始まったばかりのテレビの現場はすごかった。
当時は「VTR収録」はまだなく、すべてが「生放送」。
その為の「苦労」も「失敗」もいろいろとあった。
「生放送ドラマ」での失敗
ストーリーの中で、刑事が犯人を逮捕し、手錠をかけた。
しかし、その後「手錠の鍵」が見つからず、仕方なくそのままドラマは続行。
犯人が映ってはいけないシーンでは犯人が隠れ、
犯人だけのシーンでは刑事が隠れ…とドラマを進めていった。
しかし、どうしてもシーンとしておかしくなり、ドラマは進行できなくなった。
そのとき、 画面いっぱいに「終わり」の文字フリップを出し強制終了した。
俳優自らが「終わり」の文字フリップを出して強制終了をすることが多々あった。
「衣装」での苦労
生放送ドラマでは、何重にも衣装を着ていたため俳優さん達が
「着ぶくれ」していた。
「VTR」導入
「生放送」から「VTR収録」になった。しかし、VTR収録中は、
途中で「切ること」も「止めること」もできなかった。
つまり、編集をすることが出来なかったため、頭から生放送と同じに収録していた。
そのため、最終近くで「NG」をだすと始めから「撮り直し」になり、
出演者たちは緊張の連続だった。