9月21日

スタジオ : 吉澤一彦アナウンサー
市川寛子アナウンサー
ゲスト  : 日笠 淳(「爆竜戦隊アバレンジャー」東映プロデューサー)
   


【放送内容】

今回は「スーパー戦隊シリーズ・人気の秘密」と題して、30年近く続いている子供向け特撮番組の裏側に密着、 人気の秘密に迫ります。


子供向け特撮番組スーパー戦隊シリーズは、1975年「秘密戦隊ゴレンジャー」より始まり今回の作品「爆竜戦隊アバレンジャー」でシリーズ27作目になる。
戦隊シリーズは、「超人的力を持ったスーパーヒーローが1人で戦う」というそれまでの子供向け番組と比べ、「チームを組んで、協力して戦う」部分に特徴があります。



「爆竜戦隊アバレンジャー」の面々

番組の撮影のほか、劇場版作品の公開に合わせ「舞台挨拶」。
その他、CM撮影・挿入歌を歌い・ラジオ出演・ヒーローショーなど多忙なスケジュールをこなす。
テレビや映画以外の場所で子供たちと直接触れ合える機会を作っている。
そんな彼らは「イケメン系俳優」と呼ばれ、子供だけでなく母親たちにも広く人気を集めている。

※東京ドームシティ スカイシアター
「爆竜戦隊アバレンジャーショー 第3弾」 10月4日〜12月14日までの土・日・祝日公演。

「イケメン系」…
この言葉で注目されるようになったのは、オダギリジョー(仮面ライダークウガ)永井大(タイムレンジャー)あたりから。この時期に彼らを特集した「専門誌」などの発行もあり、人気に拍車をかけた。
しかしキャスティングに「イケメンを起用する」「母親たちを意識する」…といったことを重視するのではなく、ターゲットはあくまで「子供たち」。彼らにとってのヒーローというものを第一に考えている。
(日笠氏 談)



「スーパー戦隊シリーズ」世界でも注目

戦隊シリーズで子供に伝えたいことは「友情・知恵・力・勇気」。
この戦隊シリーズは「海外」でも放送されている。
海外では「パワーレンジャー」シリーズとして放送。
ストーリーは文化に合わせて日本とは違うものになっていてアメリカの俳優たちが演じている。
役者が登場する実写部分は改めて撮影、特撮部分は日本で撮影されたものをそのまま使用している。
お互いの良いエッセンスを併せた作品になっている。アクションシーンについは、日本から監督・スタントマンをアメリカに派遣。スピード感の部分は、日本の得意とするところで日本人スタッフの技術が必要だった。というエピソードも。
現在は、130以上の国と地域で放送されている。
東南アジアでは「日本版」が放送されている。
(東映テレビ第二営業推進部長:鈴木武幸プロデューサー談)

SF的部分のことで言うと、アメリカの子供たちは「メカ好き」であることから、日本では登場しないバイクや車などが出てくることもある。
海外で受け入れられている理由として「SF的仕組み」「コスチュームのわかりやすさ」などが挙げられると思う。
そして、それ以上に「団結・友情・平和へのメッセージ」という普遍的な部分が受け入れられているのではないかと思う。
(日笠氏 談)



『親の反応』は

大人が見ていても楽しい。
しつけの手段に使っている。
いろいろなテーマが入っているので、子供社会の中でも感じてもらえることがあるように思う。
親子2代でヒーロー遊びができるので、コミュニケーションとしてもいい。
親の世代も見ていた。番組を通して善悪を感じてくれていると思う。

今の親は「初代戦隊シリーズ」を見ていた世代なので子供と一緒に見て楽しんでもらえるのではないか。
DVDやビデオなどで当時の作品を再度見ることも可能になり、親子2代で楽しんでいるケースもある。
(日笠氏 談)



「制作現場」にて

特撮の撮影は大掛かり。
アクションシーンのセッティングのため「トラック4台」「スタッフ40人」規模の現場になることもある。
アバレンジャーでは、シーンにあわせた3人の監督がいる。「監督」「アクション監督」「特撮監督」。

「監督」:諸田敏
撮影全体の指揮をとる立場。
この作品は「子供向け」なので、悲惨な表現は避けるようにしている。
「友情」のようなものをベースに置いている作品なので、友達と一緒にヒーローごっこをやってもらいたい。
その中で感じ、覚えることがあるはず。

「アクション監督」:竹田道弘
緊張感を持たせるために厳しいことを言ってしまう。
アットホーム的にやっていると気が緩んでケガをすることもあるので、いつも真剣に。

「特撮監督」:
特撮といわれる部分を担当。スタジオで、ミニチュアを使い巨大ロボットの戦闘シーンなどを撮影。

撮影後は
俳優が演じたシーンと特撮映像を組み合わせる、CGとの合成…などの作業をし、作品を完成させる。

「演じ手」も「創り手」も多くのメッセージを持って作品に取り組んでいる。
今回の作品「爆竜戦隊アバレンジャー」はスーパー戦隊シリーズンに共通するメッセージ(友情・知恵・力・勇気)のほかに「コミュニケーション」ということをテーマに加えている。
人間たち(ヒーローたち)が最後に協力して敵を倒すときに登場するモノが「機械」ではなく「爆竜」(恐竜の進化した形)であり、心を持ち・知恵のある生き物であるという設定。
チームだけの結束ではなく、爆竜たちとの協力も必要になるという点が特徴。
もう一つの特徴。主人公のアバレッドが「子連れ」。このことも今までになかったこと。
これらのことがいろいろなコミュニケーションを生み出す。パートナーの存在を感じさせることになる。



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