はじめに

ひとこと ご挨拶 2010/03/01up

企業の社会的責任。Corporate Social Responsibility
企業がCSRを重要視するようになったのはいつごろからでしょう。日本では、21世紀になってからとも言われています。テレビ朝日福祉文化事業団は、民間放送系では初めての社会福祉法人として1977年(昭和52年)8月に設立されました。

今、テレビ朝日では、社会福祉活動に加えて、環境への取り組み、学習支援、コミュニケーション活動を行い、社会貢献の責任を果たそうとしています。

福祉とは、広辞苑では「幸福。公的扶助による生活の安定、充足」なこととあります。何か活動することにより、人が幸せを感じてくれること。福祉活動とは、小さな行いの積み重ねでしょう。できるだけ多くの方に幸せを感じてもらうためには、組織として大きな活動をすることも必要です。当事業団は、社会福祉法人として、「児童福祉」「高齢者福祉」「障がい者福祉」を3本の柱に、放送事業と密接な連携を持ちながら広く福祉活動を展開していきたいと考えています。

児童福祉では、近年ニュースになることが多い児童虐待が気になります。児童福祉法の改正で虐待されている児童を強制的に親から引き離すことができるようになりました。これは、子どもの命を最優先に考えることです。しかし、それでも悲しい事件のニュースは後を絶ちません。
心に大きな傷を負った子どもたちが幸せを感じて過ごすことができるために、施設や里親の皆さんが日々努力されています。わたしたちもその力になれればと思い、里親大会を主催したり、施設で暮らす高校生に海外でホームステイの体験をしてもらったりしています。

年金問題がまだくすぶり、老後の不安を抱えて過ごす中高年。高齢者の医療負担も増えていきます。元気なお年寄りには、より元気に楽しく過ごして欲しい。そして介護が必要で施設で暮らすお年寄りにも楽しいひと時を過ごして欲しい…。施設訪問やカルチャースクールなどで楽しい時間を過ごしていただきたいと思っています。

障がい者自立支援法が制定されたもの、障がい者への負担は重くなるばかりで悪法の声も聞こえてきます。そんな中、障がい者自身が法律の策定に参加できるようになりそうです。自分たちの権利は、自分たちで守りたい。物理的にも、心理的にも、バリアフリーの世の中にはまだまだ時間がかかりそうです。そのお手伝いをするためにコンサートや各種スポーツ大会に協力しています。

国内は経済的な不況の影響で格差社会となり、少子高齢化で確実にお年寄りが増えています。まもなく2013年(平成25年)には4人にひとりが、平成47年には3人に1人が65歳以上になると言われています。高齢者の方が怪我をするととたんに、障がい者になってしまいます。元気なお年寄りが、子どもたちに目を向けて、ゆっくり向き合ってくれたらと思います。昔の遊びや知恵を子どもたちにつないでいく、そんな豊かな社会は素敵です。1回きりで終わるのではなく、つながりができる持続可能な福祉ができたらと思っています。そしてより多くの方が幸せを感じて暮らすことができれば、素敵な未来が待っています。

テレビ朝日福祉文化事業団リーフレット表面裏面(PDFファイル)