● ● ● ● 10月17日 ● ● ● ●

司会 吉澤 一彦アナウンサー
上宮 菜々子アナウンサー
スタジオゲスト 川瀬 眞由美 アナウンサー

【放送内容】
2004年9月3日から3日間にわたって行われたANN系列新人アナウンサー・フォローアップ研修の様子を、長崎文化放送の前田 真理アナウンサーにスポットを当ててお伝えします。スタジオには、研修に講師として参加した川瀬 眞由美 アナウンサーを迎え、話を聞いていきます。

※ANN・・・オールニッポン・ニュースネットワーク協定の略称。テレビ朝日をキー局とする、全国26局のニュースネットワーク

フォローアップ研修とは
 
新人アナウンサーがこれから永く仕事をしていく上で、必要な技術とモチベーションを高める大切な機会です。

この研修に先立って2004年2月、ANN系列の新人アナウンサー研修が行われました。皆、先輩アナウンサーから、基本の発音・発声について厳しい指摘を受けていましたが、その中でも、特に苦労していたのが長崎文化放送の前田 真理アナウンサー。そんな彼女を見た川瀬アナウンサーは、自作のテキストを使ってマンツーマンで発音・発声を指導。今回の研修では、前田さんの成長ぶりが特に気にかかっているそうです。


前田さんの仕事は・・・
前田さんは新人アナウンサーながら、長崎文化放送の看板番組「いい朝 ncc」のメインキャスターを担当。体験レポートもこなしています。

2月の新人アナウンサー研修で川瀬さんから「一生読み返して」と言われた教則本を使い、毎朝仕事に入る前の1時間、欠かさず発声練習をします。アナウンサーの発声は腹式呼吸が基本です。

やる気十分の前田さんですが、彼女はまだ放送でニュース原稿を一度も読んだことがありません。同期のアナウンサーは既に読んでいます。アナウンサーはニュースを読むことも大切な仕事のひとつ。仕事の合間に、先輩アナウンサーからニュース原稿読みの手ほどきを受ける日々が続きます。

川瀬アナウンサーのコメント
「まだ、ニュース原稿を読まされている感じがする。これから技術を磨いて、ニュースを“伝える”ところまで成長して欲しい」

フォローアップ研修の内容
 
 研修スケジュールの最初の時間は、お昼の生番組「ワイドスクランブル」の見学。松井 康真アナウンサーが名物コーナー「夕刊キャッチアップ」で抑揚の利いた声でテンポ良く新聞を読み上げるのを見て、新人アナウンサー達は・・・ 

「あんなに速く読んでいるのに、一つ一つの音がはっきり聞き取れる」
「次から次へと記事を読みながら、予定通りの時間に収めるのはすごい」
「これを生放送でやるなんて、想像できない」

などと感心していました。この半年間、現場を経験してきたからこそ、その難しさが実感できるようです。

(発声・発音チェック) 担当:松井 康真 アナウンサー
アナウンサー教則本の発声練習の単語を、4人の新人アナウンサーがリレーで読んでいきます。前の人の一番最後の音と自分の最初の音が同時に出るように読み続けます。
ねらい・・・会話の中での反応のスピードを上げるため。 前田さんはじめ新人アナウンサー達は、音を重ねることに夢中で、歯切れやテンポが疎かになってしまいがちです。

前田さんはじめ新人アナウンサー達は、音を重ねることに夢中で、歯切れやテンポが疎かになってしまいがちです。

(CM読み) 担当:松尾 由美子 アナウンサー
系列局のアナウンサーは、CMのナレーションを読む機会が多くあります。これも、重要な仕事の1つ。
ねらい・・・CMの内容に合わせた情感を出して、原稿が読めるようにする。

