トムツジモト
[ レコード曲げ屋 ]
傷ついて聴けなくなったレコードを、幾度も曲げて作ったのは…“ペン立て”。生み出したのは、トムツジモト。廃棄されるレコードから雑貨を作り出す、その名も“レコード曲げ屋”。作り始めたきっかけは…
「傷がついて捨てられたレコードを見たんです。元々、音楽が好きでバンドもやっていたので、
“これを捨てるのはちょっと忍びないな”と思って、何かに活用しようと思いました。」
レコードに熱風を当て、柔らかくしてから曲げて作る。
レコードの片側だけ凹凸に曲げて作ったのは、時計。
「山になっている部分がそれぞれ、7時、8時、9時、10時、11時、12時と時刻を表せるように曲げました。」
うちわまでレコードで作ってしまうトムツジモト。
その作品に込められたデザイン・コードとは…
【レコードの形を生かす】
「レコードの形を生かして作品を作っています。例えば、穴が大きいドーナツ盤で作った照明は、ドーナツ盤の大きい穴から丸い光が漏れて、壁にその光が映る独特の照明になりました。」
30枚近いレコードを重ね合わせて作ったルーレットは、レコードならではの仕掛けが…
「レコードで作ったルーレットなので、レコードプレイヤーの上で回せるようにしました。」
たまに、思い出のレコードを持ち込む客もいるという。
「傷がついて聞けなくなったレコードを曲げてほしいという依頼を受けます。
そういう時は“思い出をお曲げいたします”と言って曲げていますね。」