● ● ● ● 1月28日 ● ● ● ●

司会 吉澤 一彦 (テレビ朝日アナウンサー)
島本 真衣 (テレビ朝日アナウンサー)
ゲスト 山本 清(テレビ朝日広報局宣伝部長)

【放送内容】

華やかに始まった1月新ドラマ。その傍らに“宣伝部”のスタッフの姿がありました。
番組の成否を握る彼女たちの活躍。その仕事内容とは?
今回は、金曜ドラマ「松本清張 最終章 わるいやつら」の宣伝企画の立ち上げから、
完成までに密着。それに携わるスタッフの奮闘ぶり、苦労や、やりがいなどを紹介します。


スタジオ(1)

吉澤:
テレビ局の宣伝部について簡単に説明頂くと?

山本:
テレビ局の宣伝部には、番組の有料宣伝をするチームと、
番組の広報イベントなどを企画制作するチーム、
そして「ぷれみーや」などの番組宣伝番組を作るチーム、
そして毎日流れているPRスポットを管理するチームがあります。

吉澤:
スタッフは何人くらいですか?

山本:
約50名のスタッフでテレビ朝日の全番組の宣伝を手掛けています。


VTR(1)

テレビ朝日本社2階にある広報局宣伝部。
今回「わるいやつら」を担当するのは、テレビ朝日から平野三和さん、
そして入社2年目の村上弓さん。共同制作の朝日放送からは、
渡辺亜希子さんそして田中久美香さんこの4人でチームが組まれている。
「黒皮の手帳」「けものみち」に続く、清張原作の「わるいやつら」。
ドラマを広く知ってもらうには、この4人の女性にかかっています。

2006年11月22日
ドラマのポスターを制作するためのオリエンテーションが行われた。
参加した広告代理店は3社。ドラマ「わるいやつら」の
内山聖子プロデューサーから、ドラマのコンセプトなどを説明していきます。
ビジュアルイメージのポイントは米倉さんのナース姿!
わるいやつらの宣伝展開は、ポスターはもちろん、 ドラマ初回放送日の
朝刊に新聞広告をうつということがメインになります。その他、人が多く集まる、
ターミナル駅の改札周辺など、ポスター展開する予定です。


11月24日
ドラマのクランクイン直前、渋谷のスタジオで、主演の米倉さんの
テレビ雑誌の取材とスチール撮影が行われました。
この日集まったのは、テレビ朝日の情報誌「プリオ」とテレビ情報誌3社。
まず、プリオの撮影から始まりました。撮った写真をその場でチェック。
関係者の同意をとりつけるのも、宣伝担当の仕事です。
続いては、テレビ雑誌の撮影スタジオへ移動。多忙な米倉さん。
限られた時間で効率よく撮影が出来るよう、スタジオを2つ確保。
今日のスケジュール管理は、村上さんと渡邉さんが担当しています。
記者さんを拝んで、何を?と、思えば、平野さんは大きな記事にしてね、
と、お願い中でした。撮影は終了し、各社合同のインタビュー取材。
記者の皆様に、お茶を出して、待ってもらいます。

・・・米倉さんがやって来ました。
質問が始まりました。 記者たちの表情を見ながら、時間を区切り質問を終了
させるのも宣伝担当の役目。この日の記事はテレビ情報誌の年末年始号で
紹介されました。苦労のかいがあって、「わるいやつら」は、大きく扱われていました。
米倉さんのドラマに賭ける意気込みや、ストーリーなど伝えています。
なお、テレビ朝日の情報誌「プリオ」はテレビ朝日1階のアトリウムで
手に入れることができます。

11月29日
今日は、ポスター案のプレゼンテーションが行われました。
出された案から、一社に決まります。
ポスターは番組の顔、第一にインパクトなのですが・・・。
米倉さんのみせ方、ポスターの色合いから、 文字のレイアウト、
キャッチとなるコピーなど、各代理店がイメージボードを見せながら、
提案していきます。各社のプレゼンが終わりました・・・。
その場で、ドラマの内山プロデューサーを中心に検討会です。
内山さんがこだわったのは米倉さんが美しく見えるかどうかということ。
ドラマプロデューサー内山さんと宣伝スタッフが一致したのは、
注射器を持った米倉さんの姿。キャッチコピーも「米倉史上 最悪」に決まりました。