中古車センターのCMなら元気良く、料亭のCMならしっとりと高級感を出すなど、TPOに合わせた読みの指導を受けました.。全員楽しみながら、取り組んでいたようです。

(レポート研修)
テレビ朝日のアトリウムで、10分間カメラを回してビデオレポートを行い、2分間にまとめて発表。前田さんは、アトリウムにあるドラえもんのタイムマシーンを題材に選びました。
ねらい・・・地方局のアナウンサーはディレクターの仕事を兼ねることも多い。VTRの構成を自分で考えることで、番組制作の流れをつかみ、原稿読みにも深みをもたらす。

(各自が制作したレポートVTRの合評) 担当:寺崎 貴司 アナウンサー
寺崎アナウンサーの全体講評
「アナウンサーの仕事は原稿の中にとどまらない。現実の世界をどのように切り取り、伝えていくかが大切。日々の現場での経験の中で、どのような状況にも対応できるアナウンサーになるための修練を、自らに課して欲しい」

(ニュース番組のシュミレーション)
担当:真鍋 由 アナウンサー・坪井 直樹 アナウンサー

新人アナウンサーが3人1組で、それぞれキャスター・ニュース原稿の読み手・レポーターとなり、5分間のニュース番組をシュミレーションします。
ねらい・・・番組進行の基本を確認しながら、不測の事態が起こった場合の対応を訓練する。
例えば、予定のVTRが出てこない時、その時のニュースに関連した話題で場をつながなければならない。そこでシュミレーション進行中、即興のお題に対する45秒のフリートークをやってみると、絶句してしまう新人アナウンサーもいました。

真鍋アナウンサーの講評
「日頃から世の中のあらゆる事柄にアンテナを張り巡らし、研究を絶やさないことが大切。それで、突発的な事態に対応する力が養われる」

(相談会) 担当:吉澤 一彦 アナウンサー
日常の仕事の中で、各々が向き合っている悩みについて、新人アナウンサー同士で話し合い、要所で先輩アナウンサーからの指導を受ける。
ねらい・・・これからステップアップして行く上で乗り越えるべき課題を、同期の同じ立場にいる仲間と共有し、一緒に話し合いながら解決策を見出し、それぞれの職場で活かす。

前田さんの課題
メインキャスターを務める「いい朝 ncc」で、両脇を固める先輩キャスターの絶妙なトークになかなか入り込めず、自分の色が出せない。

<吉澤アナウンサーのアドバイス>
「自分の色は自分で出すものでなく、視聴者の方々が自然に付けてくださるもの。萎縮せず、自分の意見を言えばいい。多少、気後れしても、手を挙げるなりして会話に入る勇気を持とう。黙っていると、そこにいないのと同じことになってしまう」

・ 前田さんのコメント
「失敗しても良いから、素の自分を出せばよいという吉澤さんのアドバイスは、今までの自分の視点に無いことで、参考になった」

(個別指導) 担当;川瀬 眞由美 アナウンサー
日頃の自分のリポートVTRを川瀬アナウンサーに見てもらい、アドバイスをもらう。前田さんはサンドブラスト(ガラスに砂を吹き付け模様を描く)の体験リポートVTRを持ってきました。
ねらい・・・前回の新人研修からの成長ぶりをチェックし、これからの課題を設定する。

<川瀬アナウンサーのアドバイス>
「体験に熱中しすぎて、言葉が少ない。ロケ後のナレーション挿入に頼り切らず、ロケ現場での感動や情報をどんどん言葉にしていこう。それでも、ロケの進行に関しては思ったより進歩が見られ、安心しました」

研修を終えて
 
・川瀬アナウンサーの総評
  「皆、自分の課題をしっかり持って研修に臨んで来たと思う。各々現場に戻り、今回の研修を活かして、課題が実行に移せるように期待しています。皆、明るく素直な性格なので、日々の仕事の中で努力を重ねれば、良いアナウンサーになれると思う」
・上宮アナウンサーのコメント
  「私も新人アナウンサーとして、同じような悩み・課題を抱えているので、一緒に頑張って成長していきたい」


次の放送は、10月31日(日)です。