放送内容
2018.01.13 #192
菅本 智(すがもと さと)
[ アーティスト ]
女性が被っている大きな黄色い花の帽子。よく見ると、直径7ミリほどの紐で出来ている。
生み出したのは、菅本智。紐で作品を作るアーティスト。
「黄色い花で“喜び”を表現しています。感情が頭の中からあふれ出してきて、頭の上で開花している様子をイメージして作りました。」
発泡スチロールで形を作り、その上に紐を貼り付けていく。
「紐が複雑に混ざり合うように貼り付けていきます。私が作るのは、頭にかぶる作品が多いですね。」
様々な色の紐が絡み合う菅本の作品。
その作品に込められた、デザイン・コードとは…
【頭の中を可視化する】
赤い紐で作った被り物とベージュの紐で作った被り物が繋がっている作品『Non-Verbal Communication』。接合部分で2色の紐が混ざりあうのは、性格の違う二人が意見を交わす様を表現したという。
「例えば、赤を被った人は情熱的で積極的な人に見えるし、ベージュを被った人は穏やかで寛容な人に見えるんです。一見、積極的な赤い人の方が、穏やかなベージュの人の考え方を侵食しているように見えるんです。でも、頭上の繋がっている部分を見ると白い紐が赤い紐に侵食しているんですね。
なので、実はベージュの穏やかな人の方が赤い人の思考に侵入している様子を表しています。」
他にも、白い紐と黒い紐の被り物を頭上で繋げた作品「Breakthrough」は…
「白黒全く考え方の違う二人が、一つの解答を見つけた瞬間を表現しました。“あっ!”っていう、突然のひらめきを表すために繋がっている部分には白と黒以外の黄色や青などの紐を使って表現しました。」
他人の頭の中を想像しながら作る菅本。本人の頭の中は…
「頭の中は、常にこんがらがっていますね(笑)」