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入江 早耶
[ 消しカスアーティスト ]

2017.09.23

 

入江早耶(いりえ さや)
[ 消しカスアーティスト ]

柿の写真を消しゴムでこすり、その消しカスをこねて、できたのは…柿。
生み出したのは、入江早耶。絵や写真を消しゴムで消し、その消しカスから立体作品を作るアーティスト。

「絵の中のモノが消しゴムのカスになって、現実の世界に出てくるというのが面白いなと思います。」

掛け軸に描かれたトラを消し…小さなトラが軸棒の上に。

「掛け軸から現実の世界に出てきたというイメージで作りました。」

元の絵との連続性を感じさせる入江の作品。そこに込められた、デザイン・コードとは…

【物語を感じる】

「物語を感じるように作っています。」

“絵から出てきた後”の物語を大切にするという入江。
焼酎のラベルに描かれた、両足を地面につけ座っているヤマネコは…

「ヤマネコが、招き猫みたいになったという感じで片足をあげて作りました。」

柿の上にのったスズメ。もともとは…

「元の絵はスズメと柿が別々の位置に描かれていたんですけど、絵から出てきてスズメが食べようとしているイメージで作りました。」

消しカスを練っていると神秘的な作業に感じることがあるという。

「消しカスというゴミだったものが、価値のある作品に変わるというのは、作品に命を吹き込むという風に感じることがあります。」