● ● ● ● 10月15日 ● ● ● ●

司会 吉澤 一彦 (テレビ朝日アナウンサー)
矢島 悠子 (テレビ朝日アナウンサー)
ゲスト 倉林 敦夫(テレビ朝日事業局イベント事業部長)

【放送内容】

舞台やコンサート、話題の博物展などを開催するテレビ局のイベント事業部のスタッフに密着。
テレビ局のイベントがどのように行われているのか、その舞台裏に迫ります。


●テレビ朝日 事業局 イベント事業部長 倉林 敦夫さんの話

「テレビ朝日には事業局というセクションがあり、出版やショッピング事業、
インターネット事業などを行っている。イベント事業部はその中の一つの部署で
コンサート、舞台、スポーツイベント、展示会などあらゆるイベントを行っている」

「テレビは大衆に向けて番組を作るが、イベントではコアな部分を掘り下げて
仕掛けることが可能。いろいろな年代層にアピールすることできるから
テレビ局がイベントを行うようになった」

テレビ朝日イベント事業部には22人のスタッフがいて、年間およそ150本の
様々な種類のイベントを行っています。取材に訪れたこの日も都内各所で
コンサートや舞台などのイベントがあり、ほとんどのスタッフが現場を飛び回っていました。

テレビ朝日で高視聴率を記録した、あの「黒革の手帖」の舞台が、
この秋、行われることになり、イベント事業部の奥山さんと新入社員の藤本さんは、
製作発表会の前に、打ち合わせを行っていました。
この舞台は、座長を務める米倉涼子さんの事務所と、劇場の明治座、
そして、テレビ朝日の共同制作という形で行われます。
人気ドラマを舞台化するのは、テレビ朝日では初めての試み。
記者会見当日、舞台版「黒革の手帖」のポスターが、完成しました。
イベントを行う際、このポスターがとても重要な役目を果たすそうです。


●イベント事業部 奥山 明宏さんの話

「ドラマだったら1〜2ヶ月前から撮影が始まっていて事前にそのVTRを紹介すれば
内容が伝わるが、舞台は事前に何もないので宣伝をするのが大変。
だからポスター制作にはかなり力を入れている」


舞台版「黒革の手帖」では2種類のポスターが作られました。
一つのポスターで米倉さんが身につけた着物と帯止め、指輪など装飾品の
総額は1億5000万円相当。舞台にかける気迫が伝わってきます。

製作発表会が間もなく始まります。新入社員の藤本さんは、報道陣の受付担当。
そしてベテラン奥山さんは、報道陣のとりまとめを担当します。
あみだくじが始まっています!
実はこれ、取材カメラが1番から順番に決められているのです。
出演者の皆さんが現れ、パッと、はなやいだ雰囲気になってきました。
出演者はこの日が、初顔合わせ。製作発表を前にして緊張した空気が漂います。
一方、奥山さんは、ホテルの厨房を歩いていました。
出演者が、控え室からひと目に触れることなく会場までいける最短コース、
通称「裏導線」を確認しているのです。本番が迫っています。
米倉涼子さんら出演者のみなさんは、先ほど奥山さんが確認した厨房の中の
最短コースを通って、会場へと向かいます。


●米倉 涼子さんの話

「舞台だけでなく会場の明治座全体を銀座のクラブに変えたい、と思っています」


そして記者会見は、無事終了。
次は、活字媒体用の写真撮影。その担当も奥山さんです。
このあと、急きょ、舞台のPRスポットを収録することに。
しかし、米倉さんには次のスケジュールが迫っています。ほとんど時間がない…。
カメラマンに声をかけ、会場の隅に向かう奥山さん。
カメラマンも加わりPRコメントを考えます。
とにかくいいお芝居なのでみんなに見てもらいたいのです。
米倉さんの事務所のプロデューサーとコメント内容確認。
米倉さんがやってきました。本番では米倉さんも、気持ちをこめて伝えます。


舞台のPR活動はさらに続きます。
製作発表記者会見を終えた米倉さんは、「徹子の部屋」にも出演。
奥山さんも、収録に立会います。舞台のPRもしっかりとできたようです。


●奥山さんの話

「製作発表会にはたくさんの報道陣が集まってくれましたが、実際に記事になったり、
番組で紹介されるか、それを見届けないと安心できない」


成果は、どうだったのでしょうか。
製作発表の模様は、翌日、テレビが3番組。新聞には7紙で紹介されました。
それをすべてチエックするのが新入社員 藤本さんの仕事。


●藤本 周二さんの話

「芸能コーナーだと普通は30秒くらいしか放送されないのに
今回は2分も放送されて嬉しいです」


イベント事業部の新人が必ず経験することがあります。
それはポスター貼り。この日、若手社員が集まり、秋のイベントのポスターを
テレビ朝日のイベントホールUMUに張ることになりました。
六本木ヒルズを訪れる人やスタッフにアピールすることは、大切なことなのです。
イベントを見に来てくれたり、番組で取材をしてくれることもあるからです。
少しでも多くの人の目にふれるようにと1枚、1枚、思いを込めて、丁寧に貼っていきます。
新入社員、藤本さんのPR活動はまだまだ続きます。

