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ヤマガミ ユキヒロ
[ 現代美術家 ]

2018.06.09

 

ヤマガミユキヒロ
[ 現代美術家 ]

六甲山からの街並みが、鉛筆で描かれたモノクロの風景画。その上に、同じ場所の景色を撮影した実写映像を重ね合わせることで出来上がる「動く絵画」。
生み出したのは、現代美術家・ヤマガミユキヒロ。

「六甲山の風景として有名なのは“街の夜景”だと思うんですけど、僕は“空の変化”がすごく綺麗だと思っています。」

街並みよりも、雲や空が変化する様子に心動かされるヤマガミ。
京都の河原町を描いた作品「Noises, Crowds, and Silent Airs」では、空の景色を強調するために建物の色を少し薄めて映し出している。

「河原町の街の景色も綺麗なんですけど、街越しに見る空の変化やビルとビルの間から見える夕焼けもすごく綺麗だと思って、街の部分の色を薄めて作っています。」

理想の風景を撮影する為に、1年かけることもあるヤマガミ。
その作品に込められたデザイン・コードとは…

【見落としがちな光景】

作品が、日常で起こる“小さな景色の変化”に目を向けるきっかけになって欲しいというヤマガミ。朝の電車内を描いた作品「窓の光 IV」では、日常の“光”に注目して欲しいという。

「多くの人が通勤時間に新聞読んだり、携帯を触ったりとかされていると思うんですけど、窓から入ってくる光をよく見てみると実はすごく綺麗なんですよ。」

ヤマガミが作品を通して伝えたいことは…

「当たり前の日常が、その捉え方一つで美しい瞬間になるんじゃないかなと思っています。」