12月8日
「半落ち」
[原作]
横山秀夫
[脚本]
佐伯俊道
[音楽]
村山竜二
[演出]
土方政人
[プロデューサー]
佐藤凉一(テレビ朝日)
川島保男(テレビ朝日)
越智貞夫(コブラピクチャーズ)
高橋萬彦(共同テレビ)
[制作 協力]]
共同テレビ
[制作]
テレビ朝日
[出演]
志木和正 ・・・ 椎名桔平
梶 聡一郎 ・・・ 渡瀬恒彦
佐瀬銛男 ・・・ 高嶋政伸
梶 啓子 ・・・ 風吹ジュン
伊予警務部長 ・・・ 渡辺いっけい
岩村刑事部長 ・・・ 橋爪 功
岩国 鼎 ・・・ 寺田 農
志木道子 ・・・ 森口瑤子
志木忠正 ・・・ 竜 雷太
小久保令子 ・・・ 若村麻由美
中尾洋平 ・・・ 東 幹久
池上一志 ・・・ 中林大樹
島村康子 ・・・ 銀粉蝶
  連続婦女暴行犯の捜査指揮に当たっていた県警捜査一課・強行犯指導官の志木和正(椎名桔平)は、至急本部長室に来るよう呼び出しを受ける。
 本部長室には、加賀美本部長(矢島健一)、伊予警務部長(渡辺いっけい)、そして岩村刑事部長(橋爪功)と県警幹部が顔をそろえていた。
 伊予によると、梶聡一郎警部(渡瀬恒彦)が、妻を殺したと中央署に自首してきたという。梶は、幾つかの所轄を経て県警捜査一課に在籍、11年前に本人の申し出でにより警察学校の教官に転出していた。捜査一課時代はきわめて優秀な刑事で、志木も彼の薫陶を受けた一人だった。
 呆然とする志木に、伊予は梶の取調べに当たるよう命じる。「“完落ち”している被疑者の取調べをなぜ自分が?」と問いかける志木。梶は、一昨日の早朝に妻を殺したと自白しておきながら、今朝中央署に出頭するまでの2日間の行動に関しては沈黙を守っているという、つまりは、まだ“半落ち”。警察の面子にかけて、記者会見前に“完落ち”させろと伊予は命じる。
 志木は、中央署の取調室で梶と相対した。梶の自供では、彼の妻・啓子(風吹ジュン)は、2年ほど前からアルツハイマーの兆候があり、最近特に病状がひどくなっていたという。殺害前日は、難病で亡くなった息子の命日で、夫婦は昼ごろ墓参りに出かけた。ところがその夜、啓子は「息子の命日だから墓参りに行こう」と言い出した。昼間のことはまったく覚えていなかったらしい。梶がそのことを話すと、啓子は、せめて息子のことを心の片隅に留めているうちに死にたいと涙を流し、梶に自分を殺してくれと懇願したという。
 妻があまりにも不憫なので首を絞めて殺したと、梶は告白する。だが、以後2日間の行動については、「どうかそっとしておいてほしい」というだけで、答えようとはしない。
 同じ頃、記者会見場では、加賀美本部長が、梶の“空白の2日間”を東洋新聞の中尾記者(東幹久)に追及されて立ち往生していた。志木は、いらだった伊予から、早く全面自供を引き出せと激しく叱責される。
 現場検証の結果、梶のワイシャツのポケットから、新宿歌舞伎町のキャバクラの宣伝用のポケットティッシュが見つかる。さらに、廊下の隅にはロープがあり、鴨居にはそのロープが掛けられた痕跡が。
 一度は自殺を考えた梶は、何らかの理由で自殺を止め、その後新宿に出かけたと思われた。「それは、なぜなんです?」だが、志木の追及にも梶は答えようとはしない。
 梶の自分自身に対する厳しさ、そして潔さを熟知している志木は、むしろ妻を殺した直後に梶が自殺しないほうが不思議だった。梶が自殺を思いとどまった理由は何だったのか? 東京行きと関係があるのか? 志木に答えは得られない。
 翌朝、東洋新聞に、妻を殺した翌日梶の姿が新幹線の上りホームで目撃されていたというスクープ記事が載る。この事態に焦りを覚えた県警幹部は、“空白の2日間”梶は死に場所を求めて彷徨っていたとでっち上げて、早急に梶を地検に送致しろと、志木に命じる。そんなことはできないと、梶の取調べ室で激しい言い争いになる志木と伊予。それを目の当たりにした梶は、「死んでお詫びをしようと、2日間県内を彷徨いました…でも後一年だけ命が惜しくなったんです」と涙ながらに頭を下げた。「…完落ちだな」と伊予。だが、志木には梶の言葉が腑に落ちなかった。
 一方、調書を読んだ佐瀬検事(高嶋政伸)は、調書は捏造された「腐ったエサ」だと直感する。事件の裏に何かあると思った佐瀬は、警察と真っ向から対決する腹を決めて、梶の取調べに当たるのだったが…。
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