イベント事業部が手がけているもうひとつの話題の舞台も、
公演日を1週間後に控えていました。この日、「ワイド!スクランブル」の
取材の立会いのためイベント事業部の佐藤さんが稽古場にやって来ました。
その、もうひとつの話題の舞台とは、世界中で公演され続けている
ヘレンケラーの物語、「奇跡の人」。三重苦の障害を持つ少女、ヘレンケラーを
演じるのは、石原さとみさん、今回が、初舞台です。
公演日が近づき、稽古は佳境に入っていました。その独特の緊張感を壊したくない。
なおかつ、取材もうまくいってほしい。 佐藤さんはその両方に気を配っています。
どうやら、稽古も、取材も、スムーズに行った様子。
上司の塚崎さんも立会いました。

9月の末。
舞台「黒革の手帖」の公演日も、間近に迫ってきました。
奥山さん、舞台の仕上がりが気になって稽古場を訪れました。
舞台初日をひかえ、劇場側と米倉さんの事務所のプロデューサーと
ともに、当日の取材対応についての詳細を確認しあいます。
芝居の仕上がり具合に、塚崎さんも奥山さんも納得したようです。

10月3日。
舞台「黒革の手帖」の初日。たくさんのお客さんがきてくれました。
明治座の担当者も嬉しそう。予想どおり報道陣もたくさんやってきました。
売店では、「黒革の手帖」の関連グッズを販売。
売り場に立つのは、塚崎さんと藤本さんでした。
超満員の観客の見守るなか、初日の舞台の幕がついにあがりました。
テレビで大ヒットした「黒革の手帖」。舞台ではまた違った魅力を放っています。


●テレビ朝日 事業局 イベント事業部長 倉林 敦夫さんの話

「芸能事務所やプロモーターと組むことでそれぞれのノウハウを活かし、
あらゆるところにPRも出来るので一緒にイベントを行うことが多い」


マドンナ、13年ぶりの日本公演。
最終日のこの日、東京ドームには4万5000人ものファンが集まりました。
お客さんの入り具合をチェックしているのは、イベント事業部の萩原さん。
上司の倉林さんも、現場にかけつけてきました。
完ぺき主義者のマドンナのライブは遅れてスタートすることがしばしば。
倉林さん最後まで気が抜けません。

ライブが行われている間、スタッフは、運営実施本部で待機。
モニターで、コンサートの様子を確認します。
この日、ライブは1時間30分遅れでスタートしました。待機中の萩原さんが、
次のコンサートの打ち合わせをレコード会社のディレクターと始めました。
11月に来日するのは、今年日本で50万枚以上の大ヒットを出した
ダニエル・パウターです。倉林さんは、音楽関係者とどんなアーティストを
呼べばいいのか、その構想を検討中。

マドンナのコンサートは、トラブルもなく無事終了。
倉林さん、ホッと一安心の様子。 この瞬間がイベント担当者の一番嬉しい時。

夜の六本木を歩いているのは、新入社員の藤本さん。どこかの店に入りました。
チラシを置かせてもらえないかという交渉をしています。
このような地道な活動もイベント事業部の大切な仕事なのです。

上野、夜7時半。
国立科学博物館の前に、奥山さんの姿。何かを待っているようですが…。
11トントラックがやって来ました。二人の外国人男性も、一緒です。
なにやらとんでもないようなモノがイギリスから運ばれてきたのです。
この中から、いったい何が現れるのでしょうか。


●奥山さんの話

「このイベントの立ち上げから、2年かかった」


実は、このケースのなかには、なんと3000年前のエジプトのミイラが
入っていたのです。
「大英博物館展 ミイラと古代エジプト展」は、2年がかりで進めてきた
ビッグプロジェクト。
同行してきた大英博物館の研究員の指示に従って慎重に運びだされます。
そして奥山さんは交通整理を担当。
ちょっとした振動でも、ミイラが崩れてしまう可能性もあるのです。
会場奥の倉庫に運びこまれたミイラは、箱の中の温度と湿度を調整するために、
2日間ここで保管されます。

そして、2日後。会場作りが進んでいます。


●奥山さんの話

「会場が神殿、という感じがする」


荷物の開封作業がはじまります。
展示物の扱いについては、同行してきた研究員から細かい指示が出されています。
大英博物館から届けられたものは、およそ300点。1個、1個にナンバーが
ふられています。いよいよ、ミイラの開封作業がはじまります。
開封のその瞬間の撮影には許可が出ませんでした。
その後の開封作業は、離れたところからの撮影だけが許されました。
運ぶ前にイギリスで撮った写真と比較しています。
空気にあたると、変色したり、壊れたりするので、こまかいチェックが連日続けられます。

5日後に訪ねると、ミイラはショーケースのなかにきれいに収められていました。
なんと、 3000年前の指輪がありました。


●塚崎さんの話


「迫力がある。いいものが来ているから怖い」


この「大英博物館展」のPR用の曲を作曲することになったのが、藤本さん。
学生時代、音楽が大好きで、趣味で作曲活動を行っていたそうです。


●藤本さんの話

「ミイラのイメージは神秘的、永遠、謎・・・謎だけどどこかもの悲しい感じがする
そんな思いを込めて曲を作りました」


3000年前のミイラは、一般公開の前日に報道陣に公開され、
その全容が明らかにされました。


●テレビ朝日 事業局 イベント事業部長 倉林 敦夫さんの話

「“大英博物館展 ミイラと古代エジプト展”は関係者の気配りがすごい。
誰もが気になるミイラの中身を傷つけずにCTスキャンして
中身が見られる、というのがポイント」

「イベントは他にも11月にはU2、2月にはシャルル・アズナーブルなど
話題のコンサートもたくさんあるので期待してほしい」



番組では、テレビをご覧の皆さまからのお問い合わせ、ご要望をお待ちしています。

次回の放送は、11月5日(日)の予定です。