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川崎 誠二
[ 彫刻家 ]

2016.03.05

 

川崎 誠二(かわさき せいじ)
[ 彫刻家 ]

皿の上に置かれた一枚のトースト…実は木で作った彫刻。
生み出したのは、彫刻家 川崎誠二。食べ物にそっくりな木彫り作品が、ツイッターで話題となり注目を集めている。本物に似せるための秘訣は徹底的な観察だという。

「食べ物を何十時間も観察していると細かい色合いの違いや微妙な形の変化がどんどん見えるようになってくるんです。」

彫刻を始めて2年、まれにこんな奇跡が起こるという…

「例えば木材を枝豆そっくりに加工していると本物の枝豆よりも枝豆らしく見える瞬間があるんですよね。そういう劇的な変化を見るのは面白いです。」

リアリティーを追い求め、彫刻刀に魂を注ぐ川崎の作品。
そこに込められたデザイン・コードとは…

【やめたいのに彫る】

「ネット上の何万人という人が僕の作品を見て“いいね”とコメントしてくれることがうれしいんですよね。だから、作品を作っていると“これぐらいでいいかな”と何度も妥協しそうになるんですけど、多くの人が“いいね”ってコメントしてくれることを想像すると“まだ彫れる、まだ彫らなきゃ”と妥協できなくなりますね。」

最長1日10時間、疲れていても彫り続ける原動力は、ネットでの反応だという川崎。
さらに、川崎のモチベーションを上げる出来事があったという…

「木で彫った煮干しの作品を机の上に置いていたら、猫が本物の煮干しと間違えてくわえたことがありました。猫が見間違えるほどうまく彫れたと思うとうれしくなりますね。」