保坂 猛(ほさか たけし)
[ 建築家 ]
雪化粧をした富士山をバックに建つ、まっ白で奇妙な形の建物。その正体は…山梨名物「ほうとう」のレストラン。設計したのは、建築家・保坂 猛。建物のモチーフは、空にゆらめく雲。
「富士山に浮かぶ雲が下りてきたような感じでこの敷地にフワッとあったら、富士山と一つの風景になり、見る方々に愛されるんじゃないかと思ったわけです。」
店内も雲の中をイメージ。柱や仕切りをつくらずに、開放感を大切にしている。
「富士山から下りてくる風を感じながら、ほうとうを食べるっていう体験はここでしかできないことだと思うので開放感を大事にしました。風がすごく気持ちいいんですよ。」
風景に溶け込むような保坂の建築。そこに込められたデザイン・コードとは…
【自然に生かされている建築】
自然の力を借りて、よりよい建築を作るという保坂。
「『DAYLITE HOUSE』は高い建物に囲まれた土地に作った住宅です。横の窓だと光が入らない土地だったので天井に窓を付け、上から光を取り込めるようにしました。昼は日の光、夜も月の光がそのまま家の中の明るさになります。まるで空の下で生活しているような感じですね。」
保坂はどんな環境であろうとも、自然の力を味方につけ、新たなアイデアを生み続ける。
「自然はコントロールできませんが、建築はコントロールできるので、常識の形に囚われることなく自由に描いていこうと思っています。」