうか?


篠原
「世界水泳」を放送するためのスタッフの人数はおよそ800人〜1000人の規模。
基本はオーストラリアの国際映像ですが、日本代表を追うため、
独自に7台のカメラを用意している。現地の会場に特設スタジオ。
テレビ朝日の1階にも特設スタジオを作っています。


島本
2週間近くと長い大会ですが、期間中、スタッフの方は、どんな生活を?

篠原
世界水泳中のスタッフの苦労というと睡眠時間2時間くらいしかとれない。
国内でもスタッフは仕事場で寝泊りしたり宿泊先へシャワーを浴びに帰る
くらいしか出来ないです。


VTR−2

「競泳ジャパンオープン2007」大会当日。
資料作りが深夜に及んだ吉野アナ、少し遅めの会場入り。予選結果をチェックします。
放送まで時間がないため、すぐに会場へ向う吉野アナ。間もなく決勝。
吉野アナ、予選の進行を見ながら、実況メモに最新情報を書き加え、
さらに、メモを短冊状に切って、決勝のコース順に並べて貼ります。
全選手のメモを貼った後に、全体を見比べて、さらにメモを書き加えていきます。
これが、一種目の実況メモ、出来上がりです。気になるのは北島康介選手の状況。
前日、「負けるかも」と弱気な発言があったものの、復活に期待したいところ。

「世界水泳」まで2週間、ここで、新たな記録を出して、世界一への弾みをつけて欲しい。
実況を担当するアナの思いです。予選が終わり、控え室に戻る吉野アナ。
さらに他のアナウンサー、ディレクターの情報を 整理し、実況メモの完璧を期します。
ディレクターからの資料から受け取った資料には。事前の調整、状態など、
選手一人ひとり、細かくまとめてあります。これらを参考にして、自分の実況メモに
手で書き込む。期待の北島選手の欄は ……。「有言実行なるか?」と書いてありました。
決勝が近づき、観客も増えてきました。会場近くで大会を盛り上げるのは、
テレビ朝日の社員有志の「盛り上げ隊」です。

スポーツの実況中継の心臓部は、中継車にあります。
ここに、10台のカメラで撮影した映像が集まり、モニターに映し出されます。
ここから、ディレクターなどの手で放送に使う映像が瞬時に決められ、
テレビ朝日を経由して放送されるのです。

中継本番、まずは進藤アナウンサーの実況。
日本新の連発で、大会は盛り上がっていきます。
注目の北島康介選手が出場する種目の一つ、男子平泳ぎ50メートルの決勝が
近づきました。実況席の後ろでは、吉野アナウンサー、メモにペンを走らせています。
ギリギリまで選手の状況を把握し、実況の中で伝えようというのです。
北島選手は見事、日本新を叩き出して優勝しました。
エース復活に、思わず笑みがこぼれる吉野アナウンサー。
次に北島選手が出る、平泳ぎ200メートル決勝も期待できます。
進藤アナウンサーからバトンを受けた吉野アナウンサーも勢いづきます。

机に置かれた実況メモ。2週間前からの準備が今、生かされます。
そして吉野アナウンサーの実況。
担当するのは北島選手の平泳ぎ200メートル決勝です。
北島選手、見事この種目でも日本新記録で優勝。
全力で中継した吉野アナウンサーも汗びっしょり。完全燃焼です。



スタジオ3

吉澤
実況アナウンサーの重要性とは。

篠原
レース展開を伝えるのはもちろんですが、水泳にあまり詳しくない
視聴者の方々のために少しでも役立つよう、ガイド役でもあります。
私たちも選手の頑張りを余すことなく、視聴者の皆様にお伝えしようと
最大の努力をしているわけです。


VTR−3

「世界水泳メルボルン2007」その見所をご紹介。
「ジャパンオープン」終了後、「世界水泳メルボルン2007」日本代表壮行会が
行われました。
マーメードプリンスの稲垣吾郎さんを迎え、選手も、会場も大盛り上がり。
「ジャパンオープン2007」で、絶好調ぶりをアピールしたチームジャパン。
19個の日本新記録を引っさげ、いよいよ今日から始まる
「世界水泳メルボルン2007」に臨みます。記録ラッシュの流れが、
勢いを生んで、メルボルンでの活躍が期待されます。
開会初日から1週間に渡って繰り広げられるのは、水の妖精たちの熱き闘い、
シンクロナイズドスイミングです。世界トップレベルのマーメイドジャパン、
今大会から、決勝種目が4種目から7種目に増え、
全種目でのメダルが期待されます。
ライバルは、昨年12月、アジア大会金の中国チーム。
マーメイドジャパンにとっては、アジアチャンピオンの座を奪回し全7種目で
メダルを獲得する、まさに正念場です。
メインキャスターは、お馴染みの松岡修造さんです。

「世界水泳メルボルン2007」は、25日までは、マーメードジャパンの活躍が
期待される、シンクロナイズドスイミングが行われ、その後、25日から4月1日まで、
競泳が行われます。

テレビ朝日では、ゴールデンタイムに実況生中継を行いますので、お楽しみください。




番組では、テレビをご覧の皆さまからのお問い合わせ、ご要望をお待ちしています。

次回の放送は、4月1日(日)の予定です。