永山祐子(ながやま ゆうこ)
[ 建築家 ]
洋菓子店が入った3階建ての建物。よく見ると…1階と2階の間が切り離された不思議な構造になっている。設計したのは、建築家 永山祐子。
「1階がケーキ屋さんで、上の階が住居スペースになっています。洋菓子店の屋根は、ガラスで出来ているので、自然光が入り込む開放的なケーキ屋さんになっています。」
さらに、こんな狙いも…
「夜になると、お店の光が1階と2階の間から漏れます。その光景がまるでケーキの箱が少し空いたようにも見えるんです。」
見る人の好奇心をかき立てる永山の建物。そこに込められた、デザイン・コードとは…
【あれ?】
「『あれ?』っていう疑問が生まれるようにしたいと思っています。
人って疑問を感じたものに、興味を持ったり、惹きつけられると思うんですよね。」
建築の高さ制限があるエリアでは、少しでもビルを高く見せるために、壁を極端に湾曲させた。
「ビルの下から見上げた時に建物の頂上が見えないんですね。だから、ビルがどこまでも続いているようにも見えます。」
さらに、高く見せるために窓にも工夫を凝らした。
「実際は5階建てなんですけど、それぞれの階に大きさの違う窓を2段ずつ配置することで、
10階建てにも見える建物になっています。」
人を思わず立ち止まらせる永山の建物。中には、こんな人も…
「私の建物を“撫でている人がいた”と聞いたことがあります。“そのくらい興味を持ってもらえたんだな”と思うと嬉しいですね。」