深田崇敬（ふかだたかゆき）
[ 水景演出家 ]

巨木が立ち並び苔むした、アマゾンの熱帯雨林を思わせる雄大な自然の風景。おさめられているのは、なんと、魚が泳ぐ水槽の中。作ったのは、水景演出家・深田崇敬。

石や流木、水草などの自然素材を使い水槽の中に自然風景を作り上げる“水景”。参加者2000人以上の世界大会で優勝した深田のテクニックとは…

「リアリティを出すためには、腕ほどの大きさの流木を水槽の中で巨木に見せることが大事です。また景色の中に人が歩けるような小道を作ります。奥行き60cmほどの水槽ですが、小道の手前を広く、奥は細く作ることによって水槽の中に奥行き感を生み出すことができるんです。」

他にも、水槽に置く石を手前は大きく、奥は小さくするなど様々な技法を用いて奥行きと立体感のある景色を生み出す深田。その作品に込められたデザイン・コード。

【手に入れることができない景色】

深田は、長い年月を過ごして成長した自然の風景に感銘を受け、モチーフにする。

「ブラジルにあるアマゾン川の上流に、雨季になると森の中まで水没する景色があるんですけれど、その世界をイメージして作ってみました。」

深田は自然が過ごしてきた長い年月を想像しながら景色を楽しんでほしいという。

「作品を見て、その水景の中を歩いて迷い込んでいるような錯覚を受けてもらえると本当に嬉しいですね。」