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杉野 宣雄
[ 押し花アーティスト ]

2015.09.05

 

杉野宣雄(すぎののぶお)
[ 押し花アーティスト ]

富士山をモチーフにした作品『遥富士』。実は富士山はタケノコの皮、雲はトウモロコシの皮で出来ている。作ったのは押し花アーティスト、杉野宣雄。

「押し花というと、普通は花を押して作るものだというイメージがありますが、私は植物だったら何でも押し花にするんです。」

作品『ライオン』は、たてがみがガーベラの花、しっぽがつくしで、体はなんと大根の皮で出来ている。

30年以上かけて磨き上げた押し花の技術。イチゴの場合は…。
「イチゴの中身を削りとって、表面の皮だけにするのがコツなんです。平らに潰したら押し花になりますから。」

押し花の概念を覆す杉野の作品。そこに込められたデザイン・コードとは…。

【植物を知ることで作品が生まれる】

「植物を観察し、植物の美しさを知ることで、作品はおのずから出来てしまうんです。作品『葉精』は、夏になると白く色が抜けるマタタビの葉っぱが、唇の形に見えたことから出来たんです。」

さらに虫食いの葉っぱで、朝日に染まる赤富士を表現した作品『湖富士』では…
「虫が食べたり、一部が欠けたりした葉っぱも、皆さんはゴミだと思うかもしれませんが、私にとっては良い造形美なんですよ。」

杉野は気軽に押し花アートを楽しんでほしいという。
「道ばたの草花を雑草と思わずに、少し見る目を変えるだけで植物の美しさに気付くと思います。」