こうじょう雅之(こうじょう まさゆき)
[ 武人画師 ]
さっそうと馬を駆る戦国武将・真田幸村を描いた墨絵。
描いたのは、こうじょう雅之。命がけで戦う人物に惹かれ、その姿を描く、その名も武人画師。
真田幸村の最後の場面を描いた作品は…
「傷つきながらも絶対に倒れず、後ろに下がらない強さや覚悟というのを表現したかったんです。武人画では、“男が覚悟した瞬間”っていうのを描いています。」
こうじょうの描く武人は、目に特徴がある。
「黒目は描かずに、白目にしてあります。白目にすることで、感情が無機質な状態を保って描いています。」
目をあえて無機質に描く、こうじょう。
その作品に込められたデザイン・コードとは…
【裏に何があるんやろう?】
「『その裏に何があるんやろう?』とか、『覚悟以外に何を背負って生きているのか?』とか、見た人がいろんな想像をしてくれたらいいと思うんです。」
関ヶ原の合戦で徳川軍に立ち向かう石田三成を描いた作品では…
「負け戦ですからね。途中で負けるだろうと思って、それでも、何かを背負って出ていく。交わした約束であったり、託された思い、そのいろんな背景を感じてもらえたらなあと思います。」
命がけで戦う者を描くこうじょう。その手にかかれば、童話の「桃太郎」も…
「ものすごく恐い桃太郎やなって言われるんですけど、心の裏まで考えると桃太郎も平常心じゃ無理ですよね。 『鬼と戦うってなんやねん』って思いません?」