そして、いよいよポスター撮影の日。
横浜のスタジオで、撮影が行われました。 ポスター製作担当の田中さんは、
代理店スタッフと撮影ぎりぎりまで打ち合わせを続けます。

納品まで時間がないため、すべてが同時進行。
一方、渡邉さんは、米倉さんの記者会見の日を電話で調整しています。
まもなく米倉さんの撮影が始まりました。ポイントとなるのはもちろん
米倉さんのナース姿です。ドラマのタイトルどおり、悪女な感じが伝わってきます。
どうでしょうか・・・。 米倉さんの姿を凝視する宣伝スタッフ。
ここまで来るのは大変でした。しかし、宣伝にとって、ここは始まりでしかありません。
撮影は無事終了。

この日の夜、撮影した、膨大なカットの中から、OKカットの絞込み作業が
深夜まで行われました。最終的に1カットにしぼりこまなくてはなりません。
翌12月5日。前日、夜中までの作業をものともせず、 ポスターの
見本のチェックです。デザイナーが、昨日撮影した米倉さんの写真をはめ込み、
より実物に近いもので確認するのです。

キャッチコピーのほかに、今回、こだわったのは米倉さんのネイル部分でした。
ネイルを華やかなものにすることによって、ビジュアルにアクセントを
つけようというアイディアなのです。

今回は、年末年始が入るために時間がなく、それが少しづつプレッシャーに・・・。
一枚のポスターを作るのに、細心の注意と地道な作業の連続ですが、
どんな所に苦労するものですか?


スタジオ(2)

吉澤:
ポスターをつくる上での苦労は?

山本:
ポスターを制作するときは、まだ番組は出来上がっていませんから、
どんなかたちになるか?ということがそれぞれでイメージが違うことが多い。
そのイメージがない中で、制作者の思いをどうまとめるか。
ポスターは全てのビジュアルイメージの元となりますから、重要です。

吉澤:
テレビ朝日本社1階のアトリウムでもよくイベントをやっていますよね。
番組宣伝において、イベントというのはどんな効果があるものですか?

山本:
まずは、年間を通じてテレビ朝日を訪れる方々に、テレビ朝日を
より深く知って頂くということがひとつ、そして、イベントをやることによって、
スポーツ新聞紙やテレビ情報誌の記者に記事にしていただく材料を提供する
ということが重要な部分となっています。


VTR(2)

年も迫った12月15日の夜9時、テレビ朝日本社前に、
突然、現れた巨大なトラック。
荷台から下ろされているのは、なんと!本物のマグロ漁船。
新春ドラマスペシャル「マグロ」プロモーションのため、青森県大間から
運んできたのです。これは、宣伝部イベントチームの仕事。
テレビ朝日アトリウムに漁船が入るよう、大間に何度も通って寸法を測り、
玄関から入れられるよう、漁船を5分割しました。慎重に、慎重に
作業が進められます。搬入だけで4時間。さらに、組み立て作業。
すべてが終わったのは、夜明け近くでした。2日後の17日。
新春ドラマ“マグロ”の記者会見当日です。この日を迎えた宣伝部金沢さん、
気合が入っていました。

もちろんマグロ漁師の姿です。
この日、ステージの司会を務める渡辺アナウンサーも漁師姿になって、
記者会見を盛り上げます。イベントチームの仕事は、記者会見や
様々なイベントの企画・運営。今回の記者会見の目玉は、渡さんによる
大間産巨大マグロの解体ショーです。本物のマグロをステージへ運び、
入念にステージ進行や段取りを確認しています。
しかしさすがは大間の本マグロ、その重さ約200キロ、スタッフの手が足りません。
記者会見が始まりました。ステージには、主演の渡哲也さんをはじめとする、
出演者の皆さんが勢ぞろい。そして、今日のハイライト、渡さんによるマグロの解体。
どうなるのでしょうか。記者会見が終わると金沢さんが走って来ました。
手には醤油。マグロを、記者に食べていただこうというもの。
「大トロ」の声に歓声が上がりました。金沢さん、記者の反応にしてやったり・・・。
この日の記者会見の様子は、翌日のスポーツ紙では、
大きな、大きな記事に取り上げられました。



スタジオ(3)

吉澤:
ユニークなイベントはそれだけでニュース価値があるから、
新聞や場合によっては、他局も取り上げて報道してくれますからね。

山本:
番組への思いというか、愛情をどれだけ視聴者の方に理解していただくか、
伝えられるか、ということが我々の重要な仕事だと思っていますし、
そういった意味でイベントを行うことは、視聴者の方にその思いを
直接伝えられる良い機会だと思っています。

吉澤:
新聞や雑誌に取り上げてもらうPR活動も重要でしょう?

