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2021-04-03「埼玉県 こじまねぎ」

『おばあちゃんの幻のねぎ SDGs 農業』

  • 【ロケ地】埼玉県熊谷市
  • 【出演者】笹岡隆次(『恵比寿 笹岡』主人)
         矢田亜希子(女優)

埼玉県熊谷市の利根川沿いにある小島地区でおよそ50年、親子3代に渡り受け継がれているこじまねぎ。甘さが特徴のこのネギ作りの裏には、SDGsに目覚め、取り組んでいる女性がいる。女優の矢田亜希子と小島地区を訪ねた和食のグランシェフ、笹岡隆次さんがこじまねぎを使った絶品の和風チャーシュー丼を作る!

笹岡シェフと矢田が出会ったのは、小島地区で農家をする遠藤友章さんと嫁いで10年目の妻の政子さん。匠夫婦が営む遠藤ファームは菜の花にミツバチと、まさに春の風景。遠藤さんたちは今日の夕食用に菜の花を採っているところだが、菜の花は販売用のものではない。畑を休ませるため“緑肥”という肥料の代わりに植えているもので、遠藤ファームではなるべく肥料を減らすため、菜の花やひまわりを使った緑肥を行なっているのだ。緑肥の知識が豊富な友章さんの影響で、結婚するまで野菜とは無縁だった元アパレル店員の政子さんも緑肥の知識は完璧。去年の夏は東京ドームとほぼ同じ広さの畑に緑肥用のひまわりを大量に植え、迷路を制作。無料で開放し、「すっごい人気でバズりました」とほほ笑む。

匠夫婦が行っているのは“循環型農業”というもの。野菜を収穫した畑に緑肥を植え、緑肥の栄養でうまれた微生物が分解され土に還り、その栄養で再び野菜を収穫するのが循環型農業だ。広大な畑で50品目もの野菜を作り、いま育てているのが長ネギ。この日は強風が吹いていたが、強い風にびくともしない長ネギを抜くと3本のネギが束になって姿を現す。これは1つの種から根が出てきたもので、深谷ネギの原種とのこと。この地域でずっと作られている「こじまねぎ」だと教えられる。

笹岡シェフと矢田はこじまねぎをシンプルに炭火焼きで試食。すると、砂糖のような甘さに驚く。甘いことで有名な深谷ネギより糖度が上のこじまねぎだが、見た目がスマートでないことから広く流通していない。友章さんは政子さんと力を合わせ、祖母の代から受け継いだこじまねぎを大切に育てている。さらに2人は循環型農業こそ今注目を集める「SDGs」につながると考え、積極的に活動。循環型農業に必要不可欠な養蜂も行い、採れたはちみつをおしゃれにアレンジして販売するのは、元アパレル店員のスキルを使った政子さんの役目だ。さらに政子さんは女性ならではの視点で農業の魅力を意欲的に発信している。

いよいよ、SDGsに取り組む匠夫婦に笹岡シェフが腕を振るう。笹岡シェフは食材を余すところなく使いたいと語り、こじまねぎを使い切る和風チャーシュー丼を作る。ネギは甘味を逃さず封じ込めるため、サラダ油を塗ってから焼いていく。細かく刻み、特製ダレで和えたネギはそれだけでおいしそう。昆布締めにした和風チャーシューはそのまま出すのでなく、驚きのアレンジを施す。完成した一品はチャーシューの豚肉とネギが良く合う! ごはんとネギが良く合う!! さらに付け合わせの菜の花は素揚げされ、その苦味もいいアクセントになっている。一度の食事で甘味や塩味、苦味にうま味といろいろな味を楽しめることから、笹岡シェフはどんぶりにしゃれた料理名を思いつく。味もネーミングも二重丸!

  • 遠藤友章さん・政子さん

    遠藤友章さん・政子さん

  • 「和風チャーシュー丼」

    「和風チャーシュー丼」