日本が世界に誇る食文化の根幹にある「食の知恵」を、全国各地の恵まれた四季の中で育んだ食材や調理法で探求していく『ごはんジャパン』。今回は、多彩な海の幸の宝庫である冬の北海道を舞台に、東京・築地の江戸前寿司の匠と、地元・北海道の江戸前ならぬ“蝦夷前寿司“の匠が、技の競演で魅せる1時間SPをお届け！
襟裳岬でおなじみの、えりも町にやってきたのは、中村雅俊、入山杏奈、そして江戸前寿司の匠・前田親方。この日はあいにくの強風。そんな、身体が冷え切った彼らのお目当ての寿司ネタは毛ガニ。漁港で、本来の毛ガニの味をじっくりと堪能できるシンプルな“浜ゆで”を早速いただくと、「おいしい！」（入山）、「やっぱり違うね甘味が」（前田）、「すごい甘味、これはいける！」（中村）と、身も心もほっこり…。ぎっしりと詰まったみそまで、夢中で食べつくすことに。また現在、えりもでは800gを超える・甲羅がピンク色・体に傷がない毛ガニを《風極》というブランド名で売り出し中。1杯1万円以上の高値で取引される同種だが、昨年12月に操業してから、まだ2杯しか捕れていない、まさに幻の毛ガニで…果たして、この日の釣果は!?

一方、中山優馬、丸山桂里奈、本並健治、前田親方が、蝦夷前寿司の匠・原内さんの案内で向かったのは苫小牧。ここもまた、水揚げ量が20年連続日本一という実績を誇る、大粒で食感が良く甘みもたっぷりなホッキ貝を筆頭に、ウニ、甘エビなど、思わず目移りする絶品食材ぞろい!!中山らはホッキ貝入りのカレー、海鮮丼、甘エビ丼などの贅沢すぎる“デカ盛りグルメ”をしっかりと味わうのだった。
そして一同は、さらに西へ移動し、噴火湾へ。こちらはホタテの養殖の発祥の地として有名で、身が締まる寒さが厳しい冬の今が旬とか。ここで、前田親方らがオススメの食べ方を指南。なかでも、原内さんの伝授した「ホタテの串焼き」の作り方が独特で、トライした中山は「うわー、すっげえ！めっちゃテンション上がってます!!」と大興奮…いったい何が!?

そして、ついに北海道の旬のネタで、江戸前・前田親方と蝦夷前・原内さんの寿司の共演へ！
まずは、えりもの毛ガニから。前田親方は、酸味がまろやかで独特の香りとうま味が特長の赤酢を用いたシャリに、ボイルした肉厚な脚の身、みそを合わせた美しい握りを披露。ひと口ほおばると、立会人を務める中村、入山、丸山、本並は、「ん～」と大満足！解説を担当する原内さんの師匠である渡部さんも「ふっくらとしたカニの状態を作れるのはゆでる加減が大事。おいしいです」と太鼓判。スタートからとんでもない逸品が登場し、さらに期待が高まるのだった。
続く蝦夷前の原内さんが握るのは、ほぐした身にみそを絡めて、さらに生きた毛ガニをしょうゆタレにつけた沖漬けを添えた“これぞ蝦夷前！”な変わり種。特に入山は大のお気に入りの様子で「これ、おかわりいただけますか？」と、まさかのリクエスト！

ほかにも、函館産の活〆天然ヒラメと羅臼のとろろ昆布との贅沢な合わせ技、東京ではまずお目にかかれない利尻島のホッケの握り、マグロ、松前産の蝦夷アワビ、ホッキ貝、そして噴火湾のホタテ…高級食材が、匠たちの手腕で次々とおいしく、綺麗で、味も見た目も最上級の握りに仕上げられていく。そして最後は、江戸前と蝦夷前のスペシャルコラボが実現!?