山本:
新聞に番組表というものがありますが、そこにテレビ朝日が今週放送する、
今日放送する番組内容を配信するという仕事からスタートするわけですが、
新聞のみならず、あらゆる媒体でテレビ朝日の記事で賑わしたいという
思いがあります。


VTR(3)

「わるいやつら」がクランクインしました。
明日は初めて、セットでの撮影が行われます。
そこで、宣伝部が仕掛けたのは、 記者たちの合同取材。

病院セットで、米倉涼子さんの初ナース姿。これは記事になります。
どの時間ならば、取材撮影が出来るのか、スケジュールの調整を
お願いすることに・・・。最終的な判断は、ドラマの制作サイドにあります。
村上さんはプロデューサーの中川さんと相談の結果、集合時間と
取材のスケジュールが決まりました。プロデューサーのOKをもらい、
渡邉さんはすぐに、新聞・雑誌に向け、取材案内のリリースを作成しました。
急遽の合同取材だけに、できるだけ多くの人にこの情報を伝える必要があります。

宣伝部の一角。ここに、テレビ雑誌の記者が常駐し、記事になる情報を集めています。
ここで、合同取材があることを発表しました。どうやらいい感触。

翌12月12日。
東京都郊外のスタジオで「わるいやつら」の撮影が行われていました。
撮影の様子を取材するためにぞくぞくと記者たちがやってきました。
記者たちの世話をするのも、宣伝部の重要な仕事です。
特に、緊張した空気が流れる現場の中、取材して頂くのは、
宣伝部としても気を使うところです。

シーン取材も終え、後、残りは、囲みと呼ばれる米倉さんを囲んでの記者会見。
しかし、撮影が予定より延びて記者たちは手持ちぶたさ。
その姿を見ながら、宣伝スタッフの心中は・・・。

シーンの合間を縫って記者を会見スペースへ誘導、
やっと米倉さんの記者会見がはじまりました。

会見もなんとか終了。
お待たせしたお詫びに、記者に頭を下げ続ける村上さん。
続いては、スポーツ新聞用のスチール写真の撮影です。
平野さんがこだわったのは、ナース姿できりっとした米倉さんの表情です。
米倉さんにそれを伝え取り直し。2日後、各スポーツ新聞に「わるいやつら」の
記事が掲載されました。苦労が実り、いずれもドラマへの期待感に
溢れていました。予想以上に大きな扱いの新聞もあって、これも宣伝の醍醐味です。

12月21日
ポスターの(見本)色校正があがってきました。
何か納得がいかず、前回のデータを取り出し、見比べる。
・・・修正すべき箇所が直っているのか、一つ一つチェックする田中さん。
しばらくして、こうした地道な細かい作業を積み重ねて20日間、
ここまで来ました。ポスター完成まであと少し。関係各所に見本を送って、
最後のチェックを依頼します。

12月27日
仕事納めのこの日、ついにポスターが納品されました。
やっと出来上がったポスターを前に、誰もが無言。
渡辺さんは早速、ポスターを宣伝部の窓に。その間、黙ったまま。
宣伝スタッフ、それぞれの想いが交差します。

1月14日
テレビ朝日アトリウムに「わるいやつら」の巨大なバナー広告が設置されました。
それに立ち会う平野さんの姿がありました。

○宣伝部 平野 三和さんの話
「ポスター1枚にしても『あっ、この番組始まるんだよね、観なきゃね』って
言ってくれたりするとすごく嬉しい」



スタジオ(4)

吉澤:
出来上がったポスターをご覧になっていかがですか?

山本:
本当に宣伝チーム皆の思いというか、この番組に対する気持ちが、
この一枚に集約されたと思います。キャッチコピーも本当にいいと思います。
一人でも多くの方に観ていただきたいと思います。

吉澤:
ドラマ「わるいやつら」の放送が始まりましたが、
放送が始まってからも宣伝活動は続いていますよね?

山本:
ドラマの放送から最終回まで、様々な形で宣伝活動は続いていきます。

吉澤:
山本さん、今日はありがとうございました。





番組では、テレビをご覧の皆さまからのお問い合わせ、ご要望をお待ちしています。

次回の放送は、2月11日(日)の予定です。